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【背景と解説】マップシリーズ(世界・学問・産業・社会問題・SDGs)

こんにちは、トキワ(@etokiwa999)です。

私は「人間を理解すること」に執念を持っています。

例えばあなたはなぜこのnoteを読んでいるのでしょうか?なぜ文字が読めるのでしょうか?なぜ意味が理解できるのでしょうか?このnoteを読んで幸せになれるのでしょうか?

人間のすべての行為の原因・理由・動機・仕組みが分かったとき、いい方向にいけばすべての人間が幸せになり、悪い方向にいけばすべての人間をコントロールできます

私は少なくともいい方向に行ってほしいし、すべての人間が幸せになれる社会のシステムを作りたいと思っているので、人間を理解したいのです。現状、資本主義と民主主義は完全に人間のことを理解していないから社会問題を生み出しています。

さて、ではどうやって人間を理解できるのでしょうか?

その方法として科学は要素還元主義(Reductionism)を使いました。すっごく簡単に説明すると、「部分の集まりは全体を説明できる」というものです。

例えば、元素がそうです。ひたすら細かく細かく物理現象を見ていくと、そこには水素や酸素があり(部分)、水素と酸素で水(全体)になりました。

人間も同じように細かくすれば全体(=人間)が理解できると思い、遺伝子レベルで細かく分けていきました。でも一方で、遺伝子が理解できたとしてもその人の全ては理解できませんでした。なかなか遺伝的に100%~~になるとは言いきれません

そこで要素還元主義に対して、全体の相互関係・相互作用を見る必要が出てきました。例えば遺伝子でいうとエピジェネティクスがあります。すっごい簡単に説明すると環境によって遺伝子の発現が変わることです(同じ遺伝子なのに女王バチになったり働きバチになったり)。

人間も遺伝子だけではなく環境による影響をとても受けます。(拙著「悪者図鑑」ではいじめや虐待など悪者は環境要因で生まれることを説明しています。)

つまり人間も環境も知り尽くして、その相互関係・相互作用を調べれば理解できるのではないか?と思っています。それがマップシリーズを作った背景です。作った順番に紹介していきます。


1、世界マップ

3年前の2018年に最初のマップを作りました。それがこちらの「世界マップ」です。人間の性格はどんな要素から影響を受けているのかを、下の「思想・哲学」から上に向かって並べていきました。上に行けば行くほど影響が小さいと思っています。

その結果、偶然ですが、上に自然環境(宇宙・地理・動植物)、真ん中に社会(文化・経済・科学)、下に集団・哲学・表現が並びました。まさに上から世界が成り立っていった様子になりました。

さらに上を資源系、左を制度系、右を技術系、下を認識系と4分類にしました。制度系とは虚構でありルールであり習慣という、生活を何気なく支配しているものです。技術系とはあらゆる手段です。認識系は物事の見方、伝え方、共有相手となります。

性格マップ_世界地図

以下も反映させたいですね

2、SDGsマップ

ちょうどSDGsがたくさん言われ始めたころ、SDGsの17個の目標に対して「多いなあ」「あまり綺麗に整理されていないなあ」「絶対抜け落ちているところあるだろ」と思っていたので、マップとして整理しました。

お互いに影響がありそうなところ矢印で結んでおり、世界マップよりは分かりやすいかと思います。

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3、学問マップ

なにかのきっかけでナビスコラというWebサイトに出会いました。アクセスしてみると分かりますが、まさにマップとなって全体の繋がりが分かりやすくなっています。

Webサイトだとごにょごにょ動いてしまうので、自分の手元で静的に見たいと思い、模写(?)しました。模写して分かりましたが、結構偏ってますよね。あとで作るマップ統合版では、Wikipediaの学問一覧を参考にしてさらに網羅的に作っています。

学問

4、産業マップ

2020年4月、新型コロナウイルスによって産業が大打撃を受け、その影響で私のビジネスもどうなるか分からないと危機感を感じたさいに、産業マップを作りました。

こちらは業界地図2018産業別雇用者数経済活動別国内総生産などを参考にして作っています。それぞれ市場規模、労働者数、GDPという観点です。

こうやって俯瞰することでコロナの影響がどこにあって、そこからどこに影響するかが分かりやすくなります。その結果、2020年の緊急事態中にバズった「コロナ経済カオスマップ」もできました。

※参考追記:「いい会社」はどこにある?──自分だけの「最高の職場」が見つかる9つの視点

産業マップ

5、社会問題マップ

2021年2月に拙著「悪者図鑑」を出版し、ちょうどClubhouseで宣伝していたころでした。よくClubhouseで社会問題が議論になる際に「この問題も関係がある」「あの問題もそう」となっていました。

悪者図鑑は、悪者が様々な環境要因によって生み出されることを書いてる本ですが、その1次的な原因、2次的な原因、3次的な原因、、、n次的な原因までは書けていませんでした。

女性の貧困について身近な状況から説明した「オンナはハプニング・タイミング・フィーリングで恋と地獄に陥る #国際女性デー」を書いてみたものの、文章だと全てを伝えづらいので、そこですべての社会問題の繋がりをわかりやすくマップでまとめました。

関係図として参考にしたものだと、リディラバジャーナル構造化自殺実態白書本当の貧困の話をしよう、あたりですが、基本的には社会問題の本100冊以上から調査しています。

※参考追記:The Ecosystem of Wicked Problems by Christian Sarkar
※参考追記:人文・社会科学系研究の評価に関する論点地図
※参考追記:社会技術研究開発センター「社会問題の俯瞰調査」

社会問題マップ_先進国

6、マップ統合版

Clubhouseで2021年4月5日に「2030年の世界、産業、社会問題について話す エイスケさんが作られたマップを見ながら」が開催されました。その後、秋田県で行われている展覧会「200年をたがやす」への出展依頼の連絡がツイッター経由で来ました(展覧会の様子は以下)。

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この際に「どうせ大きく展示してくれるのならすべてのマップをA1サイズに統合しよう」と思い、できたのが以下の統合版です。統合版ではここまでの世界・産業・社会問題・学問・SDGsに加え、ミクロな職業・生活も列挙しました。世界の次に学問があるのは世界を解釈・分析するためです。

一番外側から世界(黒)、学問(青)、社会問題(赤)、生活(緑)、産業(線内)、職業(点線内)となり、SDGsは各所の関係する部分にあります。外側は抽象的・客観的・遠いことですが、内側は具体的・主観的・身近になります。

こちらのA3サイズのPDFを以下からダウンロードできます。コンビニでプリント可能です。


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番外編:模造紙生活と哲学マップ

元々、2012-2013年に大学でグラフィックデザインを学んだころから、視覚的にまとめることに興味を持っており、2013-2015年まで1年間で100冊読み(計300冊)、自分の家の壁に模造紙をはってポストイットで並べていました。

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それから哲学が好きなのもあり、哲学史を勉強していたときに「結局、哲学者って極端と中庸を行ったり来たりしてるだけか」と思い、以下の図も作成しました。

哲学と思想の時計

これからどうしていくのか

こういったことは学問でいうと、マクロ社会学、数理・計量社会学、ネットワークサイエンス、複雑系科学などが近いかもしれません。過去の研究者で言えば以下です。

ニクラス・ルーマン「社会システム論」
ピエール・ブルデュー「文化的再生産論」
ウルリッヒ・ベック「リスク社会論」
タルコット・パーソンズ「行為システム」
ロバート・キング・マートン「中範囲の理論」

でもマクロのことだけ考えてもダメなので、ミクロまでこの関係性(マップ)を作っていきたいと思っていますし、かつ動的に3Dやバーチャル空間でまとめていきたいのです。そうすると一部の変数を変えるだけで未来のシミュレーションがものすごくやりやすくなると思っています。

この関係図(マップシリーズ)をまとめていくのは簡単なことではありません。なので仲間とデータを集める必要があります。仲間とデータを集めて4種類の研究機関を作ります。それは以下です。研究機関4つ作るのも簡単ではありませんが、これも絶対必要です。

大学(科学系の仲間とデータ)
シンクタンク(政治系の仲間とデータ)
銀行(経済系の仲間とデータ)
美術館(哲学・思想系の仲間とデータ)

ぜひ興味がある方はご連絡ください。ツイッターはこちらです。




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