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「独白するユニバーサル横メルカトル」平山夢明

約四年前、私はネットでとんでもない鬼畜小説を書いてる人がいる事を知り、著者による「他人事」を購入し、あまりの気持ち悪さに本を捨ててしまった記憶がある。


同著者の代表作「DINER」もその頃購読し、楽しく読ませて頂いた。現在ヤンジャンで連載している。調べたら今度藤原竜也主演で映画化するみたいですね。
何がきっかけかは忘れてしまったが私は再び著者の短編集を購入し、読了したのだがやはりとんでもない内容だった。気持ち悪すぎる。

著者は残酷や、サディストと言う表現では適当ではない気がする
彼は恐らく鬼畜である

収録内容
・ニコチンと少年
・Ωの聖餐
・無垢の祈り
・オペラントの肖像
・卵男
・すさまじき熱帯
・独白するユニバーサル横メルカトル
・怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男


特に私が気に入ったのは無垢の祈りとオペラントの肖像と卵男だ。この三作は名作だと思う。

何作か読んでいて、私が好きな平山夢明作品には特定のルールがある事に気付いた
それは
救われない
意味がない
殺し屋が出てくる
である。


基本的にこの三つすべてが該当する事は稀で、二つ入ってると多い方だ。収録作品のニコチンと少年は、本当に誰も救われないし意味がない。以前書評を書いたマルキドサドは、残虐行為と理不尽を通して読み手に善悪について考えさせると言う、明確な意図があったが、この作品には全くその意図が感じられない。
これについて色々考えたが、作者が単に人が苦しんでいるのが好きか人間が無意味に残虐行為に到る狂気に満ちている事を言いたいかどちらかである。


しかし、これ程最低な話なのに読後感がスッキリしていて、痛快な時さえある。文体からも知性を感じる。


・**好きな作品その1 ** オペラントの肖像

芸術が法で規制され、芸術に触れた者は矯正所に連行され、片腕だけ残して残りの手足は切断されて死ぬまでパチンコみたいに景品が出てくるレバーを引かされると言う世界が舞台のお話。主人公は芸術に触れた人間「堕術者」を取り締まる機関に属する人なのだが、ある女性と出会い・・・

勿論救われないお話である。
この作品の読後感は最悪で私は三日間尾を引いた。私はこの主人公に何故か感情移入してしまって余計最悪だった。
平山夢明の作品は残酷さもそうだが、感情移入と言う面でも凄まじい。
明らかに狂ってる人物も追い詰められて酷い目に合うと何故か可哀想になって来る。いつの間にか主人公側に引き込まれているのだ。

その2「無垢の祈り」
虐待がテーマで殺人鬼が出てくる。何故かこの作者は虐待を度々テーマに扱う。しかしこの作品はこの書籍の中で1、2位を争う傑作で単純な娯楽作品になっている。
因みに別の書籍に収録されている、同じく虐待をテーマにした「おばけの子」は本当に最悪な話でその日は胃が痛くて三時間しか寝れませんでした!!

その3「卵男」
たまごの殻を毎回現場に残していく殺人鬼のお話。捕まって死刑執行前に彼はなんとか脱出しようとするが...

残酷な理不尽を目の当たりにした時の不快感は凄まじい。それは涙するほど感動的な情景を見た時はまるで別ベクトルのものだが、エネルギー量は等しい様に思う。そうすると「心を激しく動揺させる」と言う点で、不快も娯楽的要素があるかもしれない。

そうした性癖を持つ人にはオススメすぎる名作だと思う。
近年、何か普通と違う残虐な嗜好があると「サイコパス!」呼ばれてしまう風潮があるが、私が両極端な訳ではなく、昔から「怖いものみたさ」と言う言葉がある様に、人間には残虐を嗜好として楽しむ性質がある。まあ、社会批判をしたいわけではないが、平山夢明作品を全部読んで「あれ?ちょっと癖になるかも」と感じて欲しい

歯が真っ白でフレッシュなテニス部のキャプテンが、使用済み生理ナプキンを収集している様な、そんな両極端な狂気が全ての人の中で蠢いていて欲しいな!!🤢🤢🤮🤮

#平山夢明 #独白するユニバーサル横メルカトル #残酷 #理不尽 #拷問 #無意味 #絶望 #殺人鬼 #ダイナー #DINER #藤原竜也

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