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自省録

わたしが大好きな本だ。
マルクス・アウレリウスはA.D121年頃の人で、ローマ皇帝と言うとても立派な役職についていたが、この本を読むと人間の心は立場も時代も違えど、そんなに変わってない様に思う。

要は多忙の間に彼が残した心構えやメモを纏めた本なのだが、名言だらけだ。名言が多すぎて、名言にアンダーラインを引くより、あまり名言じゃない文にアンダーラインを引いた方が効率的だ。

ここでは私が特に気に入ってる文を紹介するのと、垣間見える彼の思想を説明しようと思う

皇帝らしく、とても誇り高い人間である彼から放たれる言葉は厳格で、堅苦しい。そこには天国などと言う甘えた思想はない
「人生の時は一瞬にすぎず、人の実質は流れ行き、その感覚は鈍く、(中略)一言にしていえば、肉体に関するすべては流れであり、霊魂に関するすべては夢であり煙である。人生は戦いであり、死後の名声は忘却に過ぎない。しからば我々を導きうるものはなんであろうか。一つ、ただ一つ、哲学である」

「なににもまして、死を安らかな心で待ち、これは各生物を構成する要素が解体するに過ぎないものと見なすように保つことにある」

なんと言う崇高な精神だろうか。眩しいくらいだ。マルクスアウレリウスと言うと起業家御用達の本らしい。世代を超えて数々の人達に鞭を打って来たストイックな本だ。そもそもストイックと言う言葉はストア派と呼ばれる哲学の一派が語源らしい。その創始者ゼノンはもう一人で生きていけないと悟ると自分で息を止めて死んだ。ものすごく自分に厳しい人達だ。

だが私がこの本を好きな理由は彼が時たま零す弱音、愚痴が見れるからだ。勿論大半の文章は「一日一日大切に頑張るぞー!」とかが書いてるのだが、彼はまさに皇帝と言う自分を守り通そうと必死に努力していた。
非常に人間的なのだ。以下にその人間的な部分を紹介しよう。

「せいぜい自分に恥をかかせたらいいだろう。恥をかかせたらいいだろう。(中略)君は自己にたいして尊敬をはらわず、君の幸福を他人の魂の中におくような事をしているのだ」

「書物はあきらめよ。これにふけるな。君には許されていない事だ」

「明け方に起きにくいときには、次の思いを念頭に用意しておくがよい。人間の務めを果たすために私は起きるのだ。自分がそのために生まれ、そのためにこの世にきた役目をしに行くのを、まだぶつぶついっているのか。(中略)小さな草木や、小鳥や蟻までがおのがつとめにいそしみ、それぞれ自己の分を果たして宇宙の秩序を形作っているのを見ないのか。」

「働け。みじめな者としてではなく、人に憐まれたり、感心されたりしたい者としてでもなく働け」

「君の指導理性がなすすべなく作られているものを果たす事で満足していないために、君は数知れぬわざわいを蒙った。しかしもう沢山!」

「もうたくさんだ。このみじめな生活、ぶつぶつ言って猿真似しているのは。どうしていらいらするのだ。何か新しい事でもあるのか。(中略)この光景を百年観察しようと三年観察しようと同じ事だ」

如何だろうか?
当然ながら皇帝も人間である。この他にも他人の厚顔無恥に腹を立てたり、息子達がこのままで大丈夫だろうか?と心配したりと、もう思いっきり生活に根ざしている。

私のマルクスアウレリウスのイメージは五賢帝の一人でもなく、胸像の様に雄々しく賢いイメージではない。現実と闘う為にこの文章を歯軋りしながら書き、自分に言い聞かせていた人間マルクスアウレリウスである。だって彼、本を読みたいんだもの。働きたくないんだもの

#自省録 #ストア #ストイック #皇帝

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