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【フリーライター10ヶ月目】“何でも屋”をゆるく脱する

夜風がだいぶ涼しくなって、過ごしやすい季節になってきた。フリーランスになって10ヶ月目。メロンパンみたいな中秋の名月も見た。前回の更新は7ヶ月目の頃だっただろうか。

今年の夏はとにかく暑かった。そして多分、人生で一番忙しかった。会社員時代、ブラック企業で働きながらライターの副業をしていた時代に比べても、今年の夏が一番忙しかったのではないかと思う。だから何?という話ではあるのだけど、月間の最高本数を叩き出した8月には、62本の記事を書いた。1日2本弱、というところだろうか。他のライターからしたら別に大したことないのかもと思いつつ、今日はそんな夏の仕事をポートフォリオにまとめ直すなど。

とはいえ、ポートフォリオに載せている記事は実は一部だったりする。具体的には、エンタメ関連のインタビューかコラムのみ。それ以外に実際に受けている仕事としては、SEOライティング、セールスライティング、企業の経営者インタビュー……などがあるのだけど、これらは現在「売り込みはしない」仕事と決めている。もちろんこのジャンルのお仕事も全て大切なお仕事で、取り組む熱量には何も変わりはない。紹介でつなげていただいたり、先方からオファーがあったりした場合にはありがたく請け負うことにしているのだが、「営業はしていないのでポートフォリオには載せていない」というだけ。

ポートフォリオをエンタメに寄せている理由は、自分の執筆ジャンルの方向性を徐々に絞り始めようと思っているから。とりあえず「1年目は書き仕事だけで」と決めたこともあって“何でもやります”と声を大にして何でもやってきたのだが、1年目も終わりが見えてきた今、「何でも請け負う」ことは、現状に合っていても、目指すべきゴールではないような気がしてきたのだ。

“得意ジャンルを作れ”と言うのは、ライター界隈では誰もが耳にしたことのある言葉だろう。だからと言って「何でも請け負う=得意ジャンルがない」にはならないだろうと言うのが私の個人的な持論だった。任せてもらえることは全部やる。その気持ちは今でも全く変わらない。ただ、それが“金銭的に手放す勇気がないから”なら少し考えものだなと思った。

少し話は変わるが、夏に色々な人と話をする中で「ライフワークとライスワーク」の両立についての話題がよく上がっていた。要するに、“好きだからやる”と“生活のためにやる”のバランスの話。

私も常々考えているのだけど、結局どっちも欲しい!となってしまい、己の欲深さを感じている……笑。私はお酒も飲みたいし、好きなものを好きなように買いたい強欲人間なので、お金も全然諦められない。でも、そんな自分なりに色々考えてみたところ、結局ある程度までいったら、やりたいことで身を立てるには「手放す勇気」が必要になってくるのではないのかと思った。これを言い換えるなら「攻める勇気」でもある。

「ライフワーク」の比率を増やしたいなら、まずは自分という箱の中に余白を産まないといけない気がした。勉強する時間や使える体力もそう。わたしは、まだまだ仕事を選べる立場じゃないかもしれない。でも選べないからこそ、ライフワークに少しでも触れている時間を大切にしたいと思った。私にとっては、それがエンタメジャンルの仕事というわけだ。数ヶ月後にはまた違う考え方になっている可能性も全然ある。でも、今はとりあえず。

あとは最近、とあるWeb漫画のシナリオ原案のお仕事をいただいたのだが、プロットの作成やシナリオの執筆の仕事もすこぶる楽しい。こういう仕事を織り交ぜながら、インタビューやSEOライティングだけが“ライター”ではない、と改めて認識できただけでも自分にとっては有意義な10ヶ月だった。

そして何より、この夏は「私がいつか仕事で会いたい」と思っていた人たちに会えた夏だった。玉城ティナさんと門脇麦さん。初夏に大好きなライブアイドルのネ兎ねうさんにも取材に行かせていただいたので、独立してから1年未満でこんなにもたくさんのチャンスを頂けたこと、本当に各編集部のみなさんには頭が上がらない。

もうすぐ2023年も終わる。あと3ヶ月。日々はきちんと過ぎていく、たぶん。秋もほどほどに頑張りたい。


2023.10.03
すなくじら




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