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初心者でもハマる落語沼へのいざない。

「落語が好き」って言ったら、「へぇー、インテリだね」なんて、ちょっと冷ややかな目で見られそうで、なんだかあまり大きな声で言えない、っていう人、いませんか?
いやいや、落語って、庶民の娯楽だったのよ?本当に気軽に楽しめるもの。
そんな落語の魅力を知ってもらいたい!
ということで、今日は大好きな落語について熱く語ってみます。

落語のココがイイ!!

落語っていうものは、もう、歴史のある、
由緒正しい古典芸能なわけで、
昔ハマって聴いてました、程度の私が、
落語のなんたるかを語るのはあまりにもおこがましいのですが、

私的に好きなんだよー!
っていう、個人的なポイントを列挙してみます。

1・家事の最中・運転中でも聴きやすい
一番目にそれか。って感じですが、忙しい現代人にはありがたい特徴だと思うんですよ。落語は、基本的には、噺家(はなしか)さんの目線や仕草、表情なんかも含めて味わう芸能なのですが、耳だけで聴いても十分に伝わってくるし面白いので、運転中や家事の最中など、「ながら聴き」で楽しめるのが、とっても手軽なところ。

YouTube全盛期ですが、動画を観るのは、時間と目が拘束されるから嫌、っていう人も実は少なくないんじゃないかと思うんです。
なので、ぜひ、最初は期待せずに片手間に聴いてみて欲しいです。
私も、そうやって沼にハマりました(笑)

2・何度聴いても面白い
やっぱり、落語は「芸」なんですよ。
磨き抜かれた見事な「芸」は、何度も何度も聴きたくなります。
好きなお笑い芸人の漫才とか、コントとかで、前にみたことあるネタでも、
何度見ても飽きない、っていうのありませんか?

映画を観るほど時間がない、読書をするほど集中できない、
漫画も音楽もちょっと疲れてて。っていう時でも、
ダラダラ聴いてたら気がついたら最後まで聴いちゃう。
それが不思議でならなかったのですが、それこそ、磨き抜かれた「話芸」のなせる技なんだと思います。

3・好きな落語家さんを追いかけるのが面白い
この後、「すみぃおすすめ落語10選」をあげるのですが、実は私は立川談志さんをはじめとする、立川一門びいきです。
ちょこちょこ、他の落語家さんのも聴きますが、最初に落語を聴き始めたきっかけが立川志の輔さんだったため、一時期、志の輔さんの落語を漁りまくって聴きまくっていたんですね、なので、すごーく偏ってます。

でもね、この、好きな噺家さんの落語を色々聴いてみる、っていうのも面白くて、それこそ、今のお笑い芸人さんも、それぞれにカラーや癖や独特のリズムがあるように、噺家さんも一人一人、個性が違ってるんです。
なので、この人、好き!という噺家さんを見つけたら、芋づる式に面白い噺が見つかるのが、嬉しい。これ、推しアーティストを追っかけるのと同じですね。

4・好きなネタを聴き比べるのが面白い
推しミュージシャンのライブや、推し芸人のネタを何度もみると、収録の時期によって、アドリブや微妙な変化があるのに気づいたりして、通な気分になりませんか?実は、アレが、古典落語の醍醐味です。

落語にはあらすじが決まっている「古典落語」と、落語家さんの創作による「新作落語」とがあるのですが、どちらも違った魅力があります。
でもやはり、落語の醍醐味は、古典です。私も、落語を聴き始めたばかりの時は、入口が新作落語だったこともあり、古典はあんまりピンと来なかったのですが、推し古典を見つけてから、古典の面白さにドハマりしました。

なんと言っても、古典落語の醍醐味は、あらすじを知っているところ。
大好きなあの話の、あのシーンを、この落語家さんはどう解釈し、どう演じるのだろうか?この話を、こんな風に演じるとは!この話の、ソコを膨らませるのか!この噺家さんの主人公と、この噺家さんの主人公は、キャラがだいぶ違うなぁ、とか。好きな話のリメイクが無限にある、っていう状態。味変が無限に楽しめる。ヤヴァイ。

5・落語ならではの芝居や表現が面白い
大好きな落語家の立川志の輔さんが、落語の魅力について語っていたことがありました。(試してガッテンの人ね)
落語っていうのは、一人の人が基本的には全てのキャラを演じ、BGMも使わず、最小限の小道具を駆使して、身振り手振りと目線や声色など、あらゆる演出を凝らして魅せる芸なわけです。
当然、お芝居の要素も入るのですが、基本的にはお客さんの想像力にかかっています。その、見えないものを如何に表現し、お客さんの脳裏に目に見えるかのように描くのか。という、そのワザの妙がたまらんわけです。

休み時間に落語やる教師w

そんなわけで、ハマり始めの私は、立川志の輔さんの短い落語を聴きまくっていたのですが「落語好きなら古典を聞かなきゃソン」と、誰もが言うので、ちょっと聴いてみるか、と思って、当時あらすじを少し知っていた、
「死神」から聴いてみることにしました。
そしたら、あらすじを知っていたのに、その臨場感と面白さに仰天しまして。
ネタバレにならない程度に「死神」のあらすじを少しご紹介しますと、
この話は、題名の通り、「死神」が出てくる話なんですよ。で、少ーし、怖い話。ワクワクドキドキする盛り上がりの後の物語の終盤、不思議な場所が出てくるのですが、その場所の描写や、最後の「サゲ」が、見事に噺家さんの個性が出て、いろんな方で違うのが、本当に面白い。

聴き比べにハマった私は、とにかく、YouTube検索で出てくる「死神」を片っ端から聴きまくりました。あまりにも聴きまくったので、結構覚えちゃって、自分でもできるような気がして、やりたくなっちゃったんですね。
その当時、私は小学校教師だったんですけど、ある時、勉強が早く終わって、パカーンと時間が空いちゃった時があって。見よう見まねで子どもの前で「死神」をやってみたら、まぁスラスラと最初から最後まで語れて。しかも、ウケたものだから、嬉しくなっちゃって、休み時間のたびに「先生、落語やってよ」って言われては、「プチ落語会」やってた、変な教師でした(笑)

当時は得意になってやってたけど、客観的に聴いたらひどいものだったと思うので、録音とか残ってなくて本当に良かったと思います(笑;)

オススメ落語ベスト10(ネタバレほとんど無し)

と、徒然と落語愛を語ってきたのですが、
ちょっとでも落語に興味を持っていただけたのでしたら、聴き始めにおすすめですー。っていう演目を、もう、独断と偏見に基づいて列挙してみます。

ちなみに、10〜6は、噺家さんにもよりますが、比較的短めで、
落語初心者さんにも聴きやすい話をチョイスしてみました。

5〜1は、慣れた頃に聴いてほしい、40分以上の長編です。
映画を一本見たような、そんな満足感があって、ふと思い出して繰り返し聴きたくなる、本当にお気に入りの5つを厳選してみました。

基本的に、お気に入り順で、第10位から第1位、の順番に並んでいます。

・新作落語(新)/噺家さんの創作落語。物語が現代風で聴きやすい。
・古典落語(古)/様々な噺家さんが演じているので、ぜひ聴き比べを。

10 バールのようなもの(新)/立川志の輔
 私が落語を布教する時、落語初心者の方には、まず、7位の「みどりの窓口」から聴いてもらいます。で、それが気に入った、という人には、2作目にこれを聴かせます。笑いどころが多くて、好きです。みどりの窓口の方が上位なのは、単純にそっちの方がテンポが良くて、初心者さんでも飽きずに聴けるから。でも、内容的にはこちらも甲乙つけがたく好き。

9 時そば(古)
 結構、古典落語の中では、あらすじを知っている方が多いのではないでしょうか。聴き比べが楽しい有名落語の代表格。私のオススメは、柳家喬太郎さんです。なぜか「コロッケそば」で検索すると出てきます。その理由は聴けばわかります(笑)一年に一度くらい、思い出したように聴きたくなります(笑)上方(大阪方面)では、「時うどん」だったそうです。なるほど。

8 死神(古)
 オススメの理由は上記のとおり。繰り返し聴くと、
「アジャラカモクレン、テケレッツのパー」という単語が耳から離れなくなるので注意。サゲ(オチ)のバリエーションが本当に多彩なので、聴き比べがいがあります。

7 みどりの窓口(新)/立川志の輔
 まずは、ここから聴いてみてくださいな。騙されたと思って聴いてみてくださいな。マクラも入れて25分程度で聴きやすいです。検索するときは、「みどりの窓口 立川志の輔」もしくは「みどりの窓口 落語」で検索してくださいね。じゃないと鉄道サイトばっかり出てきます(当たり前)

6 千両みかん(古)
 若旦那(金持ちの坊ちゃん)が、どうしてもみかんを食べたい話。これを聴くと、みかんを食べたくなるので、みかんの美味しい冬の季節にみかんを買ってから聴くのがオススメ。個人的には立川志の輔さんの「千両みかん」が好きでたまらない。思い出してもニヤニヤする、笑えるお話。

5 歓喜の歌(新)/立川志の輔
 志の輔さんは「落語のタブー」や「落語の限界」に、果敢に挑戦する新作落語を数多く創作してらっしゃって、2015年には紫綬褒章も受賞されています。その中でも、この「歓喜の歌」は、映画化されたほどの名作です。長編ですが、本当に聴きがいがあるので、ぜひ聴いてみていただきたい一作。この作品の、何がタブーに挑戦しているのかって、それは衝撃のラストシーンまでのお楽しみ。

4 芝浜(古)
 長編古典の名作といえば、これ!なのではないでしょうか。落語は、笑える話も多いですが、人情噺と言われる、ホロリとするいい話も多いです。その中でも、この話は秀逸なお話。立川談志さんが得意としていたそうで、2007年12月に演じられた芝浜はのちに「奇跡の名演」と言われているらしいです。

3 八五郎出世(古)
 古典落語の中でも、おめでたい話と言われている「妾馬(めかうま)」。この話の別名が「八五郎出世」です。チャキチャキの江戸っ子の代表として描かれる、落語の代表的キャラクター[八五郎]。この八五郎の憎めないキャラと、それに振り回される周りの人間模様を描いた古典。最初は、しょーもないなぁ、と笑って聴けて、聴けば聴くほど色々と沁みてくる。落語の根底を流れる「人間ってバカだけど愛おしいよね」という群像が、ジワジワと暖かく伝わる作品です。

2 中村仲蔵(古)
 これはね、もう、カッコいい。シビれる。歌舞伎の世界を舞台にしたお話なのですが、私自身、お芝居の世界を少し経験しているからこそ、めちゃめちゃ感情移入しちゃって、たまらんでした。あまりにもハマって、この作品を聴いた勢いで、しばらく歌舞伎について調べるのにハマるくらいに夢中になりました。これも、立川志の輔さんの演じたものが一番好き。

1 紺屋高尾(古)/立川談志
 何度聴いても泣きます。思い出しただけで泣けます。私の中の不動のナンバーワン人情落語。立川談志さんって、テレビで観てただけだと、なんかモゴモゴ喋る不機嫌なおじいちゃんだなぁ、くらいに思ってたんですが、「本当にすごい人だったんだ!!!」って、今までの認識が恥ずかしくなりました。古典なので、いろんな方がやっていますが、まずは、談志師匠の「紺屋高尾」を聴いてください。まじオススメ。


気がついたらめっちゃ長くなっちゃった。
落語の魅力を少しでも伝えられて、落語を聴いてみようかな、っていうきっかけになったら嬉しいなー。

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