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学級菜園で藍を育てて、ハンカチを藍染してみた話。

USBの整理をしていたら、めっちゃ懐かしい写真が出てきたので、
今日はその話。

私が最後に担任した、2年生の学級では、
結構、いろんなことに挑戦しました。

その中でも、私自身もとっても貴重な経験になったのが、
写真の藍染の授業。

学校の事務官さんとお話をしていたら、仲良くなって、
お互いの趣味の話とかもするようになったのですが、
その話の中で、その方の趣味が、
「自然素材を使った彩色」だということを知り、
これはもう、講師になっていただかない手はない!
と、全面的に協力を仰いで、一年がかりで藍と付き合いました。

一人ひと苗、育てられるように、
それぞれが牛乳パックに藍の種を植え、
苗まで育ったら名札を立てて畑に移し、
観察しながら大事に育てました。

葉っぱをとって、綿とシルクのハンカチに、
たたき染と、絞り染めを両方やりました。

たたき染は、生の葉っぱをとってきて、
ハンカチの下に敷いて石で叩くことで、
葉の汁を直接染み込ませる手法。

葉っぱをどんな風に配置しようか、
子どもたちは楽しそうに考えながら、叩いてました。

写真 (3)

写真は、絞り染めで染めたハンカチを並べて干しているところ。
藍の色が陽に透けて、
風が吹くたびに揺れるハンカチが、
とってもとっても綺麗だった。

写真 (1)

藍って、日本では馴染み深い染料、っていう認識はあるんだけど、
なかなか、生の藍で染物をするなんて、体験できないし、
しかも、自分が育てた藍で染め放題、って、
すっごく面白い体験でした。

青色の染物、で思い出すのが、
安房直子さんの絵本作品、『きつねの窓』。

小学校の教科書に載っていた時期もあるので、
知っている方も多いのでは、と思います。
私、このお話が大好きで大好きで。

猟師さんが迷い込んだお花畑で見つけたのは、
小さなきつねの染物屋さん。
なんでも染めますよ、と可愛いこぎつねは言います。

「そうそう、おゆびを おそめいたしましょう」
「ゆびなんか、そめられてたまるかい」
「ねえ、お客さま、ゆびを そめるのは、
 とても すてきなことなんですよ」

と、こぎつねは自分のゆびで菱形の窓をこしらえて、
「ねえ、ちょっと、のぞいてごらんなさい」
とうれしそうに言うのです…。

あの、切なくも美しいお話に魅了されて、
何度、自分の指で窓を作ったことでしょう。

自分の指を、青く染めてみたくなったことでしょう。

そして、もう一つ。藍染といえば、

おすすめ落語のnoteでもご紹介した、
「紺屋高尾」。

高尾の、ラストの「久さん、元気?」で、
いつも涙腺が崩壊してしまうのです。

このお話でも、藍色がとても重要な役割を果たしています。

そんなこんなで、
子どもたちが、小さな手を蒼く染めて騒いでいる中、
一人、ちょっとセンチメンタルに
蒼く染まった自分の手を眺めていたのを、
思い出しました。

やっぱりね、素晴らしい仕事だったなぁ。小学校教師。
本当に楽しかった。


今日は、そんな、思い出話。


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