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純度の高いギャルの話。

私は職場で「だから若者は〜」と言われる事がまぁ多い。そのせいか「若いね〜」と言われる事に過剰に嫌気を感じるようになっていた。

車の免許を持つ予定が無いこと。昼ごはんにカップラーメンばかり食べていること。結婚ってのがよくわからないこと。朝にシャワーを浴びて、髪を濡らしたまま出勤したこと。私のがさつな性格もあるけどさ。そして「だから若者は〜」に対して「まあ知らんし」と、ストレスになり得ることは聞き流す事で、私は何かを保っていた。

ある日、そんな調子の社会に純度の高いバキバキのギャルが移動してきた。彼女は私と同い年でいつも「チース」とだるそうに職場に現れる。

私が彼女と打ち解けたきっかけは、二日酔いで気持ち悪く、仕事中にも関わらず隙をみてはトイレに駆け込む私を見つけ「二日酔いっしょ?」と嬉しそうに話しかけてきた事がきっかけだ。「お前もそっち側なのか!」と喜ぶ彼女に私も笑った。

それからは日勤が合えば必ずや「今日は二日酔い?」って聞いてくるし、そんな彼女も大体は二日酔いで出勤してくるから好きだ。ディズニーランドや遊園地、ボーリングにもイマイチ興味を示さない私に「休みになにすんの?え?他にある?」と叫んだこと。清水翔太や湘南乃風を好んで聞き、老人ホームで暮らすおばあさま方にはそのフリースタイルなコミュニケーションで愛されていること。そんな、思いやりがあって優しいギャルが職場で初めて出来た友達だった。

ギャルは、嫌なものは嫌だと言う。ダメな事はダメだと言う。すぐに「まあいいや…」と諦めてしまう私は、彼女のその姿を見てこのままではいけないと思った。ヘラヘラするのも辞めよう。面白くなければ、笑わなくても良いや。何ていうか、ピンヒールが履きたいし、ビールが飲みたい。そんな気分だ。

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