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龍神池の小さな死体 梶龍雄 読書感想

死ぬ前に母が残した言葉「お前の弟は殺されたのかもしれない」
疎開先で亡くなった年の離れた弟 物心ついてから離れている時間が長かったせいで弟がいたという記憶がほとんどない
母の死を機に智一は弟の死について調べようと行動を起こす
龍神池 そこで溺死した弟は本当に殺されたのだろうか

1979年に掲載された作品と知ってびっくり
作中は疎開等、たしかに舞台は現代ではないけれど今読んでも面白いストーリー

トリックもたしかにあるけれど、本書は設定がしっかりと練られており、そういうことかと最終章を読んで唸らされた

弟の死の真相を見付ける為に龍神池のある土地に向かうと新たな殺人が起き、謎の自殺があったりと主人公の周囲で事件が起きていく

事件だけでなく主人公が研究している事案までも関わってきな臭い方向へと動くのがサスペンスドラマ仕立て

犯人の動機、それに加えてトリックも有りと重厚なドラマを見ているよう

何故この小説がドラマ化していないのかが不思議
ドラマ化していたらもっと知名度があって注目されていたでしょうに。
昭和の時代という設定のまま今ドラマ化するのには無理があるでしょうか
今の時代に置き換えては疎開先に行っているという設定からやっぱり無理?
弟のみが離れた土地に行っているというのがストーリーとして大事な部分

メディア化したらもっともっとこの作品が広まると思う(もちろん演出、脚本がよいものになるというのが前提で)

もしかしたらそんな良い古典の作品ってまだまだあるかもしれませんね

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