陽光発電投資のメリット・デメリットを徹底解説!不動産投資との比較も
環境問題に対する意識の高まりから、着実に広がりを見せている再生可能エネルギー。その中でも太陽光発電は、自分の設備で発電し電力会社に販売できる制度が設けられ、投資という観点からも大きな注目を集めています。そこでこの記事では、太陽光発電投資の概要やメリット・デメリット、太陽光発電投資が向いている人物のタイプなどについて紹介していきます。
太陽光発電投資とは
太陽光発電で発電した電気を電力会社に売却して利益を得ること
太陽光発電投資とは、自前で太陽光発電の設備を所有して、発電した電力を契約する電力会社に買い取ってもらい、利益を得る投資の手法です。株式投資などとは異なり、国(経済産業省)が売電価格と売電期間を約束する「固定価格買取制度(FIT制度)」という制度が確立している点が大きな特徴です。
固定価格買取制度(FIT制度)
FIT制度とは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間にわたり買い取る制度です。住宅用は10年、産業用は20年が有効期間で、期間中は常に同じ価格で電力会社が電気を買い取ることが保証されています。
2012年7月に経済産業省によって開始された制度で、「Feed-in-tariff(フィードインタリフ)」の頭文字を取って「FIT」と呼ばれています。参考として、以下に2024年度の売電価格を提示します。
<2024年度(令和5年度)の売電価格>
・2024年度のシステム費用の想定値:25.5万円
・年間発電量:1200.12kWh(設備利用率0.137%×365日×24時間)
・自家消費率:30%
・買電単価:26.46円
・11年目以降の想定売電価格:10円
→売電価格16円/kWhのとき最もIRR3.2%に近づく
参考:売電価格
太陽光発電投資のメリット
太陽光発電投資は、現在注目を集めている新たな投資の手法です。それでは、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。こちらでは、太陽光発電投資に取り組む代表的なメリットについて説明します。
利回りが高い
投資を目的とした産業用の太陽光発電は、FIT制度によって最初の20年間は買取価格が固定されています。そのため、表面利回りとしては10%前後を期待することができます。他の投資手段と比較しても、安定的に高い収益を得られる可能性が高いのが太陽光発電投資の大きなメリットと言えます。
税金対策になる
太陽光発電投資には、消費税還付という制度があります。これは、条件をクリアすれば、納税する代わりに設置にかかった費用が戻ってくる仕組みです。また、減価償却の資産として、17年間にわたって費用として計上することもできます。このように太陽光発電投資は節税の手段にもなるのです。
長期間の稼働が見込める
太陽光発電に欠かせない太陽光パネルですが、商品の保証期間は10~15年程度と長めです。中には、25年の保証期間を設けているメーカーもあります。つまり、一度設置すれば、基本的にパネルを頻繁に交換する必要はありません。このように初期投資はかかりますが、その後は長期的な稼働が期待できるのは太陽光発電ならではと言えるでしょう。
ローリスク
売電価格と電気を販売できる期間を国が保証している点が、FIT制度の最大の特徴です。産業用太陽光発電システムの売電価格は20年間にわたり固定されており、スタートしたら安定収入を得ることができます。投資の手段として失敗するリスクが低いため、比較的安心して始めることができると思います。
太陽光発電投資で注意すべき点
長期間にわたって安定収入を得やすい太陽光発電投資ですが、投資である以上は何かしらのリスクはあるものです。そこでこの項目では、太陽光発電投資を行う上で注意すべき点をご紹介していきます。
様々なリスクがある
太陽光発電の設備は屋外に設置されるため、発電量は天候の影響を多いに受けます。太陽が出ない日が多ければ発電量は減ることになります。さらに、台風や地震、洪水などの自然災害によって、設備が故障・破損してしまうかもしれません。また、強風によって吹き飛ばされた設備が近隣の建物などにぶつかって被害を与えた場合、賠償責任を問われる可能性があることも考慮しておいたほうがいいでしょう。
出力抑制の可能性がある
電力の消費量より供給量が多い状況では、発電所は発電量を抑えることがあります。これを、出力抑制と言います。出力抑制には優先順位があり、太陽光発電が出力抑制される順番は早くはありません。しかし、もし太陽光発電に出力抑制の措置が及んだ場合、収入に影響する可能性は高まります。
売電価格の低下
FIT制度が制定された2012年度の売電価格は、42円に設定されていました。しかし、設備投資にかかる費用の低下と共に、売電価格も毎年下落しています。2023年度では9.5〜10円と、当初の1/4程度です。こうした傾向から、太陽光発電の売電をスタートするタイミングが遅れるほど、見込みの収入は減少していく可能性があります。
初期投資が必要
太陽光発電は、太陽光パネルなど設備の購入や地面への施工など、高額な初期費用がかかります。土地の購入から始めると初期費用は1000万円単位になり、広さや場所によってはかなり高額になるでしょう。自己資金が足りないことも考えられるため、その場合は金融機関から融資を受ける必要があります。
太陽光発電投資が向いているタイプ
様々な投資の手段がある中で、太陽光発電投資にはどんな人が向いているのでしょうか。投資への考え方や生活スタイルなど、向いているタイプの人物像を挙げてみました。
堅実かつ長期的に利益を得たい人
20年間にわたり電力会社が電気を買い取ってくれるのが、太陽光発電のFIT制度です。この仕組みを最大限に活用する投資方法が太陽光発電投資なので、短期で大きい利益を獲得したいというより、少ない額でも長く堅実に利益を得たいという人に向いていると言えます。
投資に時間を割けない人
投資で失敗しないためには、知識を身につけることが大切です。しかし、投資に興味はあるものの、「投資について勉強する時間がない」「株価などを日々確認するのが大変そう」 という人もいるでしょう。太陽光発電投資は売電価格が決まっており、設備投資も頻繁に行う必要はありません。そのため、投資に費やす時間があまりない人にも適しています。
環境に優しい投資がしたい人
太陽光発電は、石油や石炭などの化石燃料を必要としない発電方法です。温室効果ガスの原因である二酸化炭素が排出されないクリーンな発電システムとして、世界的にも注目を集めています。こうした環境に優しいエネルギーの普及に貢献し、かつ利益を得たいと考える人にピッタリの投資の手法です。
太陽光発電投資に必要な主な設備と始め方
太陽光発電システムは、太陽光パネルをはじめとした様々な機器や部材から成り立っています。こちらでは、太陽光発電投資に必要な主な設備と始め方について解説していきます。
太陽光パネル
ソーラーパネルとも呼ばれる太陽光発電に欠かせない部材です。設置する枚数が多いほど発電量は大きくなり、同時に設置費用も大きくなります。太陽光発電システムの費用の大半はこの太陽光パネルで、設置費用を抑えるためには使用するメーカーや用地の広さに応じた適切な設置枚数を検討する必要があります。
パワーコンディショナー
太陽光パネルで発生させることができるのは直流の電気です。しかし、電力会社に送電するためには交流の電気でなくてはなりません。パワーコンディショナーは直流の電気を交流に変換する機器で、太陽光発電システムを利用するためには必要不可欠な存在です。
架台
太陽光パネルを屋根や地面に設置・固定するための、金属製の部材です。ステンレスやアルミニウム、スチールなど様々な素材があります。太陽光パネルは日光の当たり方で発電効率が変化するので、高さや角度を適切に調整することが大切です。また、地域によっては風速や積雪も考慮して選ぶことになります。
その他
太陽光パネルなどの設備を設置するには、工事が必要です。土地の造成や太陽光パネルなど発電設備の組み立て、電気工事など様々な工事があり、規模が大きければ費用も大きくなります。また、安定的な発電や設備の安全性の確保には、定期的な点検も欠かせません。
各種手続き
太陽光発電システムを設置する際には、資源エネルギー庁への事業計画の認定申請、電力会社に対する系統連系申請、各自治体への補助金申請などの手続きを行なうことになります。申請には専門的なノウハウが必要なので、販売会社など専門業者の手を借りると自分の負担が軽減し、スムーズに進むでしょう。
投資目的の場合はセットで購入できる
太陽光発電のための土地の選定や設備の購入、施工など、太陽光発電システムの設置を個人で行うのは非常に困難です。そのため、個人投資を目的とした太陽光発電システムでは、全てがセットで販売されています。太陽光発電投資に強い専門業者を見つけて、要望を相談し、依頼すると安心です。
まとめ
太陽光発電投資は、国の保証のもと決まった価格で電力会社が電気を買い取るという仕組みや節税の効果もあることから、新たな投資手法として注目を集めています。メリットは多いですが、パネルの設置費用や手続きの難しさなどもあるので、制度をしっかりと理解してから始めることをおすすめします。
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太陽光発電 VS 不動産投資 メリット・デメリットを徹底比較
太陽光発電と不動産投資の特徴・メリット・デメリットについて比較解説します。
不動産投資に向いている人
・収入が安定している人
不動産投資をおこなうには、多額の資金が必要です。その資金を賄うには、金融機関でローンを組んで投資することになります。不動産投資には少なくとも千万円単位の資金が必要となるので、ローンを組むには厳しい審査を通過することが必須となります。それに適応できるのは、安定した収入を得ている人となるでしょう。
・勤続年数が長い人
不動産投資をおこなう際にローンを組む場合が多いですが、勤続年数が長い人もローンを組む際に審査が通りやすいです。勤続年数が長い人は、安定した収入とともに人間性も安定しており、ローン返済も信用できる人とみなされる傾向があります。
・収入が多い人
収入が多い人もローンの審査が通りやすいです。さらにローンには借入の上限がありますが、年収の何倍までという金融機関が多いので、年収が高いほど多くの借り入れが可能になります。
・保有資産が多い人
保有資産が多い人もローンの審査が通りやすいです。このような方も現金で不動産を購入することでローン返済することなく家賃収入を得ることができます。