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好きな果物の話

好きな果物は桃と答えることにしている。桃は美味しいし、香りが良いし、見た目も良い。食べた時の満足感も非常に高い。皮の食べられる硬い桃ならなお良い。
桃の皮など食べた事などないという人は、是非一度皮ごと食べる事を強くおすすめしたい。
もちろん品種によっては皮を向いた方が良いものもあるので、よく確認してからトライして欲しい。

私が桃が好きだということが伝わったところでベリーの話をしようと思う。

実は特別ベリー類が好きだという自覚は特に無いのだが、おそらく私はベリー類が好きらしいのでそのように自認している。

私は子供の頃、なぜか分からないが(恐らく兄が通っていて真似したかったから)そろばん教室に通っており、その教室では課題の取り組み度合いや、テストの点数、計算ゲームの結果などに応じて貰える独自のポイントがあった。

そのポイントは例えば5ポイントで飴玉一個、100ポイントで500円分の図書券、といった交換レートがあったのだが、私はポイントを貯めずに飴玉を選んでばかりであった。

甘いものに対する憧れのようなものがあったのかも知れないし、私が貯金できないタイプなのかも知れないが、思い返してみると甘いものはあまり与えられなかったような記憶もある。

今なら500円分の図書券を現金に交換して、好きなお菓子を買った方が良いのでは、とも思えるが、きっと買い食いをしたり、勝手にお菓子を買って帰ることに対する抵抗感みたいなものを感じていたのだろう。

ある日、いつも通りにポイントを貯めて飴玉をもらおうとした時、「ベリーが好きなの?」と先生に問われた。そんなことは全く考えてなかったので多少驚いたが、どうやら私はベリー類の味ばかり持っていくらしかった。

先述のように、好きな果物は桃だと思っていたし、10ポイントを使って2種類の味をミックスして遊んだりしていたので、ベリー党という意識は無かったが、それ以来ベリー類が好きなのだと自認している。

言われてみれば、なるほどたしかにショートケーキよりは様々なベリーの乗った鮮やかなタルトの方が心惹かれる。しかし私は本当にベリーが好きなのだろうか?

もしかすると先生に言われたことで妙に勘ぐってしまい、「ベリー類が好きだ」という認識を作ってしまったのかも知れないが、それから20余年経った現在でも、とりあえずベリー類に飽きていないところを見ると、どうやら満更でもないらしい。

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