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楽典用語のイタリア語

前置き

さて、今年も6月から各イタリア音楽院の入試要項も出始めイタリア国立音楽院受験シーズンになってきましたね。

日本で準備をしている皆さんも受験科目の準備に加え、書類準備などで忙しくしている時期かと思います。
(今年はCovidの影響でオンライン入試の音楽院も多いようです。
受験期間中の滞在先や保証人確保、ビザや航空券の手配など事務的な手続きはいつもより負担減ですが、オンライン入試は初めてなことだらけで受験生側はもちろん、音楽院側も色々と手探りな状況と見受けられます。)

そんな忙しい受験生の方々役に立てればと楽典用語のイタリア語をまとめました。
Triennio受験生は共通受験科目として楽典、音楽理論(Teoria musicale)があるかと思います。受験生のみなさん、イタリア語で音程や調性、主音、和声短音階、4分の4拍子など言えますか?
(知っている方は、どうぞこのページは閉じてくださって大丈夫です♪)

私が受験をした2015年には日本語にまとめられたイタリア語の楽典用語の書籍などは見当たらず、ようやく見つけたイタリア語の参考書を時間をかけて渡伊ギリギリの8月に解読していました。

でも、当時はイタリア語もよくわからないし、まあ楽典やソルフェージュは日本で音高&音大としっかりやっていたから大丈夫だろう、やることは他にも沢山あるし…と残りは現地でぶっつけで臨みました。
その結果は、楽典&ソルフェージュ条件付き合格(補講&翌年再試験)です。
翌年の再試験をパスしなければ強制退学なので一年間プレッシャーでした。

入学後の授業も内容は知っていることばかりなのに、単語や言い方がわからず、周囲からもわからない人扱いされるジレンマを味わいました。
(逆にクレ読みや聴音、新曲視唱などは言語能力は問われないので、なんで補講クラスにいるんだと不思議がられました。ちなみに日本ではソルフェージュは中の下くらいです。)

夢のイタリアでは目的の歌を頑張りたいのに、初めての海外一人暮らし、新たな学校環境、そして、この果てしない補講に時間をとられ肝心の歌のレッスンの際には疲れ果てていました。
(一年目は自分では元気なつもりなのに先生に「歌うためにはまず第一に健康で元気でいなければならない。レッスンに来る前に休養しなさい」と言われてしまいました。)

日本人の楽典&ソルフェージュ能力は欧州でもトップクラスです。
ただ、調性などの用語は日本ではドイツ語が主流ですね。語彙は知っていればいいだけですので、このノートが留学生の皆さんのしなくてもいい苦労を少しでも軽くできたら嬉しいです。
(イタリア語はイタリア語の先生と準備するのが一番ですが、イタリア語の先生、ましてや日本にいるイタリア人が、音楽用語に詳しいことは稀です。)

Biennio受験の方も知っておくと、入学後の授業やレッスンでは色々とスムーズかもしれません(入学後の楽曲分析などの試験では口頭試問が主流で音程や調性などはイタリア語で言えなければなりません)。

イタリア人の音楽レッスンを受けようと思っている方も、ざっと目を通しておくと、レッスンがより潤滑になるかもしれません(小節の数え方や、アウフタクトの言い方など)。

最後には私が通ったアレッサンドリア音楽院のイタリア語の模擬試験のURLも載せました。むしろイタリア語の試験を突破しないと歌も聞いてもらえないので、これが一番大切かもしれません!!
イタリア語試験内容は各音楽院によって違うと思いますが、レベル、形式に大差はないかと思います。
 
日本のイタリア語試験によくある、動詞の変化を全て答える…などはありません。
(現在はありがたいことに同音楽院で中学生合唱クラスの助手をしております。授業ではここに載せた用語も使っています。イタリアの子供も日本の子供も元気いっぱいでかわいいです。)

ノートの代金は、参考書代だと思っていただければ幸いです。


※複数形がよく使われる単語は単数形のとなりに()内に複数形を表記しました。基本的に語尾がaで終わるものは女性名詞で複数形はeに、oで終わるものは男性名詞で複数形iになります。(一部例外あり)

※よく冠詞と共に使われるものは冠詞も一緒に記載しました。

0) 楽譜

lo spartito オケ伴奏がピアノ伴奏化された歌の楽譜。いわゆるヴォーカルスコア。
la parutitura 総譜
la parte パート譜
la musica 一般的に「音楽」を意味するが、「楽譜」を指す場合多々あり。
例…Ti porto la musica. 君に楽譜をもってくるね。

1) 五線と音部記号 pentagramma e chiavi

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