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『百日一考』第一集 21-30

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記事一覧

1-24 等価交換の詐術

1-24 等価交換の詐術

\価格は、世間が相場で決めること。自分にとって、また、相手にとってほんとうに価値のあることとはズレている。そして、そこにこそ経済の妙がある。\

 先生が言う。はい、今日は遠足です。これからバスに乗ります。でも、その前に、給食センターからお昼ご飯の代わりに、くだものの入った袋が配られます。さて、ここで問題。リンゴとミカンとではどっちが大きいか? リンゴ! はい、そうですね。リンゴ一

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1-22 とりあえず浮かぶ船を

1-22 とりあえず浮かぶ船を

\船長は船を守るためなら三等客室を見殺しにせざるをえない。文句を言ってもムダだ。なんでも浮かぶものを見つけ、家族や友人と協力して、セルフヘルプの準備をしよう。\

 中世末期、ヨーロッパの由緒ある小国のひとつが完全攻囲されていた。あとは城に火を放てば終わり、というところで、敵方の総大将は、その国の長い歴史に敬意を表し、御婦人方は、その身分に恥じることのないよう、自分の両手に持てるだ

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1-21「明日から本気」はなぜ無理か

1-21「明日から本気」はなぜ無理か

\今日は割に合うチャンスがない。だから、明日から本気を出す、という若者が少なくない。だが、今日なにもしなければ、明日もなにも変らない。むしろスタートしてこそ、目的地へのルートも定まるものだ。\

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1-23 底抜け壺に水を満たす

1-23 底抜け壺に水を満たす

\お客と出会えなければ、なにも始まらない。にもかかわらず、自分の利益になるのでなければ、会ってもムダだ、と、高い壁の壺の中に籠もってしまっているのは、あなたの方ではないか。\

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1-25 貧乏神にたたり無し

1-25 貧乏神にたたり無し

\元禄時代の桔梗屋は、人の家にいる神々に祈ってもムダと、自分の家に居着いている貧乏神を祭ることにした。それを聞きつけ、他家から七福神もやってきて、またたくまに稀代の分限者へと大成功する。\

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1-26 マヌケが寄るとも知は濃くならぬ

1-26 マヌケが寄るとも知は濃くならぬ

\生産現場の効率の悪さを問題にする会議が自分たちの意志決定の効率の悪さに気づかないのは、悪い冗談でしかない。ムダな議決権者を排し、デメリットの洗い出しが確実にできるよう、案件ごとに処断水準を振り分けることが大切だ。\

 今日、朝からお集まりいただいたのはほかでもない、我が社のヌキタ工場を閉鎖すべきかどうかという問題だ。調べてみたところ、ツネキ工場では一〇人で一日一つを生産している

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1-27 仕事の見つからない若者たちへ

1-27 仕事の見つからない若者たちへ

\きみたちを責め立てる中堅や団塊世代こそが、問題の元凶そのもの。だが、こんな無理は、もう無理だ。いずれかならず変る。その時を待って、自分磨きを怠らずにいよう。\

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1-28 ヒット商品は経営の覚醒剤

1-28 ヒット商品は経営の覚醒剤

\ヒット商品の希求は、企業中枢を麻痺させる中毒性すらある。生産能力の最適活用を考えるなら、中量で長期に売れるロングラン・カウ型の定番商品・百年商売こそ、まともな経営者が真剣に模索すべきものだ。\

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1-29 ウソつきの言うことはウソ

1-29 ウソつきの言うことはウソ

\我々は、自分の希望を交えて、人の言葉を額面どおりに真に受けたくなる。だが、相手がウソつきでは、信じるにはたらない。言っていることより、やっていることを見て、ウソつきの本音を見抜こう。\

 あの人、もうすぐ奥さんと別れて、私と結婚してくれるって言ってるの。こんな相談を受けたら、あなたはどう答えるか。妻を騙して愛人を囲うような男だ。その男が愛人に言う言葉など、信じる方がどうかしてい

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