鬼滅の映画見てきた

鬼滅の刃がなんでこんなにヒットしてるのかと考えたとき


「面白いから」


の一言で全て解決しそうなくらい面白い。

兎にも角にも面白かった。ストーリーもキャラ設定も良かったし、アニメの映像なんて「ヤバかった」と語彙力を失うほどに美しかった。映画も期待通りの面白さで、ヒット作特有のSNSでのネタバレ込みでも十分に泣けた。

誰もが知っているように飛ぶ鳥を落とす勢いで、興行記録を伸ばしている。歴代2位の「タイタニック」を超えるのも時間の問題で1位の「千と千尋の神隠し」を超える可能性すらあるらしい。

もう完全に社会現象と言える鬼滅の刃。

なぜここまでのヒット作となったのか。

刀と鬼というコンテンツがザ・ジャパニメーションとして世界的にウケる要素があった。主人公が誰にでも受け入れられるキャラだった。鬼殺隊や鬼舞辻を取り巻く上弦下弦の鬼たちの境遇がいわゆる社会における組織の象徴だった。男女問わずに人気が出るキャラ設定だった。などなどたくさんあると思います。

ここではアニメの作品ではなく別の方向でヒットの要因を探ってみました。作品の内容には触れていないので、ネタバレ等は一切ありません。

では、いってみましょう。

まず大きいのは動画のサブスクリプションの普及です。下のグラフは日本における動画配信市場の推移で、年々増加傾向をたどる中、昨年の2019年は際立ってに上昇しているのが見て取れます。

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動画配信市場調査レポート2020より

いまやスマホやタブレットを利用する上で動画配信のサブスクは登録して当たり前と言えるレベルになってきました。

サブスクのお陰で時間を問わずにアニメや映画を見ることができます。自分は5年ほど前にHuluを登録したことに始まり、今ではD-anime、アマプラ、U-NEXTと契約しています。今年の冬はネトフリもいっちゃおうかな~なんて勢い。バイオレットエヴァーガーデンが見たいのです。

そんなワケでレンタルの時代が終わり、アニメはサブスクで見る時代になりました。そこでいまなお世間を……いや世界を騒がせるコロナウイルスの登場です。緊急事態宣言が発令され、家にいることが是とされた。ここで動画配信サービスを契約した人も多いでしょう。

鬼滅の刃は多くのサブスクで見ることができました。おそらくほぼ見ることができたんじゃないかな? アニメが地上波で放映されていたのは2019年4~9月だったので、いわゆるコロナ期間中は一気見などもできました。

この自粛期間中に鬼滅の刃を見る/見直すことは自然な流れです。さらに自宅で家族と過ごした方も多いと思います。2019年最大のヒットアニメを見る。コロナの影響もあり、親子での消費が進みそうなものです。

そこで今の小中学生の親世代。30~40代の親は衝撃を受けた。今のアニメってこんなに面白いのか!? と。

鬼滅自体、初見の大人が引き込まれてしまうほどの作品であることは言うまでもありません。

そして、ここで一つ30~40代の世代がハマる理由があります。

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日本と世界の統計データより

1990年代はいわゆるジャンプ全盛期。1998年に大きく下がって、2000年以降は紙から電子への移行もあり徐々に減少しています。
このジャンプ全盛期を学生として過ごしたのが今の30~40代。当時はアニメもありましたが、あくまでも漫画ベースでした。そして、歳を取るにつれ漫画もアニメも見る機会が減っていった。

そこに自粛×サブスク×鬼滅がやってきた。アニメや漫画から離れていたとはいえジャンプ全盛期を学生として過ごした世代がジャンプのコンテンツである鬼滅にハマる素質は十分にあるはずです。子供と一緒に見て燃え上がるものもあったでしょう。

意外にも、この世代でアニメに一線を引いてる人は多いと思います。ただジブリは別なんですけどね。ジブリはジブリであり国民的映画。おそらく夕方や深夜に放送されているアニメとジブリを同系列で考える人は少ないはずです。
しかし、ここ数年の新海作品や細田作品などのヒットでジブリ以外の国民的映画は増えてきて、徐々にアニメへの壁は低くなっていった。鬼滅の映画としてのヒットはこれらの作品が作った下地も大きいと思います。

そして、自粛期間中に鬼滅はもちろんのことながら"いまのアニメ"がめっちゃ面白いという事実にも気付いた。これは、どの世代にも言えることでしょう。

自分自身、10年以上ほぼアニメを消費していなかった。しかし、5年ほど前に何の気なしで契約したHuluで、なんとなく友人のオススメなんかを見ると衝撃を受けた。

いつの間にかアニメってこんなに面白くなってたんか!?!?

なんで、こんなにかわいいの!?!? そこからは沼の始まりです。夜な夜なビール片手にアニメ鑑賞。まだまだ初心者みたいなもんだから、見ても見ても玉が尽きないのがまた沼なの。ありがたいことに充実した時間を過ごせています。

鬼滅の刃の社会現象は、5年前の自分が体験したように「あまり興味がなかった」「ジブリや有名映画は見る」それくらいのユーザーが"いまのアニメの面白さ"に気付いたことに起因していると思います。作品の面白さはもちろんですが、自粛やサブスクで"いまのアニメの面白さ"を知らない人がそれに気付いた。そして、夜明けとともに2019年最大のヒットアニメの映画が公開された。

正直、これからが楽しみだったりします。この社会現象は、今後も多くの人がアニメを消費する一つのキッカケになるはずです。

家族持ちの友人の話を聞くと、教科書通り自粛期間中に子供と鬼滅を見たらしく大絶賛していました。そこで思わず。

「いや、鬼滅だけじゃねーから」

って言っちゃいましたし。。

すでにアニメは世代問わず消費されるコンテンツではありますが、鬼滅のヒットにより、さらに間口が広がったような気がします。放映当時は23時半からやっていた原作は少年ジャンプのアニメの続編の一つの話が、日本の歴代興行3位になっている。ホントすげー事実だなこれ。


と、何かと自分の世代と照らし合わせて考えてしまいましたね。これだけ大きなヒットになったのは各々の世代にそれぞれの要因があるのでしょう。

そして、考えることすら野暮ですが、コロナのない世界線だとどうだったのか。少しだけ気になります。

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