解決

マーダーミステリー「殺しのエンジン」
解決。エンディングのネタバレになります。


ゲームの終わり以外は読まないようにしてください。

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犯人は一体誰だったのか?
動機・手段・機会の3点から導きます。

①動機

まずあなたたち登場人物の背景を説明しましょう。
バーテンダーはこの列車で奴隷売買を行う犯罪組織の一員で、農民もその一味です。今回の商品はヴァイオリニストです。
ヴァイオリニストは以前に農民に誘拐され、この列車に乗らされました。ですので、ヴァイオリニストは脱出をしたかったのですが、バーテンダーから「無関係の者を巻き込めばそいつも殺す」と脅されており、出入り口はバーテンダーが監視しているためこの3日間抜け出す隙はありませんでした。何とか突破口を見つけようと見出した人物は偶然乗車していたビジネスマンでした。しかし、3日目の朝に彼女は捨てられてしまい、途方に暮れていたところに出会ったのがマジシャンでした。
マジシャンもただの乗客の一人でしたが、美しい女性のアシスタントを探しており、ヴァイオリニストはうってつけでした。このマジシャンも実は以外な過去がありました。それは彼もまた子どもの頃に農民誘拐され、家族を引き裂かれた被害者だったということです。家族を殺した犯人は実際は農民なのですが、彼は当時顔を見たのはバーテンダーしかいなかったので、それに気づいていませんでした。
今回、農民がヴァイオリニストを連れてこの列車に乗ったのは領主と取引するためです。
領主は性的不能であり、子どもを作ることができませんでした。なので、後継ぎを作るために養子を取りたかったのです。相談したのが農民だったのが間違いでした。彼は子どもが欲しいと聞いて、奴隷が欲しいと勘違いしていつもの通り誘拐してきてしまったのですから。
さて、そんな不能な領主に不満を募らせていたのがテニススターです。彼女はそんな領主に嫌気がさしてこの列車の男性と関係を持っていました。その相手が医者であり、バーテンダーです。そんな今までの奔放な行為の末、彼女は妊娠していました。それは医者もバーテンダーも関係ないのですが、お互い自分の子と考え、そのせいで医者とバーテンダーは対立していました。
そんなテニススターに惚れていたのは車掌です。彼は実は英国の潜入捜査官なのですがその調査を進める内にテニススターに好意を抱き、想いが高じすぎて彼女の写真を盗撮したり、物を盗ったりラブレターを書いたりしていました。
こうした各々の背景の上、偽りの列車は進行していました。それでは各個人で見てみましょう。


ビジネスマン 彼はヴァイオリニストに惚れていましたが、ヴァイオリニストのバックグラウンドに全く気付いておらず、常に自分の感情のまま行動していました。この列車の運営を共産主義者とみなして嫌ってはいましたが、動機としては薄いものです。彼はペンを盗ったのを農民と勘違いして、殺そうとはしていましたが。


車掌 彼はテニススターに惚れていました。しかし、テニススターはバーテンダーとつながっているようです。彼の嫉妬の炎は燃え上がりました。


医者 彼もテニススターの不倫相手でした。その上、その関係をバーテンダーに知られていました。彼は早急に口封じをしなくてはならなかったはずです。

領主 彼はこの列車におけるお客さんでした。過去の事件さえバレなければ、特に彼が行動を起こすことはありませんでしたが、バーテンダーが車掌を使って探っていると疑っているようです。


農民 彼とバーテンダーはパートナーです。ですが、農民とバーテンダーはあくまでビジネスライクの関係で、利害の一致がなければ冷たいものでした。


テニススター 彼女は一時的にバーテンダーと関係を持ちましたが、彼に脅迫もされていました。彼女は夫に殺人を依頼しています。彼女は自分の地位を守るために最善を尽くすでしょう。


ヴァイオリニストは、農民に誘拐されて商品としてここに来ました。その大本はバーテンダーです。彼女が自由を得るためにはバーテンダーを殺すしかありませんでした。


マジシャンは幼少期に両親を殺され、売られました。その犯人はバーテンダーでした。彼は復讐する権利がありました。またヴァイオリニストと賭けもしていました。

②手段

凶器はフロックの胸に穴が空いていて、
検死結果からも万年筆だとわかります。では凶器が万年筆だとすると、ビジネスマンが犯人なのでしょうか。
しかし、万年筆は農民のフロックから出てきました。農民が何故万年筆を持っていたのでしょう?
可能性としては農民が盗ったか、だれかが渡したか、です。
農民は2:00以降前方の部屋には行っていません。彼が盗ったのではないのは明らかです。
ビジネスマンは領主が尋ねて来る前に自分の部屋で、机の上にある万年筆を見ています。時間にすると4:30ぐらいです。
その後、医者はビジネスマンの部屋で机の上にはメモ帳しかないことを確認していました。時間にすると5:03です。
つまりこの30分の間に万年筆は消えたことになります。
ではその間に、ビジネスマンの部屋に行ったのは誰でしょうか?


車掌はビジネスマン部屋の真上で駅到着のお知らせで通過しており、可能性はあります。

医者は車掌を追いかけてビジネスマン部屋まで行きました。可能性はあります。

テニススターは入浴後の身支度で部屋にいました。容疑者から外れます。

ヴァイオリニストはその間前方車両には行っていません。容疑者から外れます。

領主はどうでしょう。ビジネスマン部屋に行ったものの、ビジネスマンと一緒でした。彼には万年筆を盗る余裕はありませんでした。容疑者から外されます。

マジシャンもビジネスマンの部屋を訪れています。それはクローゼットのオイルの匂いから、マジシャンが車掌部屋にいたことからもわかります。

もちろん、ビジネスマン自身が虚言を吐いて、万年筆を自分で持っていた可能性もあります。

③機会

バーテンダーはいつ死んだのでしょうか?ヴァイオリニストが6:55頃に乗務員車で死体を発見しています。そして、5:59にはバーカーで農民がバーテンダーと話しをしています。ですので、少なくとも、この約1時間の間に殺されたと考えられます。
農民はバーテンダーが眠った隙に服を取り換えました。
メンテナンスクローゼットは水道管破裂するまでは領主が入っていました。
しかしその後、ビジネスマンはメンテナンスクローゼットで農民の服を着た男の首を絞めています。
実はこの農民の服を着た人物こそバーテンダーでした。彼の服は農民によって入れ替えられたのです。
クローゼットからは水跡とともに血とインクの跡がついています。
またビジネスマン部屋にも水跡とともに血とインクの跡がついています。
そのことからも、バーテンダーが死んだのは水道管破裂の後になります。
水道管破裂はヴァイオリニストの証言から6:45に起こりました。ビジネスマンがメンテナンスクローゼットで農民の姿を発見するのは6:53付近です。
この約10分の間に、バーテンダーを殺し、メンテナンスクローゼットに運んだ人物がいるはずです。
バーテンダーは基本バーカーを動きません。これは彼が監視の役目もあり出入り口を見張っていたためです。非常事態が起きない限りバーテンダーは動きません。
水道管の破裂はどうでしょうか。これは非常事態と見ていいはずです。
バーテンダーはその前は農民に強い酒を飲まされ酔って寝てしまっていました。そこに水道管破裂の轟音が響き、驚いて飛び起きたことでしょう。その前の農民の嘘によって、車掌のたくらみかと思ったかもしれません。いずれにしても喫煙車より後方へは行けないので、前方へ向かったはずです。
その移動の過程でビジネスマン部屋を通り、凶行に遭ったと考えられます。
水道管破裂の後は喫煙車の間を通ることは難しくなりました。なので、犯行がビジネスマン部屋で起きたとすれば、その時間に前方の部屋にいた人が怪しくなります。


まず領主は水道管破裂を招いた本人です。彼は破裂を受けてパニックに陥り、慌てて自室に逃げ込んでいます。
テニススターはその時間自室で休んでいました。ヴァイオリニストも同様です。
農民は乗務員車にいて、金庫と格闘していました。
よって、この4人は容疑者から外れます。
ビジネスマンは彼の部屋で犯行が起きたものの、水道管破裂にも気づかずに眠っていました。その後、すぐに医者に追いかけられました。もし彼が犯行を犯して死体ごと移動したならそんなに早く移動できません。
また、メンテナンスクローゼットに隠れていたバーテンダーを偶然見つけて殺した可能性はありますが、その場合、首締め痕が死後についた理由がわかりません。
車掌は水道管破裂後は枕に顔を埋めていて、起きた直後はもう停電していたという証言が真実なら犯人ではないかもしれませんが、アリバイはありません。(これはマジシャンが証言してくれるかに寄ります)
医者も水道管破裂直後はビジネスマンを見つけて追いかけています。彼にはバーテンダーを見つけて殺す時間はありませんでした。
マジシャンはこの時間にアリバイはありません。容疑者となるでしょう。


この時点で、容疑者は車掌・マジシャンに絞られます。

しかし、水道管破裂後に、車掌が犯罪を行った可能性はあるでしょうか。車掌は最後、喫煙車で確保されています。そのためには、一度バーテンダーをクローゼットに隠した後、どこかに隠れないといけないのですが、そのスペースはどこにもありません。引き返すにも、ビジネスマンが迫って来ています。後ろに進もうにも領主と農民が先にいました。暗闇の中でも足音が聞こえることは皆さんご存知のはずです。以上のことから車掌は犯人になりえません。そうなると、残った犯人は、マジシャンとなります。

真相

犯人はマジシャンです。彼はビジネスマン部屋で6:49に万年筆でバーテンダーを殺しました。

全員のタイムラインまとめ

・全員の得点計算方法

ビジネスマン

・最多票を得て拘束されずに、バーテンダー失踪の真犯人に投票する 7点
・農民を絞め殺したことがバレない 2点
(半数4人以上が知らなければクリアです。)
・ヴァイオリニストとよりを戻す 1点
(ヴァイオリニストが選んでくれればクリア)

車掌
・最多票を得て拘束されずに、バーテンダー失踪の真犯人に投票する 7点
・テニススターと両思いになる 2点
(テニススターが選んでくれればクリア)
・この列車で行われた犯罪の真相を知る 1点
(この列車は奴隷売買の会場であり、農民とバーテンダーが関わっている、でクリア。商品はヴァイオリニストで購入者は領主、まで分かっていればボーナスで+1点)

医者

・最多票を得て拘束されずに、バーテンダー失踪の真犯人に投票する 6点
・あなたとテニススターの関係を領主に知られない 4点
(領主に確認して知らなければクリアです。疑ってる程度ならセーフ)


領主

・最多票を得て拘束されずに、バーテンダー失踪の真犯人に投票する 6点
・自分が本物の領主ではないことをテニススター以外にバレない。 3点
・テニススターが何隠していたのか知る。 1点
(医者と不倫しており、妊娠して、中絶しようとしていた、でクリアです。)


マジシャン

・バーテンダー失踪の真犯人として最多票を得て拘束されない。 8点
・ヴァイオリニストの信頼を得て、アシスタントとする。 2点
(ヴァイオリニストが選んでくれればクリア)

農民

・最多票を得て拘束されずに、バーテンダー失踪の真犯人に投票する 6点
・奴隷密売人であると半数(3人以上)にバレない。 3点
・バーテンの金庫を開ける、もしくは領主にヴァイオリニストの購入を約束させる 1点
(バーテンダーの金庫の本当の番号は8191〈バーテンダーから見るので反転している〉。これが書いてあればクリア。もしくはヴァイオリニストが領主を選ぶことで購入に同意したこととする)

テニススター

・最多票を得て拘束されずに、バーテンダー失踪の真犯人に投票する 7点
・領主が本物の領主でないことが領主以外にバレない 1点
・医者とあなたとの関係を領主に知られない  1点
・信頼できる男を一人選ぶ ?点(選んだ人物によって点数が変化) 男の危険度が低い人物を選ぶと高得点になります。


ビジネスマン 2点
車掌 1点
医者 1点
領主 2点
農民 0点
マジシャン 0点

ヴァイオリニスト

・最多票を得て拘束されずに、バーテンダー失踪の真犯人に投票する 7点
・信頼できる男を一人選ぶ ?点(選んだ人物によって点数が変化) 男の危険度が低い人物を選ぶと高得点になります。

ビジネスマン 1点
車掌 3点
医者 2点
領主 0点
農民 0点
マジシャン 0点

各々の秘密についてわかったことがあれば一つだけお書きください ※正解ごとに1点(全員共通)

甘めに採点してもらって構いません。以下参考に秘密の一例を載せます。

・ビジネスマン 農民(バーテンの死体)を絞め殺した
・マジシャン 犯人である 過去にバーテンダーに両親を殺された
・車掌 テニススターを盗撮して下着を盗んだ
・医者 テニススターと浮気をしている
・領主 本物の領主ではない
・農民 奴隷密売をしている
・テニススター 医者と不倫している。本物領主を殺した
・ヴァイオリニスト 農民に誘拐されてきた
・バーテンダー 農民と奴隷売買をしている

・Q&A

・マジシャンを特定するきっかけのオイル汚れとは?

バーカーの外側にはオイル漏れがあり、そこを通過したマジシャンにオイルの匂いがついているのですが、確かに彼が外に出てオイルが付いたというのは本人しか知らずに推理するのは難しいでしょう。しかし、問題はどこで付いたかではなく現状オイルの匂いを付いているという点です。

オイルの匂いが残っているのは車掌の部屋のクローゼットと喫煙車のバスルーム。バスルームには記述はないので何とも言えないですが、車掌のクローゼットにはオイルの匂いを発生させるものはありません。そこから同じ匂いのする人間と場所があるということは、香水の残り香のように、その人物がそこにいたのかも?と推察できるでしょう。その際ヴァイオリニストも容疑者になりますが、彼女が「オイルで濡れたマジシャンのタキシードを掴んだ」と証言すればマジシャンから匂いが移ったということになります(その模様は農民も乗務員車で目撃しています)。

ちなみに注意深く読んだ方は「ビジネスマンの部屋にもオイルソープの匂いがする」という記述に気付かれたかもしれませんが、ビジネスマンは服をフランス人と取り換えているため匂いはしないので容疑者にはなりません。

それだけでマジシャンの動きは掴めないかもしれませんが、マジシャン自身のアリバイはほぼなく、非常に怪しい人物ではあるのでそこからも疑惑を向けることができます。

・水道管破裂後バーテンダーの行動をもう少し詳しく

バーテンダー自身の行動についてのタイムラインは他の人との証言のつなぎ合わせになるため私も推測になるのですが、確かに破裂後の行動は謎です。彼の役割ならバーカーに留まるはずだからです。ではその理由を推理すると、この2点のどちらかもしれません。

1:車掌に会いに行った

まず酔いつぶれる前にバーテンダーは農民に「車掌が何か企んでいる」と吹き込まれていました。彼は車掌に対して疑念を抱いたでしょう。そして今回の水道管破裂。もしかしたら喫煙車に行って水が溢れてるところは見たのかもしれません。そうするとどうするか。修理ないし、列車に緊急事態が起こってるので列車を止めようとするでしょう。しかし、彼には技術的な知識は何もありません。なので、車掌に「列車の異常を解消しろ」と指図しに向かった、と考えられます。バーテンダーの男は実は車掌よりも立場が上であったことは事実です。

2 思わず逃げてしまった

バーテンダーの性格から考えてみましょう。彼は傲慢無礼な態度を取る割に戦闘力は無く、ビジネスマンには追われ、医者に負けています。彼が強気なのは女性に対してだけです。なので、実際は臆病な性格をしていたのかもしれません。酔いつぶれて床に寝転がっているところに轟音と共に水が押し寄せてきたので、その驚きたるや、洪水に遭ったようなものでしょう。なのでパニックになり、思わず反対方向に逃げ出した、とも考えられます。

正直なところ正解はわかりません。他にいい解釈があればそれを採用してもいいでしょう。

・本当に車掌は犯人になり得ないの?隠れればよくない?

確かに車掌はその状況で農民部屋に隠れることができれば、後ろから来るビジネスマンをやり過ごして喫煙車に戻ることができるかもしれません。では、目線を移してみましょう。農民部屋の上にいるヴァイオリニストです。彼女は水音で目覚め、階下の様子を伺っていました。そして何か重い足音を聞き、バーテンダーの葉巻の匂いを追いかけて階下に向かっています。これはビジネスマンが死体を運んでいる音を聞いている訳です(大抵ビジネスマンはその事を明かすのでプレイヤーも推察はできるでしょう)。その間、他に足音を聞いていないので、水道管破裂からビジネスマン以外誰も農民部屋に来ていないということが分かります。もっとも、ヴァイオリニストは水道管破裂直後に通過した領主の足音を聞いていないので信用に足るかと言われれば微妙ですが…(音で目覚めた直後なので聞き逃したというのは苦しい?)
後は逆説的になりますが、農民部屋の調査でバスルームに対しては言及がない点ですね。他のマジシャンや車掌が隠れていた車掌部屋クローゼットやテニススタークローゼットについては調査で何者かがいたような調査結果が出てきますが、農民部屋では隠し板に関して以外は見つかりません。もし水浸しの喫煙車を通過して農民部屋バスルームに籠もればそこで不自然な水濡れなど見つかったかもしれません。
そういった点から車掌が農民部屋で隠れていた線は否定できるかと考えます。


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