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コミュニティは人間関係そのもの。そう感じた第1回LACコミュマネサミット

どうもこんにちは。
定額制多拠点居住サービス「LivingAnywhere Commons(以下LAC)」の石巻拠点でコミュニティマネージャーを務める角田尭史と申します。
一言で書くと、「LACを使って石巻に来てくれた人と、石巻で活動する人の両方を巻き込んで、双方がハッピーになるようなコミュニティを形成、醸成していく」役割です。
(以下、コミュニティマネージャーとしてのインタビュー記事です)

そんな石巻みたいな拠点が全国約50箇所(2022年11月時点)ある多拠点居住プラットフォームのLACで、去る11月16~17日に香川県三豊市で第1回コミュマネサミットが開催されました。
文字通り全国の拠点のコミュニティマネージャーが集まり、情報共有や意見交換をしてより良いコミュニティ運営を目指していくための会です。
月1回オンラインで定例会があるのですが、やはりオンラインとは熱量が段違いで、"仲間"感が今まで以上に感じられた機会でもありました。

今回は全国27拠点から集まりました

このコミュマネサミットに、運営側でもコミュマネ側でもないニュートラルな立場で参加していたあずさんがレポートを書いていたので、僕はコミュニティマネージャーの一人という立場から感想を書いてみようと思います。

ちょっとだけ補足

別にこれを誇るつもりはないのですが、僕はコミュニティマネージャーになる前はユーザーとしてLACを活用して日本全国をぐるぐる回っていました。
これまで3年間で22拠点に滞在し、多分750泊くらいしています。
(最初の2年はLACに住んでいたので…)

LAC関連のイベントでよく使うスライド

というか、最近は「ユーザーやってるついでにコミュマネやってる」くらいのスタンスになってきて、自分自身もいろんな拠点にまた足を運び始めています。
先月は浅草、ひたちなか、今月は宮崎青島、別府、三豊、来月は気仙沼、会津磐梯の予定です。

なので、今回のコミュマネサミットで会ったコミュマネさんのうち、ほとんどはユーザーになる前から会っていた人たちです。
コミュマネとかユーザーとか言っているけど、僕にはそういう意識はあんまりなく、ただただ友達です。

お互いユーザー時代に下田で仲良くなり、今ではお互いコミュマネの西貝さん(LACうるまコミュマネ)と2年ぶりの再会。こういうのも嬉しかった

コミュマネサミットはこんな感じでした

まずは、1泊2日のコミュマネサミットでどんなことをしたのかを簡単に書いていきます。

1日目

香川県三豊市に全国から猛獣(自由気ままな人たち)が集まり、まずはオリエンテーション。
全国27拠点から40人が集まっていたので、自己紹介だけで多分30分くらいかかっていました。

最初からテンション高めのLACのボス小池さん

その後三豊の活動や施設の視察へ。
僕は三豊に来たのが6回目で、この街の面白さには去年から気づいていたので新しい感想は特になかったのですが、改めていろんな場所をじっくり見られてよかったです。
ただただ、「なんかやりたい→皆でお金を出してやりましょう」と資本すらシェアして皆で大きなことをやっているのが素晴らしい。

大人の遠足①
大人の遠足②
大人の遠足③

基本真面目に見つつも、時にはじゃれあいながら回るのも楽しかった。

カメラマン同士「機材庫はアツいな」と語っている時の様子
小芝居中

夜はサンカフェというカフェに移動し、基調講演&懇親会で大いに盛り上がりました。
特にLIFULL HOME'S総研の島原万丈による講演「遊びからの地方創生」は、僕が大事だと思っていたことがほぼ全て言語化されていて、首がもげそうなほど頷いていました。
てかもげました。

張り切って最前列へ
島原さんによる基調講演
楽しそう
真ん中で僕がポツンと立っているのですが、ぼっちだったわけではなく、この後大仕事が控えていて、その調整などでワタワタしてたんです
鉄板で焼かれたオリーブ牛、僕が一番食べた自信がある

そして懇親会も終了し、宿に戻ったり夜の街へ消えていったりと、思い思いの夜を過ごしたようです。
僕はそそくさと宿に帰って寝ました。

僕はお酒を飲まないので、飲酒組を2次会会場へ車で送ることになり、「すみちゃんイケメン!」などとおだてられている様子。ちょろい男です

2日目

2日目は、一転して真面目にディスカッション。

「LACの巡り方」と題して、"どんなプランやイベントがあれば使いたてのユーザーさんがLACを気に入ってくれるか"についてそれぞれの拠点運営の知見を集合させて考えていきました。
それぞれの拠点や街の特徴や、これまで来てくれたユーザーさんなどを総合した結果、魅力あるアウトプットが出てきましたよ。
LACユーザーのみなさん、お楽しみに。

最近の僕の悩みなのですが、とにかく姿勢が悪い(手前の青)
旅行中に服が破れる等のアクシデントがあり、この服は旅行中に買いました

コミュマネサミットはざっとこんな感じでした。
1泊2日とは思えないほどの密度で、本当に行ってよかった!

感想をば

ではここから、このコミュマネサミットで感じたことをつらつら書いていきます。

①日本は狭くて広い

まず思ったのは、日本は狭くて広いということ。
少し具体的に書くと、「物理的には狭いけど精神的には広い」ということです。

僕は基本的に「日本は狭い」と思っていて、飛行機や新幹線を使えば一日あれば日本のどこからでもどこへでも行けてしまう事実がそれを示しています。
しかし、各地で気候も違えば産業も違うし、集まる人も違えば文化も違います。
全国各地から集まった猛獣たちと話すことでそのダイバーシティに触れたような気がして、「日本って広いなあ」と素直に思いました。

②自分が考えていることや悩みを共有できる環境があるのはありがたい

三豊のプレイヤーコミュニティでは、自分がやりたいことや考えていることをいつでもどこでもプレゼンし、磨きをかけたりお金を集めたりする「プレゼン文化」が定着しています。
「これいいなあ」と素直に思いました。

「そういえばあの人って何やってるんだっけ?」という人結構いるじゃないですか。
多彩な才能を発揮していろんなことにトライしている人ほど、自分の活動が周囲に伝わりづらいという矛盾を抱えて生きています。
それってすごく勿体無いことで。
その才能を求めている人は必ずどこかにいるはずで、それを知ってもらう機会があった方がいいのは間違いありません。

それぞれのやっていることって実はあんまり知らなくて、その周知の場としてプレゼンはすごくいいなあと思いました。
石巻でも取り入れようと思っています。

また、「悩み」を共有できることもコミュニティの価値で、今回のコミュマネサミットは悩みの共有が大きなテーマだったような気がします。
LACのオープン当初からある拠点にも、最近加盟した拠点にも、それぞれの条件に沿った悩みがあって、自分たちだけではどうにもならないこともあります。
それを懇親会等で気軽に相談できたのはいい機会でした。

これは何もコミュニティに限った話ではありません。
「こんなことをやりたいんです!」と声を上げ続けることも大事ですが、それはある程度どのような人に対しても言えることですが、悩みがない人なんていません。
そんな時に悩みを聞いてくれる人、解決方法を一緒に考えてくれる人がいると人生の安心感が増すし、近い価値観を持って同じ活動をしているからこそ「悩みを共有していいんだ」と思わせてくれるのだと考えています。

③遠くに仲間がいる安心感

おそらく、このコミュマネサミットに参加したコミュマネさんたちは、お互いのことを「仲間」と認識したでしょう。
対面で会うことはそれだけ大きな意味を持つのです。

悩んだ時に相談できる仲間、チャレンジしたい時に声をかけたい仲間、何もしなくてもいるだけで心地いい仲間など、捉え方は色々あると思いますが、そういう人が「遠くにいる」ことの安心感は大きいと思っています。

完璧な人がいないように、完璧な地域もないし完璧なコミュニティもありません。
今いる場所や今やっていることに違和感を覚えることもたまにはあるでしょう。
そんな時に「ちょっと話聞いてくれる?」とか「そっち行ってゆっくりさせてくれ」とか言って、その人の持つ空気感を求めに行けるのは精神衛生上本当にいいことです。

会津磐梯コミュマネの蛯名さんが「コミュニティに複数属することは逃げ場を複数持つこと」と言っていて、僕もユーザー時代から同じことを考えていたので、意識レベルで仲間だと思える人がいるのは本当に安心です。

④苦手克服を頑張るのではなく、得意なことや好きなことを磨けばいい

LACの約50拠点は、拠点ごとに形が本当にさまざまで、宿泊場所のハード面も街の資源やそこに形成されるコミュニティといったソフト面も大きく違います。
例えば、伊豆下田拠点はパンパンに詰めれば30人くらい泊まれて全て個室ですが、石巻拠点は3部屋×各部屋2人ずつで最大でも6人しか泊まれません。
また、伊豆下田拠点は街の人でも誰でも入れるコミュニティスペースがあるけど、石巻拠点は市街地から少し離れた場所にあってかつ宿泊者しか入れない環境です。
どっちが良いとかそういう話ではなく、それが各拠点の特徴、ということ。

僕は石巻拠点のそういった特徴を活かしたコミュニティマネジメントを心がけていて、楽しく試行錯誤を繰り返していますが、どうしても越えられない壁にぶち当たることもあります。
かつ、それがコミュニティの醸成に必要なことだったりします。

でも、2拠点から始まったLACも今は50拠点もあります。
最初は全国にポツンポツンと拠点があったけど、今は割と拠点間を移動しやすくなっています。
だから、一つの拠点だけでコミュニティを完成させる必要はなく、複数の拠点でユーザーさんにいい体験をしてもらったり、LACの全拠点でいいコミュニティを形成していけばいいんです。

だから、自分達の拠点の課題を克服しようとしすぎる必要なんてなくて、自分達が魅力だと思っていることを徹底的に磨き上げていけば良くて。
それは、他の拠点のことを知ってその拠点を信頼しているからこそできることですが。
こういう時は〇〇拠点、そういう時は〇〇拠点みたいなイメージができてくると、それぞれのユーザーさんに合った受け入れ方ができるようになりそうです。

人間関係や仕事でも同じことが言えますね。
自分の苦手なことばかりに目を向けず、自分が得意なことや好きなことに集中して、苦手なことは人に甘えればいい、と。
そうやって人は支えあっているし、組織は成り立っています。

⑤集客→送客がコミュニティの根幹

地方に住んでいる人ならよくわかると思いますが、知り合いのお店に行きたくなるじゃないですか。
かつ、その知り合いの店に行くと必ず他のおすすめのお店を教えてくれるじゃないですか。
また、イベントでいろんな作家さんが一同に会していると、複数の作家さんの作品を買いたくなるじゃないですか。

これらは「お互いのお客さんをシェアする」いい例で、地域の経済ならではの形だと思っています。
食べログで評価が高いから行くのではなく、〇〇さんがおすすめしてたから行く、みたいな。

これと同じことがLACでも言えるな、とコミュマネサミットを通じて感じました。
例えば石巻拠点だけで頑張って集客するのではなく、会津磐梯に行った人が次石巻に来てくれたり、その次は気仙沼を紹介したり、といった感じ。
それはもはや「集客」ではなく「送客」だと思いました。

LACに限らず、いろんなサービスで言えることかもしれません。
「他社のサービスを紹介する営業マンは売れる」と言われるように、送客の意識があればいずれ誰かからも送客してもらえるのでしょう。
集客すらもお互いに支え合いながらやれるといいし、それを「送客」と呼ぶのだと考えています。

⑥「定住or多拠点」とか「地元or移住」とか、そんなことはもうどうでもいい

最後少しだけ余談ですが、コミュマネサミットを経て「地元ってなんなんだろう?」と考えるようになりました。
もちろん自分が生まれ育った街で、自分のルーツになっている場所なのは間違いないのですが、それ以上の意味を求める必要はないような気がしたのです。

というのも、コミュマネサミットに集まった40人は、地元で活動している人よりも地元と違った場所で活動している人の方が多い気がしました。
良い悪いの話ではなく、たまたまそういった人が集まっただけ。

でもその人たちの地元を意識して話す場面は全くなかったし、今の活動や今の拠点について聞くことがほとんででした。
過去なんて履歴書でしかない。

かつ、地元を大事にするのも脇に置いておくのも個人の自由だと思っています。
自分が幸せかどうか、自分の大切な人が幸せかどうかをもとに自分の環境を決めればいいだけの話。

そして、定住するのか多拠点生活をするのか、その間を取るのか、それも個人の自由。
今の時代は選択肢が数多くあるなので、それを組み合わせれば自分の思ったような暮らし方ができるもの。
そこに言葉の定義はなく、「これが自分のライフスタイルです」とだけ言えばいいのです。

自分が住みたい場所に住みたいだけ住めばいい。
自分のアイデンティティも自分で定義すればいい。
自分の過去ではなく自分の今を大事にすればいい。
ただそれだけ。

コミュマネサミットの話から少し逸れましたが、自分自身少しモヤモヤしてたことが肯定された気がしたので、余談として書いてみました。


長文になりましたが、LACのコミュマネサミットの感想について書いてみました。

コミュニティというかっこいい言葉を使っているけど、本質は人間関係そのもので、本当の優しさを持つ人やコミュニティが愛されるんだろうな、と書きながら思いました。
僕の感想はこれに尽きます。

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