こども

我が子を 『ゲーム依存』、『引きこもり』 にさせないために 第1回目

ゲーム依存と引きこもり01 一建築家の提言一

元農林水産事務次官が長男(44)を刺殺した事件は、オンラインゲーム「ドラゴンクエストX」に耽溺し、定職に就かず引きこもり状態でした。相次いで、引きこもり状態の男が起こす事件を見て、「ウチも他人事じゃない」と思っている家庭が日本中たくさんあるはずです。

 厚生労働省によれば、現在日本でオンラインゲームを含めた病的なインターネット依存が疑われる中高生の数は、推定九十三万人と過去五年間で倍増していると言います。特に若者を中心にゲーム依存の問題は、さらに拡大し深刻化していくと予想されます。ゲームにはまってしまうと部屋にこもりきりになり、学校に行かなくなり、親が注意すれば暴言、暴力といった問題行動を起こし、やがては大切な自分の人生を台無しにしてしまいます。

 九年ほど前、私の著書「子供をゆがませる間取り」(情報出版センター), 「危ない間取り」(新潮社)を出版しました。犯罪者の家の間取りを掲載し、間取りから見えてくる親子の関係性や、子ども部屋のありかた、親子の会話の重要性を問題提起しました。

 ゲーム依存症や引きこもりの症状に、精神科の医師や、専門家の識者は共に改善の対処方法や、「これが有効だ」という確固たる治療法は今のところないといい、問題の深刻さを伺うことができます。そして唯一改善させ治療に結び付ける手だては、本人との話し合いではなく「家族との対話」だと指摘しています。

「ゲーム依存」や「引きこもり」の重要なキーワードが「親子の会話」なら、親子が会話をしやすい住居空間も当然大切になってくるはずです。家の構造や間取りの良し悪しによって、会話の成立しやすい間取りと、しにくい間取りがあることを長年の設計経験で確認しています。今回の一建築家の提言は、住居空間をつくるプロの立場から、ひとつの提案ができるのではないかということが動機になっています。何回かに分けて掲載していきます。


次回、第二回目は 『ゲーム依存症、引きこもり、にならない子ども』 ー 生活動線と親子のルール ー

【問い合わせ先】横山彰人建築設計事務所

#こんな社会だったらいいな

これまでに300以上の住宅を手掛け、富な実績を元に、本当に居心地のいい、家族が元気になる住まいをご提案します。noteでは住まいで役に立つトピックスを連載形式で公開します。