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理想の住まいを叶える建築家コラム

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建築家が提案する新築、リフォームのポイント、現代の家族にふさわしい住まいづくり、間取りの知恵のを連載いたします。
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#note

リビングは、理想ではなく暮らしの延長で考える

家族の生活スタイルの変化に対応できる家03 家族が家族として、気持ちよく過ごすための家づくりを行うのなら、これまでのような使われないリビングをつくるのではなく、みんなが集まるように、リビングの形を決めることが第一歩だといえるでしょう。 リビングの形を考え直すことは、家族とのつながりをもう一度見つめ直すことにもなります。華やかさとスケールの大きさに惑わされることなく、家族がそこで何をするのか、そのためには、どんな部屋であればよいのかということを暮らしの延長から考えてみるといい

「理想の住まいを叶える建築家コラム」連載のお知らせ

建築家 横山彰人 30年間取り組んできたのは「家族の絆が強くなる家」の家づくりでした。 住宅の設計は、楽しい仕事だと思っております。今から15年前に、ある住宅の上棟式に、建主と幼稚園に通う娘さんが出席していました。それから15年経った今年、お父さんから娘さんが大学の建築科に入ったという知らせがあったのです。お父さんが、「どうして建築科へ行きたかったのか」と理由を尋ねたところ、「横山さんの設計した家がとても好きで楽しかったから、自分も建築家になりたかった」と答えてくれたそうで

ハウスメーカーと建築家の違い

私の事務所に設計依頼の相談に見える方々はもちろんのこと、講演などに呼ばれた時にもよく耳にするのが、「建築家に頼んだ場合とハウスメーカーが提供する家を買う場合とではどう違うのか」という質問です。この質問に対する答えを単純化すれば、「フルオーダーで家を建てるか、既製品を購入するかの違い」 という回答になりそうですが、実はそれほど簡単な話ではありません。 「自由設計」というキャッチフレーズの落とし穴最近はパンフレットに、「自由設計」をキャッチフレーズに掲げているハウスメーカーもあ

小さなパラダイス

ライフスタイル01 会社にも家にも、居場所が見つからない。 社会には、たくさんのストレスが溢れています。建築家として住宅設計を通して住まいを見ると、さまざまな現象に出会います。 近年多い夫婦別寝室、家庭内別居や主婦の専用室、子ども部屋優先の住まいづくり、父親の住まいでの居場所の喪失など、社会や家庭における家族個々人の存在感や力関係の変化が、住まいにそのまま映し出されています。 家が生産の場であった時代や、父権が家制度によって守られていた時代には、茶の間や囲炉裏で父親の座

建築家と家を建てよう!

建築家というと、費用が高くなってしまうとか、デザインを重視した奇抜な家を建ててしまうといったイメージがあるようです。そのようなイメージは、芸術性を求める一部の建築家の作品を見たことによって植えつけられたものだと思われます。 たしかに、建築家のなかでも、どの建築家に頼むかによって費用も異なり、できあがる家のタイプもさまざまですから、その選択は、自分自身で情報を集め、行わなくてはなりません。それでも、納得する家を手に入れるためには、建築家に頼むのがいちばん現実的で、確実な方法と

住宅展示場とサザエさんの間取り

家を建てる01住宅展示場にある家に惑わされる人々 家を造る前に知っておきたいこと ※上記写真は 「自分らしい住まいを建築家とつくる」共同通信社記者 原真著 表紙写真より(著書内において「家族が触れ合う間取り」として取り上げていただきました。) 例えば、これから家を建てようとするときに雑誌やカタログを見るという人、家を建てた人を知人から紹介してもらうという人もいるでしょうが、おそらく大多数の人が、一度は住宅展示場に足を運ぶのではないでしょうか。 実際に住宅展示場を訪れてみ