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「恩送り」と「寄付」のビミョーな違い

COTEN  RADIO
という人気ポッドキャストをやっている株式会社COTENさんが、「サポーター」という制度をつくって、個人と法人から資金を得ている件。
これが、NPOとかの「寄付」と、どう違うのか? って話をしたいと思います。

いわゆる #恩送り #Payitforward  
が完全なる無償行為ではなく、お金以外の報酬を期待している行為なのだと、私なりに腹落ちしたわけです。

きっかけは、ちょっと古いんですが、こちらの動画を見たこと。

さらに、この動画を見たきっかけは、

COTENさんが、ACCという日本を代表する広告系のアワードで、すんごい成績を残したことです。

以下、リリースを貼っておくので、詳しく知りたい方はどうぞ。
「歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)」がACC TOKYO CREATIVITY AWARDSにて、総務大臣賞/ACCグランプリを受賞
〜ラジオ&オーディオ広告部門 Bカテゴリー他4部門にて入賞〜

さっき、「広告系」などとボヤかした表現をしましたが、以前はハッキリとした広告賞だったのです。が、名称がCREATIVITY AWARDS に変わったこともあり、幅広いジャンルから選ばれるようになってきました。

それにしたって、無料で聴けるpodcast番組が、
ブランドコミュニケーションという部門の
プロモーション&アクティベーションというカテゴリーでグランプリですよ。大手企業とか有名な代理店とかをおさえて、ポッドキャスターが。

このインパクトはすごいです。

ACCのの審査員たちも、
たったひとつの音声コンテンツが、
📍ブランド広告
📍リクルート広告
📍投資家へのプレゼンテーション
という3つの機能を果たし、その結果として多くの人たちの行動喚起ができたことを高く評価したようでした。

3つめの
📍投資家へのプレゼンテーション
が、冒頭に書いた「サポーター」制度の募集であり、動画で説明している部分です。資本主義の恩恵にあずかりながら、現時点では儲からないデータベース作りにリソースをつぎ込んできた深井さんの思い、そしていま、サポーターから資金を集めるという新しい収益源をつくることに対する説明を、時間をかけて語っています。

Youtubeのコメント欄を読むと、共感し納得する人がいる一方で、寄付・クラファンと同じじゃないか? という疑問や意見も。

資本主義的な見返りを期待しないでほしい

と説明すると、どうしてもそうなります。
が、このやりとりこそが肝だなと思うわけです。

見返り=お金

という意識から離れることができない限り、募金箱にお金を入れて、あとはどうぞお好きに使ってください🕊 という寄付行為との区別がつきませんから。

「恩送り」という行為に対する見返りは
送った相手からの「恩返し」ではありません。

この時点で、「は?意味わかんない」という人も多いと予想します。
実際、外部コンサルから「恩送り」を推奨された某職場で、取引先のイベント集客を手伝った人が、
「これだけ恩を送っとけば、きっと返してくれるわね」
と自信満々に言っているのを聞いたのですが、資本主義を生き抜いてきた人のスタンダードな反応なんだろうなぁ と思いました。
「ギブ&テイク」
から発想転換できないのです。
「テイクより、ギブを先にってことでしょ?」
「ギブしたあと、テイクまで時間がかかるけど、ガマンしますよ」
くらいに解釈しているのです。

かといって、
無償ボランティアや単純な寄付行為のように、
「何ひとつ、もどってこなくてもいい」
というわけでもないのが、「恩送り」のビミョーなところです。

見返り=お金じゃない何か

なんですよ。たとえばなんだ・・・
「世界がよくなる」とか、「安心してくらせる」とか。
そこまでスケールが大きくなくても、
「情報が早くもらえる」とか「信頼できる仲間がみつかる」みたいな。

だから、深井さんも(かなり慎重に言葉を選びながら)
サポーターになってくれる層について語っていましたが、
「恩送り」ができる人はーー
生活に困らない程度のお金があり。
だからこそ、お金以外の何かが大事だと気づいており。
その大事なもののために、自分が出来るリソースを先に投入するのでしょう。

それが、
寄付っぽく、ボランティアっぽく、見えることも多いでしょうが、行為主体の想いは少し(だけど深い意味ではまったく)違うんだろうなと思うのでした。

私自身、ドカンと寄付をするほど豊かではないですが、
「恩送り」については、余裕のあるときにしておきたいと感じており、働き方もそうしていくつもりです。

11月の転職は、本当に私にとって良いターニングポイントであり
「ギブ&テイク」の資本主義から
「恩送り」のポスト資本主義へと切り替えるための準備をさせてもらっている気がしています。

COTENさんのアクションは、ビジネスモデルとしても参考になるし、深井さんの説明は、経営者が志をどうアウトプットするかという点で、めちゃくちゃ心に響いています(しかも、イケボ・・・💓)

音声配信で、COTENさんの受賞について話しています(メンバー限定・月300円)よかったら聴いてください。

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