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ノンデザイナーの「ノン」は、何を否定しているのだろう。

ここ数年、よく耳にするようになった単語に
「ノンデザイナー」というのがあります。

これって、英語圏にもある表現なんですかね???

人によって解釈にブレがあると思いますので、あくまでも私が受け止めているイメージということでお許しいただきたいのですが、

主に企業内の業務として「デザイン」に携わるようになった人。
ただし、「インハウスデザイナー」のように専門職として雇われているわけではない人。

のことかなぁと理解しております。
となると、この頭にくっつけた

「ノン」

で否定しているのは、何ぞや?

①職業として「デザイナー」をやっているわけじゃないという否定。
②デザインすることが収益に直結しているわけじゃないという否定。
③万人が認めるような高いレベルに達していないという否定。

・・・とか、そんな感じでしょうか。

しかし、しかしですね。
私は、クリエティブな職業と言われる(汗)ライターをしておりますが、
「ノンライター」とは、あまり言わない。
「ノンフォトグラファー」も、聞いたことがありません。
なぜか、デザイナーだけ、ノン。

謎だね。

と思っていたのですが、つい先日、
職場で「ノンデザイナー向け講座」とやらをやることになり
事業担当者から講座イメージや講師候補の話を聞いているうちに、お、もしや?もしや?? と気づいたことがあったのです。

「ノン」をつけたくなるときの「デザイナー」って、
けっこう広い意味で「デザインする人」のことを指しており、
「ノンライター」も「ノンフォトグラファー」も含んでいるのではないか、と。

つまり
①職業として「デザイナー」をやっているわけじゃないという否定。
は、いまのところ正解なのですが、
職業「会社員」の人の中に、「ノンデザイナー」という職種が増えたことで、「デザイナー」という職種が、ひと握りの特殊な人を指すものでなくなっていきそうだ、という予感がしたのでした。

そして
②デザインすることが収益に直結しているわけじゃないという否定。
をしても、間接的にはお給料をもらいながら、広義のデザインに携わっているのですから、その人は「ノン」などつかない「デザイナー」になっていくように思います。

そもそも、クリエイティブ職のボーダーって、
かなり曖昧じゃないですか?

私自身、25年ライターをやってきたのですが、
「ノンライター」だったときの私と、「ライター」になったときの私の差など何もなく、あえて言うなら
・決心して、一晩寝た。
・名刺に「ライター」という肩書を入れた。
が変わった程度のことなんです。
まぁ、はっきり言ってしまうと、ボーダーなんて、なかったんです。

にも関わらず、多くの人に文章を書いてと依頼すると、

「ライターさんのようには書けません」
と、2歩も3歩も後ずさっていくのんですよね。学生時代、国語の成績が私よりはるかに上だったであろう方でも、同じように拒絶します。

③万人が認めるような高いレベルに達していないという否定。
は、ご本人の思い込みに過ぎません。

さぁて、③つ挙げておきながら、全部消去してしまいましたが、
じゃぁ「ノン」って何かというと、

まだ、覚悟ができていません。こわいよ~

というエクスキューズ&恐れ ではないかと思います。

そこそこ文章がかけるから社内でリリースを書く役割を担わされたり、ちょこっと趣味で写真をやっているのが知られて撮影を頼まれたり、普段からセンスがいいからデザインできるでしょと任命されたり・・・

というケースが、まぁまぁ多いと想像します。
でも、職業としてそれを続けてきた人と、決定的な違いがあるとすれば

人からお金をもらって
納期や締切や品質に責任を負って
失敗したり恥をかいたりしながら、
何度も何度も繰り返してきた

という履歴でしょう。

なので、どうぞ「私なんて」とか「こんなレベルで」と言わず、
プレッシャーを背負いながら量をこなし、
こんな出来で恥ずかしいという思いを、次に生かしてください。

ビジネスパーソンに「ノン」をつけることはありませんよね。
組織の中で、広義の「デザイン」に関わっている人は、いないといっても過言ではありません。
考え方次第では、すべての人がデザイナーとして働き、
自分の人生もデザインしているんじゃないでしょうか。

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