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森高千里を最前列で見てしまった話

2018年5月18日金曜日。

そのXデーの前日、私はローソンで、支払い済みのチケットを引き換え、受け取った。

そして目を疑った。

「1階イ列○○番」

ん?

んん??

イ?

場所は昭和女子大学人見記念講堂。初めて行く会場なので座席表の把握はまったくしていないけれど、

ん??

イ???

さっそく一緒に行く友人に伝える。

「イ列って書いてあるんだけど」

『!!??アイウエオ順でもイロハ順でもやばいね』

という返信が来る。確かにやばい。イロハ順の発想はなかったけど。

そして「昭和女子大学人見記念講堂 座席表」をぐぐってみる。

そして再び目を疑う。

えっ

えっっ

「ア」がないじゃーん!!

一列目確定。

しかも私たちの座席は「32、33番」。

どどどどセンターやないけ!!

その場で倒れ込みそうな衝動をこらえ、ひとまず母や知人などに興奮を伝える。興奮がおさまらない。

誰かに伝えたいという気持ちだけが先行して、無理やりラジオに投稿してみたりなどする。採用されなかった。

さて申し遅れましたが、私は森高千里さんが大好きです。

※本記事では、めいっぱいの敬意を込めまして、以後森高千里様のことを「森高千里」と敬称略で記載しております。

振り返れば小学生の頃から。当時私はアメリカに住んでいて、親戚からたまに送られてくる日本のCDやビデオなどを繰り返し聴いたり見たりしていた。当時はYoutubeなんてないわけだから、日本の情報に飢えていたのだ。多分森高千里「Lucky7」はそのような経緯で我が家に届いたのだと思う。

1993年に発売されて我が家に届いた貴重な音楽を、私は擦り切れるほどに聴いた。森高千里は私にとってはCDで聴く人で、映像はほとんど見たことがなかった。けれど美しい人だということだけは知っていた。

明るさも切なさも「森高イズム」で歌い上げる森高千里に夢中になった。特に「渡良瀬橋」は本当になんども聴いた。

その後私が日本に帰国し、自主的にライブにいくような年齢になった頃には、森高千里はライブ活動を休止していた。ずっと好きだったけれど、私の中の森高千里は、しばらくLucky7やその後のベストアルバムあたりで停止していた。いわゆる「気分爽快」「私の夏」「私がオバさんになっても」をはじめとする当時の代表曲と、少しのアルバム曲。それしか持っていなかったから、それ以外を知らなかったのだ。

エンターテイナー森高千里を再発見

ところが数年後、年上の知人(40代)が、私が知る以前の森高千里の音楽をたくさん教えてくれた。「古今東西」「鬼たいじ」「非実力派宣言」…など、当時のアイドルともミュージシャンたちとも一線を画す尖った森高千里を知るごとに、私は改めて惚れこんだ。

そもそも「動く」森高千里をあまり知らなかったから、エンターテイナーとしての森高千里について知ったのはつい最近のことのようにも思える。

ふつうのアイドルはこういう宣言しないでしょ。

そしてここ近年で、森高千里はめいっぱい活動しはじめた。テレビでの司会やラジオ番組、雑誌の連載や、何と言ってもライブ。ライブハウスやホールでのライブは、ツアーが発表されるごとにドキドキしながらチケットをとった。

そして今回。森高千里を拝むのは実は3度目である。そしてこの3度目に訪れたこの奇跡。もう一生ないかもしれないチャンスなのだ。

そしてなんと今回のライブは、森高千里のデビュー30周年を記念して行われたツアーファイナルで、1991年に行われた「ザ・森高ツアー」の再演ライブなのである。

さて、ライブ当日。

入場の列にならび、グッズの列に並び…。最前列記念にどうしてもグッズを身につけてライブをみたいと友人と誓ったものの、結局並んでいるうちに1曲目が始まってしまい焦る。結局二曲めから滑り込み、慌てて購入したタオルやTシャツをまとう私たち。

焦りながら目にしたのは、約3メートルくらいの距離にいる森高千里の姿。いや想像以上にどセンターだし近すぎて逆に目の合わない近さですよフワーフォーヒャーと変な声を出し続ける。

今までに3度見たライブの中で、どのライブよりも森高千里が踊っていた。「ザ・森高」はそういうセットリストだったのだ。よくよく見ると表情はじゃっかんの照れくささがありそうな、だけど全力で跳んで踊る…そして歌う。足元もハイヒールだし。

そして衣装はほぼ当時の通りのもの。いや、本当に半端じゃないスタイルの良さです…!!最前列で見ても、どの方位から見ても、非の打ち所のない美しさ。

「ザ・ストレス」はメイド服にヒールという姿。当時の映像がバックに流れつつでしたが、正直本当に今がイイ。昔も最高なんですけど、今が最高すぎて。

※冒頭や途中の演出を含めて森高千里イズムです。

27年越しのパフォーマンス

1991年、私はまだ当時6歳だった。だからその頃の森高を知らないのも無理はない年齢である。だけどそれから27年後の2018年に、当時に負けない、あるいは当時を上回るパフォーマンスを、33歳の私に見せてくれるなんて。森高千里本人も、思っていたのだろうか。いや思っていたのかもしれない。昨年にも「ザ・森高」の再演は一度行われてるとはいえ。きっとその時よりもさらにパフォーマンスは向上しているのだと確信している。
(注 昨年も再演ツアーがあり、その際は思い入れの強かった「Lucky7」の再演の日を選んだのだった)

改めて聴くと、「ザ・森高」当時の歌詞って相当に尖ってる。

のぞかないでよドスケベ 名前言わないだけでも
ありがたいと思えこのやろ おまえだ
のぞかせないわ意地でも 死んでもおまえだけには
女の気持ち踏みにじって あやまれ
「ザ・のぞかないで」/森高千里
話したいのはわかるけど おじさん
昔話は苦手 本でも書いたらおじさん
腰をフリフリ歌って踊れば みんな忘れちゃうわ
理屈ばかりじゃお腹が出るわよ 誰かさんみたいに
私もぐりでいいのよ 好きにするわ
「臭いものにはフタをしろ!!」/森高千里

ドスケベ

キラキラした衣装で、ミニスカで、美しくて、可愛くて、そんな姿でこんな歌詞書いて歌うから、おじさんたちだって夢中になっちゃうわけです。10代20代の森高千里に負けない魅力を放ち続けて、未だにこれらの言葉に効力があるということは並大抵のことじゃない。ドスケベとかおじさんとか、パワーワードが満載。

アイドルが味方につける、かつ同時に戦っていくべき相手でもある、「おじさん」とか「業界人」とか「変態」とか「常識」とか、そういうものへのアンチテーゼ的なメッセージが、いたるところにちりばめられているのである。しかもかなり、直接的な言葉で。なのに決して嫌われないどころか夢中になってしまう。この魅力というか魔力はものすごい。

奇抜な衣装が似合いすぎる

「リハーサルの時って衣装も合わせるから、それが並んでるのを見たら、全部スパンコールで。こんなの着れるのかな?ってちょっと恥ずかしくなるんだけど。実際着てみると…これが似合っちゃうんですよね〜!」

MCではこんな発言。嫌味でもなんでもなく、これが森高千里。
1991年当時の衣装はかなり奇抜だけれど、多分、この当時でもかなり奇抜だったはず。2018年に着ても奇抜は奇抜。だけど似合ってるし、美しい。そして恐れのない全力、パワフルなパフォーマンス。だけどなんか変。なのに最高。そう、このスタンスこそが「ザ・森高」なのだ。

小学生の頃の私に伝えてあげたい。こんなにも近距離で拝める日がくること。まるでタイムスリップしてきたんじゃないかと思うくらいに、現役バリバリの森高千里が目の前で歌って踊っていること。

汗も見えない神々しさ

最後のダブルアンコールで、ギター(リッケンバッカー)を持ってミニスカでジャーンと決める姿は神々しすぎた。

しかし途中のMCで、「え、私だけ?汗だくなの!」と言っていたが、最前列であっても森高は、汗ダラダラみたいな姿ではなかった。汗の一滴も記憶にない。

今回のツアーセットは、91年当時のものが残っていたそう。

(セットをはんこで再現。あんなにスポットライトあびながら踊るって相当暑いはず)

余談1

アンコールは、「ちさと!」「ちさと!」という太めの声が、なぜか左右サラウンドで交互に聞こえてくる。(省エネ?)

余談2

終演後に、どこからともなくお客さんが、「ではみなさん、三本締めで!」と言って、パパパン、パパパン、パパパンパン!×3 がはじまる。

余談3

プレゼント受付BOXというものがある。

(そして私は、はんこ詰め合わせを贈った)

締めの一曲

これはライブの締めではありませんがこの記事の締めとして。
カーネーションのカバー曲「夜の煙突」。アゲアゲで最高だしこのPVも美しさがすごい。ずっと跳びっぱなしで、これすごいエクササイズになりそう。。

カーネーションの35周年ライブ@野音、森高もゲスト出演だそうです。

今週末5月27、28日はいよいよツアーファイナルとして、二日間に分けて今までのシングル曲を全部やるというものすごいライブも。なにがすごいって、18日の時点でまだこっちのリハはしていないという。ライブごとにセットリストや衣装も違うって本当に大変なはず…。

最高な過去や経歴があるからこそ、それを越えられるかどうかとか、そういう悩みが出てきそうなものだけれど、森高千里は常にそれに挑戦して、更新していく。そういう姿にも、本当に刺激を受ける。

もうちょっとクローズアップした森高千里の魅力についてはまた個別に今後書こうと思います。

元気をもらったし、いつの日か一緒にお仕事ができることを夢見て、日々を頑張るぞ。

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