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チェコ旅行記が本になるまで

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「チェコ旅行記」を本にするまでの道のりは長い。一緒に見守っていただけませんか。
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油断と映り込みにはご注意ーズリーン③

油断と映り込みにはご注意ーズリーン③

チェコアニメの街であるズリーンで、アニメーションのコマ撮りのワークショップを受けていたときのこと。

アニメーションの撮影セットはどうやってできているかと言うと…いたってシンプル。真上にカメラが固定されており、その下で1コマ1コマ物を動かしていく。

サポートしてくれたスタッフさんがモニターで撮影状況を確認してくれる。
思っていた以上に小刻みに動かしていかないといけないことと、その刻み方の変化でス

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アニメが生まれる瞬間ってこんな感じーズリーン②

アニメが生まれる瞬間ってこんな感じーズリーン②

チェコアニメの街、ズリーンにたどり着き、いざ「コマ撮りアニメに挑戦」!

その気になれば1日いられそうなくらい充実したスタジオでしたが、時間の都合で1時間ほどで作らなければいけず。とにかくこの3ステップを駆け足で体験!

①登場人物・ストーリーを決める
②シーンを決める
③撮影開始!

めちゃくちゃざっくりいうとこんな感じ。シンプルだけど物語ってこうやって生まれるんだな、と思うとじわじわと感動。仕

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チェコアニメの街でアニメをつくるーズリーン①

チェコアニメの街でアニメをつくるーズリーン①

チェコといえば、「チェコアニメ」。というイメージにすぐ直結する人はどのくらいの割合なのだろうか。
私が初めて見たチェコアニメは、一コマ一コマ動かして動きを作るコマ撮りアニメだった。そしてすっかり魅了され、私はすっかりチェコ好きになってしまったのだ。

そんなチェコアニメの源流となった街が「ズリーン」という街。
ここには、カレル・ゼマンをはじめとするアニメ監督や、アカデミー賞を受賞した監督なども多く

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らせん階段の先にある絶景ーフルディム④

らせん階段の先にある絶景ーフルディム④

人形劇博物館は、はじめの「旅する人形劇師たち」のフロアからはじまり、らせん階段を上がっていきながらチェコの人形劇の歴史を辿り、その他、ベトナム、インドネシア、中国...などアジア中心に世界の様々な形の人形劇のパペットも見ることができる。

すごく高いわけでもないが5階くらいの高さから見下ろす街はやはり気持ちがいい。らせん階段でぜぇはぁ登った先には絶景がある。絶景まではいつもらせん階段があるともいう

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「素人」パペットにチェコのDIY精神を見るーフルディム③

「素人」パペットにチェコのDIY精神を見るーフルディム③

人形劇博物館の中で、私が大興奮した1コーナー。それは、プロではない「素人さん」がつくったパペットたち。

よくできてるなぁ〜!プロじゃないの?と思うものもあるけれど、構造はワイヤーが頭にささっているのみ、のようなシンプルなものも多い。仕組みを勉強する、などのステップ以上に「つくりたい!」というパッションが先行しているかんじが、もうたまりません。あるものでつくってしまえ、といったDIY精神、一生見習

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チェコの人形劇が現代アートへーフルディム②

チェコの人形劇が現代アートへーフルディム②

人形師たちが各地巡業していた頃から時は経ち、20世紀に入ると、伝統文化としての人形劇が見直されるようになり、展示や劇の上演も盛んになっていきます。

実験的な試みもなされるようになり、人形劇の可能性が国際的に広まっていった時代。パペットの個性も爆発していきます。ここが、有名なキャラクターや作家も多く輩出した時代。

ひとりひとり見続けても飽きません。衣装の変化くらいじゃ役を変更できないくらい、キャ

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旅する人形劇師たちの足あとーフルディム①

旅する人形劇師たちの足あとーフルディム①

「チェコといえば人形劇」と言われるくらい、チェコは人形劇文化がさかん。チェコらしいものが見たい…!と思う人は、プラハから1時間ほど離れた小さな街・フルディムにある「パペットミュージアム」の常設展に行くべし。

フロアを追うごとに、民衆文化としての「人形劇」・「パペット」がアートへ展開していった歴史と、チェコの人々にとってパペットがどのように生活に根ざしているか、などがわかるようになっている。

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好きな街を2回訪れるのは、好きな映画を2回みることにも似ている ーミクロフ④

好きな街を2回訪れるのは、好きな映画を2回みることにも似ている ーミクロフ④

好きな街を2回訪れるということは、好きな映画を2回みることにも似ている。

時間とお金と労力を割いてでもまた行きたい場所。その魔力はすごい。一度目で感じたものを何度でも味わいたい。二度目に見たら新たな発見があるかもしれないという期待。同じ映画を二度見るときも、おおよそそんな気持ちだろう。私がミクロフを訪れた動機もそのようなものだった。

はじめてミクロフを訪れた私は、「聖なる丘」からのオレンジ屋根

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20分間、森の道を登って見たものはー『ミクロフ』③

20分間、森の道を登って見たものはー『ミクロフ』③

絵はんこ作家・チェコ親善アンバサダーのあまのさくやです。
現在、「チェコ旅行記の本ができるまで」チャレンジ中。本ができるまでの道のりを、一緒に辿っていただけたら嬉しいです。

過去4回、チェコを訪れた中で私が一番好きな場所。それはプラハから3時間ほど離れた街、ミクロフ。

2回目のチェコ旅の途中、『チェコらしい風景』『眺めのいい場所』を求め歩いていたときに、チェコ人の友人から「ミクロフいいよ」

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一歩ずつ進んでいくような旅行記ー『ミクロフ』②

一歩ずつ進んでいくような旅行記ー『ミクロフ』②

絵はんこ作家・チェコ親善アンバサダーのあまのさくやです。

私がチェコで一番好きな風景は、ミクロフという街にある「聖なる丘」。
今の所地球の歩き方にも載っていないけれど、ここはもうそろそろ載ってもいい頃だと思っている、本当に本当に素晴らしいところ。載って欲しくないような気もするけれど、見落とす人が多いのが嘆かわしい。

絶景スポットである「聖なる丘」まではちょっとしたハイキングのようで、森の中を2

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「チェコ旅行記」が本になるまでの道のりー『ミクロフ』①

「チェコ旅行記」が本になるまでの道のりー『ミクロフ』①

絵はんこ作家・チェコ親善アンバサダーのあまのさくやです。
ただいま、チェコ旅行記を描いています。

テーマは「手仕事・文化・小さな街」。今まで4回のチェコ旅で見た、知られざる魅力に溢れるチェコの地方都市をめぐる旅についての本。

自身で印刷や製本についても考えて、本をつくりたいと思っている。果たしてできるのだろうか。いや、きっとできるはずだ。
絵はんことイラストと言葉にあふれた、絵本みたいな本にな

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