わたしと、ある学生寮のはなし

この記事は、「Kumano dorm. Advent Calendar 2019」の22日目の記事です。
前日の記事はまだ書けてないようですね。締切は守りましょうね。痛っ、ブーメランだ!

私の自己紹介を軽く。熊野寮に住む2回生。とあるブロックの談話室民である。ブログを書くのは今回のアドベントカレンダーが初めてで、テーマを決めるのにも難渋した。最初はおすすめ漫画でも紹介しようかと思った。が、漫画ぐらいみんな知っているだろう、やはり初挑戦のことでも書こうかな、20歳になったことだし例えばクラブとか⋯⋯と考え直し、しかしこの場合は行く勇気が足りなかった。今締切過ぎて数日経ち、焦って書いているが、やはり自分語りしか話を膨らませることが出来なさそうである。激辛ラーメンレビューをすることも考えたんだが、最近胃を虐めすぎて粘膜が薄くなっている気がしなくも無いので控えさせていただく。

親がおもむろに見せてきたボロい建物のサイト。それが私と熊野寮との最初の出会いだった。当時の私は京大の入試を終えたばかりで、まだ合格しているかどうかも定かでない中住居探しにはイマイチ乗り切れなかった。世間知らずで我儘な私は「ユニットバスは絶対に嫌だ」などと駄々を捏ねていたが、我が家の経済状況を鑑みると非常に厳しかった。合格発表当日まで入居先を巡る親との衝突は数えきれない程あったように思える。気持ち悪くなるほどの不合格への予感・将来への不安に苛まれ、1番精神が安定していなかったときだからかもしれない。今思えば親もそれは同じで、家の中はピリピリしていた。そんなときに得体の知れないボロ木造建築を見せられ、当然私は不平をまくしたてた。誰がそんな汚い建物に住むのか。変な思想持ってる人もいるらしいやん。一部屋4人とか耐えられるわけが無い⋯⋯とにかく私の熊野寮への第一印象は悪かった。しかし、両親は諦めず、数日かけて私を説得した。「熊野寮はユニットバスではないのか⋯⋯」こうして幾らか心を動かされようやく合格発表前日に入寮面接書を書いた記憶がある。そして来る合格発表当日、自分の受験番号を発見した私は今までにない高揚感のまま入寮面接を受けに行った。そこで初めて実物を見た絶望感たるや。「えっここに住むの?」なんかよくわからん張り紙いっぱい貼ってある!汚ねえ〜!!とにかく不安要素ばかりであった。ただ、意外にもトイレがめちゃくちゃ綺麗だったことに驚いたのは覚えている。

寮に行くと多くの新歓があり、愉快な友達・先輩とたくさん知り合えた。そこから今締切を何日がオーバーしてnoteをせこせこ書いている現在までの時間は猛スピードで過ぎ去ってしまった。私と寮のいろいろなことを適当に書き散らそうかと思う。書き散らかすので読みやすさ等は決して期待しないで欲しい。

私が入寮を決めた主な理由の一つが、『友人がつくりやすそうだから』である。高校時代、ほとんど友達が居らず、体育で2人でペアを組む時間が何よりも苦痛だった私にとって、大学生活においての何よりの不安は、勉学ではなく人間関係であった。新歓のとき必死になって初対面の人と喋っていると、人と話す抵抗が段々無くなっていった。そもそも寮は共同生活の場なので居住ブロックの人とも毎日話す機会がある。そうなると人と話すこと自体が以前より億劫でなくなった。熊野寮自体が色んな人と話しやすい土壌であり、寮でないと恐らく一生話すことの無いタイプの人と仲良くなることもできた。下らない話で、真面目な話で、空が明るむまで友達と語り明かすこともあった。2回生になると愉快な後輩まで出来て、ますます談話室に入り浸るようになった。寮に入寮していなかったら、私の大学生活は今より間違いなく寂しいものになっていたに違いない。

寮の汚さにもすっかり慣れてしまった。明るいお化け屋敷のような建物を夜中に歩き回ることに何も恐怖を抱くことはなくなった。ただ、臭いがきつい炊事場では未だに自炊する気が起きないし、部屋に稀に発生するカメムシは見る度に半泣きになって、捕まえるともなると長い葛藤を経なければならない。ハエ程度の虫は無視できるようになったので、入寮時に比べると大きく成長したのかもしれない。

寮の仕事にも少しだけだが手を出した。きっかけは、同期がみんな役職を持つので、一緒にやれたらきっと楽しいだろうということと、女子シャワー室を増設したいという願望であった。しかし、任期中に結局何も進展せず、毎週部会を開くだけのしょうもない部長になってしまった。SC会議にも毎週ほとんど出席できなかったことも本当に申し訳なかった。自身の発言を議事録に記録されることが恥ずかしくて堪らなかったためあまり会議で発言出来ず、会議に出席するのが億劫になってしまったのである。口だけのヤツに成り下がってしまったことが悲しい。会議では発言しないくせに。役職を退いた今は、陰ながらサポートをしたいと考えている。

偶にたまらなく不安になる。私みたいな薄っぺらい人間を寮のみんなは寛大な心で受け止めているだけなのではないか?自分が浅はかな人間であることを見透かされてはいないか?才気あふれる同期を見て劣等感を感じ、落ち込むこともある。私の無遠慮な発言が原因で一度ある寮生と気まずくなってしまったこともあり、部屋に引きこもってしまおうかと本気で考えたこともある。それでも、寮生たちとただただしょうもない話で盛り上がるだけでたまらなく心地良いから、結局まだ寮というコミニュティをフェードアウトしていない。みんなの優しさに甘えてしまう自分が少し疎ましいが、自分を見つめ直し続けて、彼らが困ったときに手を差し伸べてあげられるようなわたしになりたい。

私の初ブログはこれで終わり。自分語りをすると冗長で、どこかネガティブになってしまう悪い癖が出てしまった。またブログを書くことがあるかどうかは分からないが、はじめの機会を与えてくれたSKさんと、ここまで読んでくれた皆さんに感謝。

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