【C大阪×金沢】ツエーゲン金沢の躍進の武器とは【2015/04/14号】


目次

・躍進する新興チーム

・左サイドの数的不利

・カバーリングメカニズムの欠如

・高さを活かした多彩なセットプレー

・佐藤と水永の共存

・孤立する水永

・森下監督の選択

・躍進する新興チーム

J2に昇格したばかりにも関わらず7戦5勝2敗で4位のプレーオフ圏内につけるツエーゲン金沢。今回は、Jリーグ随一と言われるゾーンディフェンスを武器に戦う新興チームを分析してみることにした。

スターティング・フォーメーションは4-2-2-2。GKは水戸、長崎の控えだった原田。4人ならぶ最終ラインは、右から元FWでスピードのある辻尾、技巧派の太田、パワフルで空中戦に強い作田、韓国人SBチャ。

中盤の底でコンビを組むのは、山形でボックス・トゥ・ボックスとして鳴らした秋葉とレフティのテクニシャン山藤。2列目は、右に小柄ながら空中戦に強いシャドー清原、左にボランチが本職の大槻。前線はチャンスメークに長けた佐藤とエアバトラーの水永の2人。

        原田

      太田  作田

 辻尾            チャ

      秋葉  山藤

  清原          大槻

      水永  佐藤

   フォルラン  カカウ

        パプロ

    扇原      長谷川

         山口

 丸橋            椋原

      染谷  山下

         キム

・左サイドの数的不利

J1もひっくるめてゾーンディフェンスの完成度はNo.1という評価もあるだけあって、守備組織に関してはしっかりとしている。Jリーグにありがちな、ど根性プレスは見られず効率よくセオリーどおりに守っていた。

しかし、守備に大きな欠陥が見られた。左サイドのディフェンスである。その欠陥をセレッソ大阪のパウロ・アウトゥオリ監督に見ぬかれ、前半は3、4分に1回の頻度で切り崩されていた。

1番問題だったのは左SBチャのポジショニングである。元はボランチの選手というチャは、サイドにおける2対2のセオリーを全く理解していないらしく、SBのポジションを何となく埋めているだけで、他の選手と連携して守ることが全然出来ていなかった。

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