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バランス能力と姿勢反射

こんには。姿勢改善専門パーソナルトレーニングスタジオ「grlowパーソナルジム」代表の助川です。

「バランス能力が無い!」というと多くの方が「安定させるための筋力が無い!」と捉えやすいですが

実際は「筋力が無い!」だけの問題ではありません。

主な原因は「脳や脊髄反射がうまく繋がっていない」ことがほとんどです。

バランス能力とは「筋力が無い」という定義はなく

筋力以外で3種類の能力で構成され、その3つの総合的な能力であることが定義されています。

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バランス能力を構成する3つの能力

〇姿勢反射 〇随意的姿勢回復反応 〇予測性姿勢調節

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今回は「姿勢反射」についてお書きいたします。


~姿勢反射~

姿勢反射とは、重力と体軸の関係で、身体の支持面に対して無意識に姿勢を変化させる反射のことを言います。

身体は位置感覚に関連する全身の知覚によって反射的に全身の筋が「適切に」緊張し、身体の位置や姿勢・運動における平衡を保つ能力が備わっているのです。

姿勢反射には聞き覚えのある「伸張反射」などがありますがそれだけではなく数多く存在します。


以下姿勢反射の主な種類です。(※①:受容器 ②:反射中枢)

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・伸張反射:筋を過度に引き伸ばすと筋が収縮して元の長さに戻す。(①筋紡錘 ②脊髄)

・陽性支持反応:足底に荷重が加わることによって体肢が伸展し、棒のように固くなる。(①足趾骨間筋紡錘、足底皮膚)

・屈筋反射:皮膚に痛覚(傷害)刺激が与えられると体肢全体が屈曲し、刺激から体肢を遠ざける。(①皮膚神経終末 ②脊髄、延髄)

・交叉性伸展反射:皮膚への障害刺激が強い場合、屈筋反射を起こしている体肢の対側肢が伸展する。(①腱器官 ②脊髄)

・持続性頚反射:対称性頚反射〈頭部後屈により上肢伸展・下肢屈曲、頭部前屈により上肢屈曲・下肢伸展〉、非対称性頚反射〈顔を向いた側の上下肢伸展・反対側(後頭部側)の上下肢屈曲、頭部側屈で倒れた側の上下肢伸展・反対側の屈曲〉(①頚筋筋紡錘 ②脊髄、延髄)

・持続性迷路反射:重力方向に対する頭部の傾き方によって体肢の筋の緊張度が変化する。(①迷路前庭器内の耳石 ②前庭神経核)

・腰反射:腰の右捻りや右側屈で右上肢・左下肢屈曲、左上肢・右下肢伸展。左捻りや左側屈で左上肢・右下肢屈曲、右上肢・左下肢伸展。

・立ち直り反射:正向反射ともいい、除皮質動物(大脳皮質を除去した動物)の姿勢を正常位でない状態に置くと正しい位置へ戻そうとする。頭部立ち直り反射などいくつかの種類がある。(①視覚器、迷路、頚筋筋紡錘、体側皮膚 ②中脳)

・バビンスキー反射:足底擦過による母趾背屈。(①足底皮膚)

・踏みなおり反射:足を段差などの端に接触させると、足をしっかり段差を乗せて立とうとする。(①皮膚、筋紡錘 ②大脳皮質運動野)

・跳びなおり反射:片足を段差の上で立ち、身体を前方水平に移動させると段差に乗せた足で跳びながら正しい位置を保とうとする。(①筋紡錘 ②大脳皮質運動野)

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以上が主な姿勢反射の種類です。

これらの反射が互いに助け合いながら働き、無意識のうちに姿勢を安定させています。

この反射を養うためには固有感覚器の活性化を行うことが大切。

頸椎の位置や可動域を確保し、各骨格筋をアイソレートすることで固有感覚器が活性化されるので

通常のトレーニングに入る前に頸椎のポジショニングを整えてあげるとその後のトレーニングで各骨格筋の意識が向きやすくなり、固有感覚器の活性化も促せると思います。

※参考文書:姿勢の脳・神経科学より

助川

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