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調香師マンガ〜グラースへの道〜第三部 前編

物語は終盤へ。第三部は究極の香水編(@グラース)前編です。

前回はこちらhttps://note.com/sujata/n/n95f81a835d27



先に言っておきますが、第三部は要約できなかったので長いです。存在しないマンガなのに要約できないとはこれ如何に?

さて、世界最大の香水会社ラーゲン社の会長で、伝説の調香師でもある「帝王」と呼ばれる男からの直々の要請を受け、グラースを訪れた主人公の薫。

グラースは香水の街と呼ばれており、自然環境の豊かさから、様々な高級香料の原料となる植物が育てられています。特にラベンダーが有名です。久しぶりに見る自然豊かな風景に、自分の育った田舎を思い出し、薫は珍しく感傷的になります。

さて。ラーゲン社の会長宅兼研究所は、そんな田舎街に突如として現れる貴族の屋敷のような立派な建物でした。そんな中、彼は「帝王」と対面します。「帝王」は非常に威圧的な男でした。目が悪いのか薄いサングラスをしているので、表情もわかりません。気圧される主人公に「帝王」が命じたのは、名香「永遠の愛」を再現すること。

「永遠の愛」は、「帝王」が調香師として絶頂期と言われた時代に作った香水であった。その後、程なくして経営方面に移ったのでこれ以上の香水は作れていない。既に処方は失われた上、病いで嗅覚をほぼ失った。お前は天才的な嗅覚を持っていると聞いた。何としても再現させるのだ、と。

なぜ自分に?と困惑する薫ですが、ミッションを忠実にやり遂げようと心に誓います。

薫は、屋敷と調香室と領地(自社農園)にあるものは好きに使って良いと言われ、香水の再現に臨みます。これは、楽しい日々でした。「永遠の愛」はラベンダーが特徴的なフローラル香水。直営農園の香料をがっつり使う必要があるので、調香室に閉じこもるだけではなく農園で走り回ったり香料職人と仲良くなって香料工場に入り浸ったりと、伸び伸びと過ごします。

そんな中、薫は、自分の母親が「帝王」の愛人であったという噂を耳にします。関係が本妻にバレて屋敷を追い出された、と。
ラーゲンの屋敷で帝王から直接間接に教えを受けるうちに、その香水に対する膨大な知識と愛に圧倒され、反発しつつもいつしか尊敬するようになっていた主人公は混乱します。ひょっとして自分は「帝王」の隠し子なのか?母親は弄ばれたのか?「帝王」は自分のことを試しているのか?「永遠の愛」とは「帝王」と母親の愛のことなのか?と。

肝心の香水作りの方も暗礁に乗りあげます。
ほとんど再現できた筈なのですが、肝心の何かが足りません。

そんな中、何かヒントになるかもしれないと、当時の別の香水の調香ノートを探っていた薫は、ある驚愕の事実に気がつきます。

中編に続く。

※次回は土曜日に更新します

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