企業再生メモランダム・第36回 デール・カーネギーの原則
「企業再生メモランダム」では、私が、20代の時に、複数の会社の企業再生に従事する過程で作成したメモを題材として、様々なテーマについて記載していきます。
メモの27枚目は8年前に作成した「デール・カーネギーの原則」と題したメモです。
自己啓発の大家であるデール・カーネギーの転載です。
メモの背景
社内政治というと、「沈まぬ太陽」や「不毛地帯」などの著作で知られる山崎豊子の世界観と考える方がいるかもしれません。
ただ、私もいろいろな社内政治を見てきていますが、あそこまで陰鬱とした感じではないように思います。
やはり会社の場合は、お客様がいて、日常業務があります。
会社は、あくまでビジネスの現場が主戦場で、そこにはそこで現場ならではのいろいろなストーリーがあり、どう切り取っても、社内政治だけにはならないからかもしれません。
また、社内政治は、一般的には、表向きはお互い「正論の戦い」ですので、心の中はさておき、会議室であっても罵詈雑言が飛び交うことはまずありません。
明るくカラッとしているとまでは言いませんが、毎日がどんよりとしているものでもないですし、陰鬱なものでもないように思います。
対象会社でも、私が企業再生に来たばかりのときは、当時の社長と経理部長は大きく対立していましたが、両者含めて飲み会に行った時なども、くだらない冗談なども言い合っていたように思います。とはいえ、どちらか一方がいなくなったら、相手の悪口をいうような状態ではありました。
企業再生の仕事をしていると、一般スタッフの方々が、うつ病になってしまったりトラブルを起こしてしまったりという事例をよく見ているように思います。
組織のトップがしっかりしていないと、どうしても「弱い人」や「優しい人」にしわ寄せが来てしまいます。
メモ「デール・カーネギーの原則」の中身
<人にもっと好かれる人間になる30の原則>
1.批判しない。非難しない。小言を言わない。
2.心からほめる。正直にほめる。
3.人を心からそうしたいという気持ちにさせる。
4.人に心から関心をもつ。
5.笑顔を忘れない。
6.名前はその人にとって、他の何よりも心地よく聞こえる言葉であることを忘れない。
7.よい聴き手になる。人に自分についての話をさせる。
8.相手が興味をもっていることを話題にする。
9.相手に自分は重要な人間だと感じさせる。心からそうつとめる。
10.議論に勝ちたければ、議論しないことだ。
11.人の意見に敬意をしめす。「あなたはまちがっている」と決して言わない。
12.自分が間違っていたら、直ちにはっきりと認める。
13.話は愛想よく切りだす。
14.即座にイエスと答える質問をする。
15.心ゆくまで話をさせる。
16.これは人から押し付けられたのではなく、自分の考えだと思わせる。
17.相手の立場でものを見ることに真剣につとめる。
18.考えと欲求に共感する。
19.高いこころざしに訴える。
20.アイディアをドラマティックに演出する。
21.チャレンジ精神に訴える。
22.まずほめる。正直にほめる。話はそれからである。
23.ミスは直接指摘せず、間接的な方法で当人に気づかせる。
24.他人を批判するまえに、自分の失敗談を打ち明ける。
25.命令するかわりに質問する。
26.相手の顔をつぶさない。
27.進歩はどんなにわずかなものでも、そのつどほめる。「心からうなずき、惜しみない賛辞をおくる」ことを忘れない。
28.高い評価を与え、期待に応えさせる。
29.励まして、欠点は容易に直せるという気持ちにさせる。
30.こちらの提案に喜んで従える工夫をする。
<悩みを乗り越える基本的原則>
1.今日というこの一日だけを生きる。
2.困難に直面したら――
(1)起こりうる最悪の事態は何かを自問する。
(2)その最悪の事態を受け入れる覚悟をする。
(3)その最悪の事態が少しでもよくなるような努力をする。
3.悩むと、その高額のツケを健康で支払うことになるのを忘れてはならない。
<悩みを分析する基本的テクニック>
1.あらゆる事実を入手する。
2.すべての事実をはかりにかけてから決断する。
3.ひとたび決断したら、行動する。
4.つぎの質問を書き出しておき、それに答える。
(1)問題は何か?
(2)問題の原因は何か?
(3)どんな解決法が考えられるか?
(4)最良の解決策はどれか?
<悩み癖を寄せつけない6つの心得>
1.忙しく暮らす。
2.小さいことで大騒ぎしない。
3.めったに起きない事態を想像して取り越し苦労をしない。
4.避けられないこととは共存する。
5.それがどれだけ悩む価値のあることかを判断し、それ以上に悩まない。
6.済んだことにくよくよしない。
<心の姿勢を養い、安らぎと幸せを呼ぶ7箇条>
1.穏やかで、勇敢で、健全で、希望に満ちた考えで頭をいっぱいにしておく。
2.仕返しをしようとしない。
3.感謝されることを期待しない。
4.幸せの数を数える。苦労の数ではなく。
5.人の真似をしない。
6.失敗から学ぶようつとめる。
7.他人を幸福にする。
※ 本連載は事実を元にしたフィクションです。
株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。
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