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企業再生メモランダム・第41回 経営とは実行である

「企業再生メモランダム」では、私が、20代の時に、複数の会社の企業再生に従事する過程で作成したメモを題材として、様々なテーマについて記載していきます。

メモの31枚目は7年前に作成した「経営とは実行である」と題したメモです。

なお、これは元旦に、スタッフに向けて発表したメモです。

メモの背景

私は、大学を卒業して新卒で入社した上場会社では、入社から数年で、社長室長に就いていたこともあって、上場会社の株主らに耐え得るレベルの経営戦略を作ることについては、そこそこ自信がありました。

しかし、戦略の立案をすればするほど思うことあります。それは、経営は実行が全てであるということです。

どんなに論理的で正しい経営戦略を立案したとしても、実行されなければしょうがないわけです。逆説的ですが、実行される経営戦略が良い戦略と言うこともできます。

経営企画室や経営コンサルティング会社の人からすると悔しいことだと思いますが、いわゆる「営業会社」と言われるシンプルに営業が強い会社のほうが、ビジネスモデルを小難しい言葉で語っている会社よりも、大幅に利益を出しているような事例が沢山あります。

それでは、実行される経営戦略とは、どのような経営戦略でしょうか?

私が思うに、それはケイパビリティ(企業が全体として持つ組織的な能力。あるいは、その企業が得意とする組織的な能力。)を活かせる戦略なのです。

分かりやすい例ですが、中長期的に考えて、日本は高齢者が増えて人口減になることが見込まれているため、海外に出てビジネスしましょうということは、ロジカルには正しいことかと思います。

しかし、もしこの戦略の立案先が中小企業であったならば、一般的には、英語・中国語など外国語を使えるスタッフがいないわけです。それでは、この戦略は実行されない戦略になってしまいます。

ケイパビリティを考えた上で「ハマる戦略」を提示することが求めらます。

そして、赤字会社の多くは、このケイパビリティが極端に弱くなっているわけです。

となると、素晴らしい戦略を練ることも大事なことではありますが、もっと大事なことは、どうすればこのケイパビリティを強くできるのか、企業としてのケイパビリティを獲得できるのかがポイントです。

対象企業の経営改革では、ケイパビリティの獲得が進まないことには、経営戦略の実行に辿り着かず、ニッチもサッチもいかない状態が続いていました。

メモ「経営とは実行である」の中身

1.今年こそ実行しよう!

よく経営とは実行であると言われます。スタッフの皆さんも、売上を増やすため、経費を減らすため・・・など会社のために実行したほうがいいことや、実行しなければならないことを把握し理解していても、「いろいろあって」、実行できていないことがあると思います。

今年はリーダーシップ、つまり主体的に、お客様のために、会社のために、みんなのために、社会のために・・・という強い意志・使命感を持って、ぜひとも実行して欲しいと思います。

2.なぜ、「いろいろあって」、実行されないのか?

具体的に「いろいろあって」とは何でしょうか?以下が代表例になります。
(1)そもそも計画が立案されていない。
(2)計画を立案しただけで満足してしまう。
(3)計画が立案されているにも関わらず、中長期的な視点で考えると優先順位が低い日常業務を優先させてしまっている。
(4)個人の弱さ(メンドクサイ、関係各位の調整が大変・・・など)
(5)外部環境の問題(タイミング、天候不順、資金不足・・・など)

3.マネジメントサイクル

実行するためには、「いろいろあって」を乗り越えなければなりません。どれだけ優れた計画であっても、実行されなければ意味がありません。この実行こそが経営なのです。

計画(Plan)し、実行(Do)すれば、結果が出ます。結果が出れば、それを分析(Check)して、再度修正(Action)して、より精緻な計画を立案することができます。

これをマネジメントサイクル(PDCAサイクル)と言います。

PDCAサイクルは、この計画(Plan)→ 実行(Do)→ 分析(Check)→ 修正(Action)→ 計画(Plan2) →というサイクルを短期間にどれだけできるかがポイントです。

数多くチャレンジし実行すればするほど、精緻な情報やノウハウを蓄積でき、いつか結果がついてきます。もし結果が悪ければ、辞めるという意思決定もできるはずです。

お客様の気持ちを掴む商品・サービスは1回のチャレンジではできません。ぜひとも積極的に実行していって、その中で結果を掴み取ってもらいたいと思います。

4.実行すべき計画

今までも、私から会社を良くするための様々な計画(Plan)を提示させてもらっています。計画(Plan)に対して、未実行なことについては、ぜひとも今年こそは実行するようにしてもらいたいと思います。



本連載は事実を元にしたフィクションです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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株式会社スーツ代表取締役。プロ経営者。内閣官房地域活性化伝道師・総務省地域力創造アドバイザー、国土交通省PPPサポーターです。経営の仕事が大好きで、リーダーシップとインテリジェンスに興味があります。 https://note.com/suits_ceo

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「企業再生メモランダム」では、赤字会社の企業再生を通じて作成されてきた約5年間のメモを通じて、企業再生の現場(リアル)、人の弱さ、人と組織が変わることの難しさ、そして、「マネージャー」から「リーダー」へと成長する一人のターンアラウンドマネージャーの姿を描いています。 メモを作成した順に時系列で並べていくことで、読者の皆様からも、若きターンアラウンドマネージャーの視野の広がり・視座の高まりを知ることができる構成としています。 ※ 本連載は事実を元にしたフィクションです。

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