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リーダーシップ往復書簡 028

我が家にも第2子が生まれ、今週から新生児との生活がはじまりました。

相変わらず私は仕事ばかりで、育児のほとんどは妻に任せっきりになってしまっていますが、私なりに、親として、この子にちゃんと愛情を注いで、しっかりと育てなければと責任を感じています。

私は、リーダーシップを語る際に「Lead with love」という言葉を紹介しています。

リーダーは、世のため人のため、組織のため、そして、フォロワー自身のために、フォロワーに対して、正しいこと・厳しいことを言って、フォロワーを導いていかねばなりません。

但し、そのとき、そこに愛情がなければなりませんし、もしそこに愛情がなければ中長期的には決して上手くいかないでしょう。

リーダーから正しいことを求められた際に、そこに愛情があれば、リーダーに導かれて、フォロワーの多くは、少なくとも正しいことを実現できるように努力をすると思います。

フォロワーは、このリーダーの愛情に非常に敏感に反応します。フォロワーの多くは、リーダーと違って、目標が達成されることのみを望むのではなく、多くの場合は、フォロワーである自分がリーダーからの愛情を受けて、帰属意識や自己肯定感とともに、目標が達成されることを望んでいるからです。

誰かを愛するには膨大なエネルギーが必要です。

特に日々忙しく流れていく日常生活において、リーダーが、一人ひとりのフォロワーのことを真剣に考えて、愛情をもって接することは、大変難しいことです。

ただ、人生一度きりですので、フォロワーとの縁を大事にして、リーダーを目指す多くの人々には、愛とともに導く、愛をもって導くというリーダーシップの「あり方」を身に着けてもらいたいと思います。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

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【Q.28】
危機を前にリーダーが変節してしまうことに憤りを感じています。
どのようにすれば、この変節を止めることができるでしょうか?


<コメント>

現在の新型コロナウイルス感染症問題をきっかけとして、多くのリーダーは、フォロワーから、「人間としての器」がどの程度のものか見定められているのではないかと思います。

一部の政治家や経営者などには、自身がリーダーシップを発揮した結果ではなく、組織のトップの地位にあるような方がいます。

特にそのような人たちは、今回のような苦境に際し、”焼け火ばし”を持つことができず、すぐに背負っていた荷物・職責を放り出す人がいます。

「リーダーシップ往復書簡 020」でもご紹介しましたが、リーマン・ショックの際に、日本電産の永守社長は、それまでリストラをしないと宣言をしていたため、この言葉を大事にし、リストラをせずに、全員の給与を下げるという選択をしましたが、これには多くの人が尊敬の念を覚えたものです。

平時に賢い人であっても、苦境や修羅場は、人の判断を誤らせます。

追い込まれた状況にあっても、合理的な意思決定が冷静できるか、そして、倫理的に人として正しいことができるか。リーダーの真価が問われます。

今回のご質問への答えですが、ご質問者の方が、それこそリーダーシップを発揮して、リーダーの荷物を持ってあげるしかないのではないでしょうか。

シンプルな話です。

そのリーダーは、平時においては良い意思決定をしていたものと思います。
しかし、環境が悪化し、危機が訪れたがために、変節してしまった。

では、環境を良くして、危機を脱することができれば、元通りになるはずです。

危機を脱するまでいかないにしても、リーダーが抱えている重荷を取り除いてあげることが、現実的な解決策だと思います。

そのため、どのようにすれば、具体的にリーダーをサポートすることができるのかを、ぜひとも考えてみてもらえればと思います。



※この記事は、2020年4月30日付Facebook投稿を転載したものです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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