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企業再生メモランダム・第16回 勉強会について

「企業再生メモランダム」では、私が、20代の時に、様々な企業再生に従事する過程で作成したメモの紹介をしてまいります。

11枚目は9年前に作成した「勉強会について」と題したメモです。

メモの背景

新社長の方針が「何もしない。」だったことは、前回述べたとおりです。

私の拙い過去の経験でも、社長になった途端、会社がやるべきことではなく、自分がやりたいことをやりたいと暴走してしまう人は数多く見てきたように思いますが、「何もしない。」は初めてだったように思います。

大小の違いはありますが、例えるならば、内閣総理大臣が所信表明で「何もしない。」と言ったら、全国民が驚くのと同じです。対象会社でも、新社長が、スタッフ全員を集めた全体会議で、この所信表明を発表して、まさに驚天動地の展開です。

旗振りをしない経営者では、経営者がいないのと変わりません。いや、会社全体としては、その何もしない経営者に対して、高いコスト負担をしているのですから、むしろマイナスかもしれません。

経営者とはリーダーです。そして、リーダーとは、暗闇の中、集団の先頭で、たいまつを持って、フォロワーを率いて進む存在です。

暗闇の中を進めば、たまには失敗することもあるでしょう。それでも、フォロワーのため、世のため人のために、夢や希望を掲げて試行錯誤して努力するしているリーダーを、人々は求めるのです。

「普通の会社」の「普通のサラリーマン」の集団であれば、このような人が社長に就くこともなければ、支持されることもないでしょうが、当時の私の理解では、昔ながらの何もしたくない対象会社の一般スタッフには、歓迎すべき経営者だったのではないかと捉えていました。

しかし、対象会社の企業再生が始まってから、1年以上が経過し始めていました。

この段階では、一部のスタッフたちは、本来あるべき姿、「普通の会社」に向かった努力をし始めていたのです。この小さな種火を大事にしなければならないと、会社を経営危機から脱したい・正常化させたいと願う多くの人は思っていました。

このような状況下で、中堅スタッフが、私に言ったことがあります。

「自分は仕事に対して一生懸命やる気があるのだけれど、マネジメント・スキルが不足しているから、いろいろと実現できないのだと思う。マネジメント・スキルを教えて欲しい。」

当時の若い私は、小躍りして、社員のやる気が出てきたことを嬉しく思い、すぐに勉強会の準備に取り掛かりました。

しかし、勉強会自体に価値がないことではありませんでしたが、結論から言うと、そうは簡単に問題解決はできなかったのです。このあたりについては今後、記載をしていきたいと思います。

メモ「勉強会について」の中身

<前  提>

1.マネジメント・スキルとは?

マネジメント・スキルとは、会社の事業活動を通じて得られる利益を増大させ、企業価値を向上させるためのテクニックです。逆を言えば、会社を潰さないためのテクニックです。

2.マネジメント・スキルが必要な人は?

マネジメント・スキルは、決して経営者や管理職だけが必要なわけではありません。会社は組織が一丸となって取り組むからこそ大きな力を発揮します。そのため会社運営にあたり、指揮命令を下す経営者や管理職の考え方を学ぶことは、一般スタッフにとっても重要なことです。

ぜひとも一般スタッフには若いうちにマネジメント・スキルを身につけてもらって、その後、管理職や経営者として実務経験を積んで研鑽してもらいたいと思います。

3.「現場スキル」とマネジメント・スキルの断絶

現場で身につけた「現場スキル」とマネジメント・スキルには断絶があると言われています。これは優秀な成績を残したプロ野球選手が監督になったからといって、必ずしも優秀な成績を残すことができるかは分からないことと同じです。

なぜなら「現場スキル」は、マネジメント・スキルの一部でしかないからです。もちろん「現場スキル」を身につけていたほうが、よりマネジメント・スキルを活用できるでしょう。現場に対する理解が全くないのでは経営はできません。しかしながら、「現場スキル」や現場のロジックだけでも会社をよくできないのです。

将来、一般スタッフが経営者や管理職になるにあたって、「現場スキル」の延長線上にマネジメント・スキルがあるわけではないことを認識しなければなりません。

<勉強会の概要>

1.目  的

マネジメント・スキルを学ぶことを目的として勉強会を開催します。経営者や管理職の心構えやマインドについてもお話します。

2.対  象

全スタッフ(有志スタッフ、経営に興味あるスタッフ)
気軽な気持ちで「マネジメント・スキルとは何か?」を垣間見てください。どの部署の人であっても参加していただいて構いません。

3.カリキュラム

第1回 経営とは?
第2回 会計とは?
第3回 経営戦略
第4回 組織と戦略
第5回 マーケティング
第6回 オペレーション
第7回 ロジカル・シンキング
第8回 ケーススタディ
第9回 まとめ



本連載は事実を元にしたフィクションです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介

 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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株式会社スーツ代表取締役。プロ経営者です。内閣官房地域活性化伝道師・総務省地域力創造アドバイザー、国土交通省PPPサポーターです。経営の仕事が大好きで、リーダーシップとインテリジェンスに興味があります。

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  • 65本

株式会社スーツの代表取締役である小松が、20代の時に、様々な企業再生に従事する過程で作成したメモの紹介です(一部、秘密保持の観点から、開示しない場合や加筆・修正あり)。 あえてメモを作成した順に時系列で並べていくことで、読者の皆様からも、当時の私の視野の広がり・視座の高まりを知ることができる構成を目指します。※ 本連載は事実を元にしたフィクションです。

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