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リーダーシップ往復書簡 045

前回に引き続き、リーダーとして向き合わざるを得ない、正しさや倫理観について共に考えたいと思います。

今まで、いかにリーダーが正しさや倫理観を持っていなければならないかについて縷々書いてきましたので、本稿では、プラグマティックに、正しくないことや倫理観を逸脱していること、つまり「悪」についても記載をしたいと思います。

リーダーには、夢のため、フォロワーのために、正しくないことや倫理観を逸脱していることをせざるを得ないときがあります。

もちろん言わずもがなで、リーダーたるもの、本来は、どのような苦境に陥ったとしても、ダークサイドには堕ちてはならず、常に正しく、倫理観を持って行動しなければなりません。

しかし、時に、例えば「トロッコ問題」のような問題に直面することがあるのです(以前も記載をしましたが、そもそも、本当に正しさや倫理観が問われるような二者択一の問題かどうか、しっかりと確認する必要があります。)。

万が一、このような場面に出くわしたら、リーダーは、正しくないことや倫理観を逸脱していることをするという意思決定を一人ですべきだと思います。できることならば、意思決定だけでなく実行についても、リーダーだけで完結したいぐらいです。

「人は善なれど弱し」ですから、このような重い内容をフォロワーに背負わせては、リーダーではありません。

アメリカ大統領が平和を希求するコメントを出す一方で、日々、テロリストらに対する暗殺指示を出していることは、マスメディアで報道されて広く知られていることですが、このような二律背反がリーダーには必要な時があるのです。

リーダーは、日頃から正しさや倫理観について、明確な価値基準を持っている必要があります。先ほどのような時に、どういった意思決定と行動をすべきか、リーダーの真価が問われます。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

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【Q.45】
どのように善悪の問題と向き合っていますか?


<コメント>

私の場合は、「人は善なれど弱し」を自分に当てはめて、一度、深呼吸をして、冷静になって、シミュレーションをして意思決定をしています。

繰り返しになりますが、基本的には、リーダーは、正しいこと、倫理的なことしか行ってはいけません。

善悪の問題と向き合わなければならない時は、正しいことだけでは致命的・決定的になるリスクがあると考えている時です。それは、自信がなくなってしまっている時、不安を感じてしまっている時です。

このような時は決してパニックになってしまってはいけません。先ほど記載をしたとおり、浅知恵で、安易に「トロッコ問題」のように考えてしまっては火傷をすることになります。

まずは冷静になって、いつもと同じように、正しいこと、倫理的な行動だけで問題を解決できないかを考えます。ここでありとあらゆる可能性を考えます。

次に、どうしても正論だけでは乗り越えない問題だと確信した場合、ゲームから降りるか、もしゲーム降りられないとしたら、どこまでの悪事が必要か、悪事がバレた場合のサンクションは何があるかなど、様々シミュレーションします。

私は、幸いにして、酷く追い込まれる局面に出会ってきておりませんので、今まで正しいことだけで生きてこられていますが、それでも頭の中のシミュレーションでは悪いことを沢山してきたように思います。

このような話を書くたびに思うのは、出来る限りの可能性を考えて、善悪の問題を問われるような局面に追い込まれないような備えだけは日頃からすべきだと思います。



※この記事は、2020年8月15日付Facebook投稿を転載したものです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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