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リーダーシップ往復書簡 009

成人発達理論を勉強すると、発達段階が高度になることが、必ずしも幸せなことではないとあります。そして、その理由は、発達段階が高度になればなるほど、突きつけられる課題がより過酷なものになるからとあります。

確かに発達段階が高度になればなるほど、突きつけられる課題がより過酷なものになるということは、そのとおりだと思います。

改めて自分を振り返ると、どうにかこうにか今の発達段階にたどり着いたものの、若い頃から、企業再生が仕事だったためか会社の資金繰りに追われてばかりでしたし、不当な株式の買占めにあって上場会社の代表取締役社長を解任されるなどもありました。

この辛い経験と引き換えに得られた認識の枠組みの変化によって、人の器の大きさや人間性が深まっていくことは、体験した人にしか分からない、素晴らしいことだと思います。

この素晴らしさは、分かりやすく例えるならば、世界の景色が色鮮やかに変わるような体験と表現してもいいかもしれません。

ほんの少しかもしれませんが、私はこのことを知ってしまったので、もしかすると人間力の獲得の過程は、過酷で極めて辛いものかもしれませんが、皆さんにも、より高い発達段階を目指してもらいたいと考えています。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

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【Q.9】
リーダーのスキルとして、マネジメントとリーダーシップの最適なバランスについて教えてください。


<コメント>

本稿では、リーダーシップに絞って説明をすることが多いですが、ご質問いただいたように、リーダーのスキルとして、マネジメントとリーダーシップは両輪のように語られることが多いです。

マネジメントとは、「水平的な成長」で得られる知識やスキルのことであり、会社経営の世界では、マーケティング、アカウンティングやオペレーションなどMBAで習得できる知識です。

一方、リーダーシップとは、「垂直的な成長」で得られる、認識の枠組みの変化によって、人の器の大きさや人間性が深まっていくことであり、夢や共感の力で「人を動かす」影響力など人間力のことです。

より正確に説明すると、マネジメントとリーダーは並列的な関係ではなく、リーダーシップは、マネジメントを内包していると思います。

なぜならリーダーシップを行使して「人を動かす」時に、実現可能性は「人を動かす」一つの大きな要因であり、その実現可能性を高めるスキルこそがマネジメントだと思うからです。

今回のご質問は、このマネジメントとリーダーシップの最適なバランスということですが、私は、時と場合によって、また、そのリーダーの持つマネジメントとリーダーシップのスキルの高さ・深さによって、最適なバランスは変わると考えています。

リーダーたるものリーダーシップだけで勝負したいところではありますが、やはり実現可能性をマネジメント・スキルを駆使して高くするのも、より多くのフォロワーを導いてくためには、必要なことだと思います。

リーダーのかじ取りが難しいのは、前提条件が全く違うからだと思います。最適なバランスは、現実的には、リーダーとしての経験を積みながら、感覚として掴んでいくしかないのではないかと思います。



※この記事は、2019年9月18日付Facebook投稿を転載したものです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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