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【スーツケース図鑑】優しいあの子の名前は「TORERU」

どうも、三度の飯よりスーツケース、スーツケースの伝道師さとです。スーツケース、トラベルグッズのバイヤーの私が今日も大好きなスーツケースをレビューしていきます!

今回は注目の若手を解説します!とっても優しいスーツケースの登場です。
スーツケースは優しくても、私の解説が優しいかどうかはわかりませんよ!

環境、ユーザー、そしてスーツケース自身に優しいスーツケース「TIERRAL TORERU(ティエラル トレル)」とは

TIERRAL(ティエラル)は伊藤忠リーテイルリンク株式会社が展開する環境配慮型スーツケースブランドです。スーツケースブランドとしてはかなりの後発で、今回解説するトレルもコロナ禍でのデビューとなりますが、伊藤忠リーテルリンクという会社は「サムソナイト」「アメリカンツーリスター」「リカルド・ビバリーヒルズ」など多くのスーツケースブランドの代理店をしており、スーツケースに対する見識のある会社なのです。なので、その経験を活かして自社でもオリジナルスーツケースを開発してきたということですね。

TIERRAL(ティエラル)に込められたメッセージ

Tierraはスペイン語で地球という意味があり、英語の「~という性質」という意味を持つalが組み合わされたブランド名になっています。つまりTIERRALは「地球の性質=本来の地球」という意味が込められています。

ブランド担当者に話を聞いたところ、「環境保護の大切さはわかっているけれど、何から始めれば良いのか分からない、なんだか難しそうという人に対して『環境に配慮した素材と工場で作られた商品を買って、使う。』ことから始めてほしい。いつもの暮らしの中ですぐにはじめられるエコ活動をお届けしたい。」と語られていました。

『環境に配慮した素材と工場で作られた商品を買って、使う。』

さぁ、これは一体どういうことなのか。もう少し深堀りしていきましょう。

環境に優しい!ボディの主素材にリサイクルPET使用

「PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)」という燃やしても有毒ガスが発生しないリサイクル素材を外装に使用しています。こうした環境配慮型のモノ作りをする際は工場選びが非常に重要になってくるのですが、トレルの工場はGRS(グローバル・リサイクルド・スタンダード)認証※を取得しています。PET樹脂はスーツケースの素材をして使用されることの多いポリカーボネイトと比較すると耐熱性が弱く、耐衝撃性を担保することも難しいのですが、トレルは特殊技術により強度の高いPET樹脂を実現しているとのこと。(すいません、強度の点に関しては裏付けデータが開示されていないので、あくまでメーカー評価ということで…)

※GRS(グローバル・リサイクルド・スタンダード)認証とは:
2008年に策定された国際的な製品基準。製品が保有すると主張するリサイクル成分の保有量が正しいものか検証(トレーサビリティ)、原材料から最終製品段階までを追跡、検証を行う。企業の履歴管理、保管状況の申請審査だけでなく、労働環境や排水、エネルギー使用状況など管理運営状況の訪問審査、化学物質の適切な管理状況も審査のうえ認定される。

GRS認証

ユーザーとスーツケースに優しい!着脱が簡単なキャスター

私がいつも言うことですがスーツケースのキャスターは消耗品です。使用すればするほどすり減ってくるもの。これはモノを運ぶことの宿命です。
一般的にスーツケースのキャスターは自分自身では取り外せないようになっています。キャスターが簡単に交換できるようにネジ止めにしてしまうと走行中に振動で緩んできてしまいますし、装着が甘いと走行性も低下してしまいます。メーカーとしては安易に交換できる仕様にはしにくいのです。

とはいえ、キャスターが破損したらメーカー修理に出さずに自分で交換したいし、別の問題で汚れたキャスターを家の中に持ち込みたくないというのもユーザー側の心理です。

その両者の問題を解決するのがトレルのキャスターです。レバーひとつで簡単に取り外せます!

実際に試してみましたが、本当に簡単。直感的に取り外しが出来ます!交換可能なキャスターというのは業界的に全くないわけではないのですが、ここまで簡単なのは見当たりませんね。かつて存在したACTUSというブランドのデタッチャブルキャスターに近いですが、あれは機構が重かったという問題がありました。トレルはその点もクリアしています。

交換キャスターは2個セットで税込1,980円(2023年3月現在)

この交換キャスター、本体側に差し込む構造になっているのも有難いんです。同じくキャスター交換可能な他社スーツケースだと本体側から突起が出る構造のものが販売されています。トレルは本体側の底面がフラットになるので、自宅でキャスターを外して置くときに安定して置きやすいです。

それから、キャスターは押し入れなど湿気の多い場所で長期保管していると、使わずとも加水分解といって劣化してしまうことがあります。トレルのようにキャスターを外して風通しの良い場所で保管すれば劣化もしにくくなります。つまり、スーツケースにとっても大変優しいんですね!

ちなみに2023年3月に新色ブルーとグリーンが追加されました。新色はキャスターの色合わせもしっかりされていてキレイですね。ただし、交換キャスターは黒になるのでご注意を!

その他の機能&辛口評価

①荷物が増えても安心。拡張ファスナー
通常使用時は機内持ち込みサイズ、2~3泊用で約36L。中央の拡張ファスナーを広げると約5L増えて41Lになります。機内持ち込みは出来なくなりますが、帰りにお土産が増えたときなどに便利ですね。

通常使用時
拡張した状態

辛口評価とするとしたらこの拡張ファスナーの使い方。これを普通に採用するとファスナー部分が二重になるのでどうしてもデザインがぼてっと野暮ったくなってしまうんですよね…。そこで、見た目をスッキリさせるためにファスナーを一部裏使いに変えたりする工夫があるのですが、そういうことをしても良かったのではないかなぁと思うのです。

トレルの拡張ファスナーを上から見た状態

ファスナーを裏使いにするとこのようにスッキリした見た目になります。

ファスナーを裏使いしたバッグ

②荷物がサッと取り出しやすいフロントオープンポケット
もはや機内持ち込みサイズのスーツケースではマストの機能になりつつあるフロントオープンポケット。パソコンや書類、傘、ペットボトルなど移動中に取り出したくなる様々なものの出し入れが簡単になります。

…が、ここにも一つ辛口評価を。フロントオープンポケット式の場合、ここからメインルームへアクセスできるものが多いのですが、トレルはここが独立している仕様です。トレルに限らずこの仕様のケースは割とあるのですが、私は省スペースでパッキングするときに、フロントポケットと内装仕切りを全開にしてワンルームにすることがあるので、それが出来ないのが辛い…。

というわけで観音開きのパッキングをするため内装をチェック。片面仕切り幕、片面はクロスバンド。この辺は極めてオーソドックスですね。

2万円台後半のスーツケースであればもう一工夫欲しいところですが、トレルはなんと2万円を切る税込19,580円!!(2023年3月現在)これはコスパいい。原材料費や配送料の高騰が激しい中でこの価格を維持しているのは素晴らしい。色々と注文もしてしまいましたが、これはこれで一つの答えなのだと思いました。

とはいえ、個人的にはトレルのキャスター機能を使って人気機能全部載せのハイスペックモデルも見てみたい!(構造的にストッパーはキツイと思うけど…)

環境にもユーザーにも優しいトレル。期待の新人をこれからを応援していきましょう!


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