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ベッキーへの思い

ベッキー結婚のニュースを目にした瞬間。
私の心は説明のつかない未曾有の空模様となり、我が心ながら解釈ができなかった。

のだけど、この感情が胸から消えないうちにやはり意を決し解剖しなければとおもった。
鎖骨とへそのちょうど間付近、胸のその奥の奥の奥にたしかに存在する、疼く虫歯の痛み、ガムシロの過剰な甘味、セーターの糸がするすると抜けていく悪寒、そして祖母の家のひだまりで感じるような永久的幸福感。それらが息を潜めて爆発しあってる私の心中。正体は、一体。

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あの紅白の映像は、リアルタイムで正座で見た。
「私以外私じゃないの」と、叫ぶような撫でるような声は高く私の脊髄をうえからつまんでしまい、硬直したまま、涙をたらたらと流し続けた。うれしかった。えのぴょんが嬉しくて、嬉しかった。

その直後年明け、ワイドショーに写る情報を小さく叫びながら見た。
純粋にびっくりしたが、なんだか、暖かい気持ちもあった。えのぴょんが、ものすごくものすごくものすごい恋をしたんだなという事実になんだか安心し、そしてそれが無残に引き裂かれ傷つけられ石を投げられる様子は苦しかった。ただ恋をしただけなのに。傷つけたのは配偶者とその家族だけなのに。彼らの恋まるごとに、関係ない人たちからあらゆる武器が投げられ続けてた。純粋に、えのぴょんとベッキー、大丈夫かな、大丈夫なわけないよね、と心配に思った。とくにベッキーは大丈夫なのかと心配して涙が出る深夜もあった。それまで特別ベッキーの事を認識した事がなかったけど、えのぴょんにとって大事で愛すべき人のことを、勝手に心底応援しはじめている自分がいた。

そんななか5月25日0:00。
えのぴょんの所属する本命バンドとも呼べるindigo la endの新アルバムから衝撃的な1曲が先行配信される。「藍色好きさ」である。

のちにえのぴょん自身が、まさに離れ離れになった渦中の時期に、ベッキーに捧げレコーディング中歌詞を書き換えたと明かす本曲。この曲をはじめてきいたとき、私は運転する車内で、うそみたいにおもうほど涙で視界が歪ませてしまい車を止めた。以下、一度曲を聞いてからここに帰ってきてください
【 https://www.youtube.com/watch?v=6kKAsZG3J1U 】

この歌で彼は。
「君が好きだってこと以外は、この際どうだっていい」
「君が好きだってこと以外は、もう考えないことにしよう」
と繰り返し
「君が好きさ」
「君が好きさ」
と畳みかけ、そしてこう続ける。
「藍色になって迎えに行くよ」と。

歴史的恋愛は多数存在する。だけどこの恋愛は、人類の体感したそのどんなものより神々しく感じられた。そんな恋愛のなかにあったふたりと同じ時代に生きられたことに感動さえした。わたしはどうか、何十年先になっても、この先ふたりがそれぞれどんな恋愛をしても、なにがあってもどうかどうかどうかどうかこの曲を頼りに、いつか、どこかでえのぴょんが彼女をこの歌詞通りに迎えに行ってくれることを、祈っていた。託していた。わたしにはとうていできない、いや人類のほとんどがたどり着けない、こんな強く結び合ったふたりが、どうか、この恋でこそ、幸せになってほしいと、勝手に願ってしまっていた。「藍色好きさ」が地球上で叶って欲しかった。宇宙エレベーターが無事完成してほしいみたいな壮大な夢のように。

ベッキーは復帰して数年経った今でもインスタでいつまでもいつまでも「こんな私なんかのために」と謙遜しすぎ続け、「がんばります」と意気込みを重ね続け、「ありがとうございます」と感謝を述べ続け、時には1度の投稿に「今日はいい日」と3回書くほどの前向きさで、いつもお辞儀をしすぎているような姿勢で、丁寧に丁寧に日々を綴っていた。そんな、必死に世間にお返しをしていくんだと励みすぎるべっきーが私は心配で、どっかで両手放しにふぁーっと力を抜けるような相手と、幸せになってほしいとこれも勝手に、願ってた。

だからベッキーの交際報道がはじめて出たときは、嬉しいと思えたし、今回もわああああすごい、よかった、よかったね、と思った。のだけど、ああだけど。あああああだけど。あの曲はもう叶わないかもしれないと、心にぽっかり空いた身勝手な穴に吹き抜ける新しい風の寂しさ。親離れできない親みたい。と、同時に、あの曲をふたたび流してみると、そこには、完全にきっと鮮度そのまま、その世界がそのまま蘇り、もうこれは音楽として永遠として昇華している。この世界は永久にここに存在し続ける、とも震えてしまった。結局気持ちはまとまってない。ただ言いたいのは今タイピングするわたしの頬に伝う涙の正体は、なんかよくわからないけどきっとたった今地球で過ごすベッキーが笑顔でうれしいということ。

えのぴょんの曲って、その世界に私がVRのように入り込んでしまうんですよ。
細かい説明はしすぎず、ぽんっと感覚的に投げられたような歌詞と曲なのに、いやだからこそ、私の脳がその曲の世界を、私の海馬に私の記憶として間違えて書き込んでしまうんですよ。そんな体験したことあります?ベッキーの幸せに泣けます?ということで、これからもわたしは、ゲスもインディゴも聞きまくりライブも行きまくりこれからはじまるソロプロジェクトも通い、もともとえのぴょんの大ファンであるベッキーとともに、彼の才能に一生蕩けつづけたい。そして感じたことのない想いに驚き、知らない記憶さえも頭に蓄え、みずみずしく世界を生きたい。ベッキー、これからもずっと、ベッキーが心底笑える瞬間が重なっていきますように。わたしは奇跡のような気持ちで、いま結局、登場人物全員への愛が、壊れた水道管のようにぶち溢れて止まらない。

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