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大殺界は踏み絵。

「占いなんて、信じたりしないで」
そう歌ったのは2000年の宇多田ヒカルだった。その歌詞は15歳のわたしの頭にこびりついていたが、はじめて聞いた日から5年後の20歳頃、細木数子ブームのまっただなかに、わたしはまさに、占いしか信じていなかった

たとえば、細木数子が「この日は昔の恋人に連絡すると復縁の可能性があがる」と書いた日に本当に連絡して撃沈し、「今月は移動に向いていない」と書かれた月の旅行をドタキャンしたりしていた。

なかでも3年続く「大殺界」という時期の存在感は大きく、その3年は「何をしても裏目にでるからできる限り動くな」ということで、ブームのなか細木数子自身も公から身を潜めた時期でもある。私にとっては大学1〜3年がまさにその大殺界で、立て続けに起こる揉め事や失恋やうまくいかないこと、すべてを「ああ、大殺界だからだ…」と認め、「できる限りおとなしく過ごそう…」と怯えていた。

「いい占いは信じて、悪い占いは一切信じない」と言った人もいた。その人は超有名人なリクルートの大先輩で、実際それがほんとに本心だろうなと思えるほどにいつも前向きで行動力抜群な人だった。だけどそれを聞いたときわたしは、「つよいなー」と憧れながら「ぜったいにぜったいにぜったいにわたしにはむり」と思ったのを強く覚えている。

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先日、とても仲のいい友人と久々に話した。
「占いで7.8月がよくない時期だから、9月まではゆっくりすごす」と言っている彼女を見て、わたしはどこか懐かしい気持ちになっていた。

わたしは2017年現在“たぶん”、まさに大殺界真っ只中だ。もしかすると去年か一昨年から。さらに言えば本厄。それどころか10年前の占い傾倒時、母に連れられた"当たる"占いで、最も悪い時期と言われていたのが今年なんだと思う。<2017=とにかく大人しくしていろ。>であることは間違いない。だけど現状、そんなもんは無視している。

これを読んで「厄や大殺界を馬鹿にするなんて!バカだ!おそろしい!あとで後悔する」と真剣に思う読者の人もいるかもしれない。

バカにはしてないが、わたしも昔ならそう思っただろう。でもいま、自分でも驚くくらい、そういう声や悪い占いをド無視できるようになっていた。宇多田ヒカルに言われてから15年経ってしまったが。

なぜ無視できるようになったか。
責任の持ち方を知ったからだ。

占いのせいに限らず、仕事でも私生活でも、予期せぬ失敗や悪い出来事は起こる。ただしそれは、振り返れば、ほとんどの場合が、ごく小さなミスやズルを見過ごした結果だ。超地味な話だが、逆に言えば、すべての仕事やコミュニケーションに、ミスやズルが起きないように、徹底的に準備さえすれば、運とか厄という不確かなものが入ってくる隙間がない。

普段からそうしておけば、悪いことが起きたとしても、決して自分以外のせいにしたりせず、自分が何のミスをしたせいなのかをまずしっかり考えることができる。そしてわたしはわたしのすること自体に結構責任感を持っているので、「厄年はあたらしいことしないほうがいいよ」と言ってくるその他人が何ひとつ責任も取ってくれないことも知っている。

運に任せず、自分に任せること。
それだけで、だいぶ、変わると思ってスクワットまいにち100回やってるんですけど体重だけでなく体脂肪も増え続けるのはさすがにただの不運ですよね?

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これは #30daysnoteチャレンジ の第7話。詳しくは1話をみてね!

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