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隣のトイレよ臭くあれ。#30daysnoteチャレンジ

(※これは #30daysnoteチャレンジ の第3話です。まず第1話の概要をみてきてね)


公共の女子トイレで、
美女の直後に入ったその個室が、すさまじく臭いと、安心する。

ただ。私は今日ここで、どんな美女の排泄物が臭いのかナイトスクープしたいわけではない。

どちらかというとわたしが探偵!したいのは、トイレで訪れたその安心について。これは西内まりやが月9で主演を務めたものの視聴率散々だったというネットニュースをみたときに私を包んでしまう安心と、ほぼ同じだ。

これはつまり「完璧に見える人が実は完璧ではないと知ったとき」の、安心感。ありふれた話だ。隣の芝が"ふつう"に見えるというだけで、ココロ超安心ガードされるという話。自分自身のどうしようもない弱点の数々だって、ありふれたことだと思いたいから、とっておきな他人の弱点をスクープすると、やけに安心するあの現象。「となしば(隣の芝が〜)」の真逆、新たな格言隣のトイレよ臭くあれです。

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この春から幼稚園に通う3歳息子が、今日はじめて家に友達をつれてきた。
子供の数は10人。

ここでささやかながら個人的に大きな発見があったのだった。

まず幼稚園の同級生たちは(とくに女の子は)かなり落ち着いて見える。授業参観でも、ふだんのお迎え時にすれ違ったときも、いつも皆きちんと挨拶をして、列を乱さず、ときに妹や弟の手を引き、穏やかな優しさをのぞかせている。

一方我が3歳息子は常に何かしらのライダーとして暴れているし毎日通園時泣いているし1歳次男を叩くし睨むし蹴るしおもちゃを奪う感じである。

そんななか今日の、大人びた女の子中心の大量我が家訪問。平日なのに幼稚園が休みということもあり、朝から夕方まで6時間ずっとうちで過ごした。



すると、そこでは、
いつも決して見ることのできない彼らの姿があったのだ。

ひとりはおもちゃを横から奪い、ひとりは他の女の子をハバにし、ひとりは弟を蹴り倒し、ひとりはテレビ画面を占拠し、ひとりは貸してと言われたおもちゃを永遠に独り占め。ひとりはママだっこーといい、ひとりはママこっちきてきてきてと言いひとりは帰りたくないと泣く。

開始1時間くらいでわたしは既に感動し始めていた。みんな、おなじじゃないか!と。

わたし自身は子育てに関して相当楽観的で、息子について虫歯くらいしか悩んでなかったが、同居している母がわたしの息子のいじわるさをよく口にしていた。気にしてないつもりが、わたしもどこかで気にしていたのだろう、とにかく、「ああ!みんな、ちゃんと、意地悪で、幼稚で、甘えて、いっしょなのか!」という驚きは、不覚にもわたしを震えるほど感動させた。

できれば世界中の芝にふつうでいてほしい。世界中の使用後トイレが臭くあってほしい。世界中の3〜4歳児に意地悪で幼くいてほしい。
だけど人には理性(背伸びごころ)があり、さらに昨今は<背伸び増強剤>ならぬSNSがあふれる。日常の消臭元ことインスタグラム。そうそう簡単にリアルな日常の個室など覗けない。だけどたまに、ごくたまに、「3日連続こどものごはん素麺ー」とかみると、安心する。そんなとき気づく。SNSはたのしいしSNS疲れなんてしたことないとおもってたけど、案外、背伸び補正に慣れきった自分は疲れていたのかもしれないと。

言葉も写真も背伸び補正なし、超リアルな事実しか載せられないSNSがあったら覗きたい。そこでわたしはリア充ならぬリアルが普通すぎるリア普代表になってもいい。159cm49キロだったのに2ヶ月で55キロになっていることを書いてもいいかもしれない。そんな、リア普しか利用できない、トイレの個室的なSNSがあってもいいのかもしれない。あ、それが、素で夫の愚痴をかいたりしている木下優樹菜の人気の理由なのか。(わたしの発見って、これだった?!)






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