2019 私と音楽

2020年も早いもので下旬に突入。
とは言え昨日深夜放送のCDTVランキングは依然紅白モードだし、今日放送の関ジャムも2019年ベストソング企画だし、未だいいよね。

という事で、2019年の私と音楽を振り返っていくヤツをやっていきたい。

・音源
サブスクは2015年のApple Music解禁当初から使っているが、ここにきて解禁アーティストが大爆発。
特に安室奈美恵、BUMP OF CHICKEN、星野源、Perfume、嵐、L'Arc~en~Ciel、サザンオールスターズ/桑田佳祐あたりはかなり嬉しい。キャリアが長く網羅的に全作品をチェックするのが困難なほど有難味はアップするものだ。

一方で未だにCDも手にはするのだが、その多くが限定生産や特典目当てである。サブスクで聴けて特典もないのに買うのは、よっぽどの"好き"が溢れない限りない。

レンタルに関しては機会が激減した。しかしこの状況でレンタル屋がいつまでもあるとは思えないので、今後もサブスクに入らないような古い作品はたまーにまとめて借りに行くようにしている。

アナログもたまに買うが、昨年はピチカート・ファイヴの7インチボックスが印象的だった。16枚組+早期予約特典1枚の計17枚で¥27,500。かなり勇気の要る値段だが、今作の為に小西さんがリエディットしているというし、まさかのメンバーサイン入りという事で思い切った。2019年にもなって、とっくに解散したはずのピチカートのサインが手に入る日が来るなんて、思ってもいなかった...!

ここからは、2019ベストソングトップ3を挙げたい。

3.Do you remember?/宮本浩次
ソロ活動をスタートした宮本、Ken Yokoyamaとのタッグで名曲誕生。それは力強く聴き手を奮い立たせるような、且つ自分に言い聞かせるような。でも妙なピュアさも漂っているのが素晴らしい。
現実の荒波に揉まれて心が折れそうになる人達に、"えぐられし心のその果てには 豊かな何かが溢れてるのに"とそっと寄り添い、Do you remember?="覚えてる?"と、あの頃の夢を思い出せとばかりに熱く背中を押す。
"ウワァー"とか"デェーイ"とか叫びたくなるような、あの瞬間の歌だ。
衝動性と確かな経験値がぶつかってできた曲。

2.黒い羊/欅坂46
1期生のみで作り上げた最後のシングルであり、第1期・欅坂46の1つの到達点となるような曲。
集団からの疎外感を歌った世界観は「エキセントリック」などにも共通するが、今回はやけに文字数が多くメッセージの熱さが違う。
主人公は"僕だけがいなくなればいい"と、周囲に溶け込む事を半ば諦めつつも、自分自身でいる事については決して諦めない。
本来、自分の「普通」が周りの「普通」と違ったとしても、それ自体は全く悪い事ではない。
しかし、自分らしさと周囲との協調を両立できない人間は、どこかで壁にぶつかる。それでも、白い羊なんて絶対なりたくない、黒い羊だと笑われたとしても悪目立ちする方を選ぶのだとある種の決意をもって曲は締め括られる。
この曲は「普通とは何か?」という疑問のその先で、それでも自分らしくある事を諦めずに生きていく強さが描かれているのではないか。

1.彗星/小沢健二
小沢が最も活躍していた1995年から2020年に至るまでの25年にも渡るドキュメンタリーを4分あまりのポップソングとして閉じ込めた、あまりにも濃密な1曲だ。
この期間は小沢がヒットを飛ばしていた90年代、日本のシーンから(ほぼ)姿を消していた00年代、日本での活動を再開させた10年代という3つのフェーズに分けられる。
冒頭ではそんな決して短くない期間を生き抜いてきたリスナーをまずは"全力疾走してきたよね"と労う。そして、心凍えそうな時期や嘘が覆った時期もあったけれども、時間がちょっとかかったとしても真実はだんだんと勝利するのだと高らかに歌い上げる。
2019年の日本では令和という新しい時代への希望が芽生える一方で、耳を疑い未来を本気で危惧するような信じられない出来事も度々起きていた。僕自身も、この国はもうダメなんじゃないかと思い始めていた。
しかし、あの世界中を旅してきた小沢健二が今、日本で日常の奇跡を歌っている。ここに意味を感じずにはいられない。
この曲については、また今度長めに書き記したい。


ちなみに今日は小沢健二が突如ツアーの開催を発表してから丸十年となる日だ。あれから10年経ち、オザケンが普通に新曲を出してライブをやる世界線、なんて奇跡なんだと!



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