Coro Ponteステージ 曲紹介

混声合唱とピアノのための
花に寄せて

 星野 富弘氏の詩画集『風の旅』からの抜粋による曲集。24歳にして四肢不随となった詩人が口に咥えた筆で描いた作品に、「生きる希望、生きる勇気を与えることこそ芸術の存在理由」(曲集まえがきより)と信じる作曲家の新実 徳英氏が共鳴し誕生した。
 詩画集のなかでは様々な場面、情景、心情が描かれるが、本曲集に取り上げられた作品のテーマは大きく分けて「人生観・回想」「花々の美しさ・生命力・躍動感」「母への思慕」に集約され、真っ直ぐに心を打つような、詩の核となる一節が各篇に散りばめられている。詩人が思いを込めた言葉の数々と、そこに寄り添うメロディーに何かを感じていただけるものがあれば幸いである。

Ⅰ.たんぽぽ
 綿毛が種というたった1つのものを携えて風に舞う姿から、 自分にとって必要なもの、人生において余分なものを想う。 人生の旅のためには捨てなければならないものがあるのかもしれない。

Ⅱ.ねこじゃらし
 無邪気であった幼少時代と手足の自由を失った現在との対比で描かれる。 軽快でありながら、ただ明るいだけではない、 もの悲しさや切なさも仄かに感じさせる。

Ⅲ.しおん
 「ほんとうの ことなら 多くの言葉は いらない」 この一節にすべてが凝縮されている。 語らずとも分かりあえることもまた愛なのだろう。

Ⅳ.つばき・やぶかんぞう・あさがお
 自分で動くことのできない木、風に揺れるしかない草、空へと伸びていく茎。 不自由な環境のなかでも精一杯生きる植物を見て自分もそうでありたいと願う。

Ⅴ.てっせん・どくだみ
 美しく好まれる花があれば、一方で嫌われる花もある。 嫌われながらも薬として重宝する花のように、 必要なときに必要な人のために存在できればいいのだと説く。

Ⅵ.みょうが
 貧しい暮らしの中で受けた母の愛情を懐かしむ。「食べすぎると物忘れが激しくなる」という言い伝えのある茗荷をきっかけに 次々と蘇る思い出を胸に抱えて終曲へと繋ぐ。

Ⅶ.ばら・きく・なずな ―母に捧ぐ―
 前曲に引き続き母をテーマとし、母の存在そのものを語る。 かつて自らを包んでくれた温かさを花々に重ね、 そして叶うことのない願いに思いを馳せて曲を閉じる。


Coro Ponteが、合唱で描く"絵"はどんなものでしょうか…当日お楽しみください✨

▶︎チケットはお近くの団員またはこちらから t.livepocket.jp/e/h5nda

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