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短歌

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#ゆるたんか

うたの日に出した短歌83

うたの日に出した短歌83

7/29 題「貝」
私たちほんとは対じゃないみたい 場に戻される蛤の殻

7/30 題「かき氷」
炎天下にガリガリ氷を削る音 目の覚めるような青いシロップ

7/31 題「うっかり」
知り合いに渡された趣味の合わぬ服 うっかり忘れたふりして帰る

8/1 題「画家」
真っ白なキャンバス前に削り出す赤青黄色の己の命

8/2 題「パンツ」
鬼のパンツはいいパンツ強いけど ツノが弱点そこを狙え

うたの日に出した短歌82

うたの日に出した短歌82

7/24 題「ギター」
Fコード結局マスターできなくて部屋のオブジェと化してるアコギ

7/25 題「ビール」
生ビール? 美味いわけないあんなん、と管巻いて飲むカルーアミルク

7/26 題「ルール」
何もかも自由じゃ逆に窮屈で 伸び伸びとやるためのマイルール

7/27 題「浮き輪」
「浮き輪ってコーヒーカップと同相で」こないだ聞いたてかミスド行こ

7/28 題「田」
実家から大量に来た夏野

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うたの日に出した短歌81

うたの日に出した短歌81

7/19 題「素麺/冷麦」
冷麦の方が好きなの、と言う君 両者の違いがわからない僕

7/20 題「夏休み」
宿題が終わらぬと泣く妹に出店の焼きそば買って帰る

7/21 題「海」
居酒屋で1年ぶりの海ぶどう 夏のノルマ1つ達成

7/22 題「汗」
リビングの大きな窓を開け放ち汗だくで食う辛いラーメン

7/23 題「スイカ」
息できないほどの熱気が包む街 画集の上に小玉スイカ

うたの日に出した短歌80

うたの日に出した短歌80

7/14 題「温」
思ったより麺すする音が短くてじんわり染みる白石温麺

7/15 題「暮」
いけるかな? 大丈夫かな? できるかな? 日暮みたいでちょっとうるさい

7/16 題「青」
短髪に青いシャツと黒いズボン ようやくわたしは私になれた

7/17 題「名」
あなたがよく言ってた私のあだ名 別の人で上書きしてる

7/18 題「暑」
今夏は沸騰するほどに暑くうちらはまるで枝豆気分

うたの日に出した短歌79

うたの日に出した短歌79

7/9 題「早」
店頭に並ぶ極早生みかんらが冬を無理やり引き寄せてくる

7/10 題「自由詠」
熱帯夜 僅かな涼を追い求めベッドの上を転げ回る

7/11 題「メダカ」
町からはメダカも子供もいなくなり老人ホームばかりが増えた

7/12 題「眩」
フレッシュな新入社員にあてられて眩しい顔で一日過ごす

7/13 題「溺」
生きたカニを醤油の海で溺れさせ味がしみるまで十分に待つ

うたの日に出した短歌78

うたの日に出した短歌78

7/4 題「陽」
陽炎が燃え盛る夏 現し世と隠り世が混ざり溶け合っている

7/5 題「給」
初任給で父に贈ったネクタイが神棚の上で埃を被る

7/6 題「南」
一日中ずっと明るい南極でいつまでも終わらない夏休み

7/7 題「星」
一等星みたく輝く君の瞳 視線の先に俺は居なくて

7/8 題「菜」
昼食に作ったサッポロ一番を鍋のまま菜箸のまま食う

うたの日に出した短歌77

うたの日に出した短歌77

6/29 題「坊主」
朝晩が涼しくなった頃増える微妙に伸びかけた坊主頭

6/30 題「半」
甘栗の渋皮上手くむけなくてまだ半分か、と一旦絶望

7/1 題「夏」
食パンにバターと甘夏マーマレード 今日も一日死ぬまで生きる

7/2 題「ナッツ」
ピーナッツチョコを一つ 口いっぱい広がる甘さと詰まる奥歯

7/3 題「相合傘」
折りたたみ傘の存在に目を瞑り君とひとつの傘さし帰る

うたの日に出した短歌76

うたの日に出した短歌76

6/24 題「膝」
スクワットする度パキパキと鳴る膝 チートデイには手羽元を食う

6/25 題「今」
今日はやけに寝覚めがいいし晴れてるし過ごしやすくて死にたくなるな

6/26 題「翼」
二の腕の肉が翼のようになり 空でも飛べなきゃ割に合わない

6/27 題「ハード/イージー」
ハードグミを舐めて溶かす 甘ったるいぶどうの香りで頭を満たす

6/28 題「唆」
じっとりと肌にまとわりつく湿気

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うたの日に出した短歌75

うたの日に出した短歌75

6/19 題「束」
毎夏の悩み 一体揖保乃糸は何束茹でれば満たされるのか

6/20 題「舞」
部屋にひとり 舞茸天をザクザクと噛む音だけが響いてる秋

6/21 題「疲」
疲れ果て錆び付いてしまった脳が絶えずぎいぎい軋んでる音

6/22 題「考」
思考する事をやめた人間が底なし沼の周りに生える

6/23 題「源」
嫌いな奴1人残らずくたばってくれと祈るのが元気の源

うたの日に出した短歌74

うたの日に出した短歌74

6/14 題「酒」
酒の力を借りたあのプロポーズ 事ある毎に蒸し返す妻

6/15 題「軟」
君が込めた愛の分だけ軟らかくとろとろになった中華粥

6/16 題「ウインク」
「ウインクもできるんだよ」と両の眼をぱちぱち自慢げに閉じる子

6/17 題「マラ」
ソシャゲを何度もリセマラするように気軽に人生やり直したい

6/18 題「喪」
よそ行きのドレスを断捨離してできた隙間に入るおニューの喪服

うたの日に出した短歌73

うたの日に出した短歌73

6/9 題「ロックな短歌」
遠足のおやつは300円まで コンポタうまい棒をギリまで買う

6/10 題「自由詠」
リノリウムがカツカツと鳴る うるさくてストレス溜まってるなと思う

6/11 題「蛙」
寝坊して適当な服で外に出る 今日の私はヤドクガエル

6/12 題「八」
8の字を描いて歩く あなたへと電話をかける勇気が欲しい

6/13 題「雨」
春の雨濡れて帰ろう 君とふたりコンビニで寒いね

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うたの日に出した短歌72

うたの日に出した短歌72

6/4 題「虫」
いつの間にか虫が触れなくなって寝ても疲れが取れなくなって

6/5 題「向」
一面の向日葵畑 ミステリーサークル作る親父のカンカン帽

6/6 題「「六」を三回詠み込んで」
6月6日の6時に産まれた子 可愛らしいね 天使みたいね

6/7 題「運」
誕生月占い 今日の運勢は結局あたしのメンタル次第

6/8 題「トンネル/隧道」
しまむらで買った黒T 砂場ではトンネル開通工事中

うたの日に出した短歌71

うたの日に出した短歌71

5/30 題「括」
簡単に一言だけで括られてあぶれた個性が床に散らばる

5/31 題「「じゃない」を方言で」
母はいつも私の取った選択肢に「いいんでない?」と微笑んでいた

6/1 題「仕込杖」
腰が曲がり杖をついてる爺さんの目の前のツタがひとりでに切れる

6/2 題「騒」
窓の外騒がしい雨を背景にぱちぱち叩くキーボードの音

6/3 題「あかん」
来世ではマリモに生まれ変わるため阿寒湖で先輩

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うたの日に出した短歌70

うたの日に出した短歌70

5/25 題「豆腐」
割下に染まり始めたお豆腐をひっくり返す オセロのように

5/26 題「鬱」
私の鬱はボディーブローでなく消える魔球のようにして来る

5/27 題「洒落」
分からない 流行りのお洒落な洋服も私が貴方を好きかどうかも

5/28 題「ホーム」
快速が通過するホーム 白い光 白オレンジ白青オレンジ

5/29 題「しまった/しまって」
さっきまで綺麗にしまってあったのに最後のひ

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