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内山節先生講演動画視聴会を開催しました。

8月22日(日)14時から動画視聴会を開催しました。
動画は第63回自治体学校の記念講演で2021年7月にZOOMで行われたものです。哲学者の内山先生による「コロナから何を学ぶか」という講演です。見ると現状への理解が進み目指すべき社会のあり方が分かる講演でした。今回は動画を視聴しながらとったメモをもとにレポートを書きます。

1.はじめに

-コロナに向き合い、コロナ社会に向き合う

今まで撲滅することができた感染症は天然痘だけです。
コロナよりもコロナによって発生した社会のあり方の方が心配です。
(コロナファシズム)

2.いま、ドイツファシズムの形成過程を振り返る

-上からの扇動、下からの呼応、その動きに「正義」を与えていった専門家達
-そうやって生まれた統制社会

ドイツファシズムは選挙で選ばれた合法的な政権でクーデターなどをやったわけではなく権力をとってからが強権的でした。今の日本はオリンピックをやるために上からの統制があり昔のドイツに似ています。

昔のドイツでは上からの扇動に下からの呼応(運動)があり、当時の科学者たちが「ドイツ語がいかに優秀か」等と言って正義を与えていました。(科学はいつの時代も振り返れば疑わしいもの)

昔のドイツの若手科学者や医師はてんかんが脳外科手術で治ると主張していましたが死体解剖では証明できないので生体実験をしたいと思っていました。そこでヨーロッパ中で嫌われていたロマ人(ジプシー)に目を付け、劣等民族と決めつけ、捕まえて生体実験に使おうとしていました。実はアウシュビッツにはユダヤ人だけでなくロマ人もたくさん入れられていました。

-背景にあった不安な個人の社会

都会は人口が多いけれどコミュニティが未熟で経済の基盤に依存しています。いま世界的にコロナで非正規雇用の人たちが経済基盤を失っています。

ドイツは今でも監視社会で市民がすぐに通報します。(内山先生もドイツで3回捕まりかけた経験アリ)

内山先生講演2

3.コロナとどう向き合ったら良いのか

-コロナもまた自然の生き物という視点

-私の友人、宇根豊さんと水田の虫・・害虫、益虫、ただの虫

水田に住む虫を分類すると害虫も益虫も僅かでほとんどが害も益もないタダの虫でした。

-ただの虫たちがつくる生態系

タダの虫たちは水田の生態系の基を作っていてタダの虫が居るおかげで害虫が増えることができないのでした。

-コロナを今日的生態系の一員としてとらえると

今コロナはこの世界に生きる基盤を得ています。ウィルスの生態系が壊れています。ウィルスは宿主の細胞と一体化しないと増えることができないのでたくさん居るウィルスの中でも宿主を殺すウィルスは滅びていきます。ですから感染力が強く弱毒性のウィルスが残るようになっていきます。ウィルスにとっての理想形は「風邪」でありウィルスは皆「風邪化」していきます。ここに至るには10年20年かかります。

内山先生講演3

-コロナを単体で敵視する精神の異常さ

害虫のために農薬をまいて生態系を壊してしまうようにコロナを目の敵にしているうちに世の中がおかしくなってしまいます。

4.ところで、社会とは何か

-日本社会の伝統思想では、社会は自然と生者と死者によってつくられているもの

「社会」というのは外来語から訳された言葉で日本にはもともと「社会」はなく「世間」があるだけでした。

-自然と人間の関係が社会をつくり、生者同士の関係が社会をつくる、死者=この社会の基盤をつくった先輩たちとの関係が社会を生みだす

蟻は女王が突然死んでしまっても巣の中の一匹がすぐにまた女王になって巣を存続させます。蟻の巣全体で一つの生命体をなしています。人間も同じような性格があるはずです。世代交代をしながら全体的に一つの生命をなすという事を近代の人間は拒否して一人で生きようとしています。

-関係本質論、すべては関係から生まれるという思想

関係が変わる時は色んなところで生まれ変わりがおきています。我々は絶えず生まれ変わりながら生きています。コロナとの向き合い方もそうあるべきです。

5.コロナ下の社会の課題について

-感染防止も経済も私たちの課題ではない

最近は感染防止か経済か?というけれど、どちらかを選ぶものなのか?

-課題はともに生きる社会を維持すること

関係の維持こそが課題です。

-爆発的な感染拡大は社会維持を困難にするから防がなければならない

経済のために社会があるのではないです。
10万人に一人くらいワクチンの副反応で亡くなる人がいます。コロナで亡くなる確率と比べたらワクチンの方がいいなどと、自分が10万人居れば良いですが自分は一人しかいません。政府はGDP的に全体を見て言いますがGDPが上がったから国が豊かになっているといっても非正規雇用の人は苦しいです。一人一人の生きている社会は無視されています。

-社会を維持するためには、さまざまな関係が大事にされなければならない
-関係は行動、活動と相互関係をもつことによって保証される

人が集まったり話し合ったりするだけで悪のように言われる今の状況でも社会活動は断固としてやらねばならないです。やり方を考えてやらなければなりません。ZOOMやクラウドファンディングは伸びています。

-この活動、行動のなかには経済的活動もふくまれる
-ただし経済は目的ではなく、ともに生きる社会を守ろうとすると経済活動もまた不可欠なものになる
「お金をあげるから仕事をしないで」というのは個人事業主に不評です。
人間の活動が回らなくなります。

内山先生講演4

6.コロナ下における関係の維持、創造の仕方を考える

-一ヶ所に集合、結集することが難しい状況下での関係のつくり方をみつける

ZOOMにプラス何をつければいいか考えていきましょう。

-相互に支え合う新しい方法を考える

どうやったら共に生きる社会を作れるか?コロナとも共に生きる社会です。

-コロナ対策と地域分権

内山先生は人口1400人の村に住んでいます。コロナワクチンはすぐに希望者全員に行き渡たったそうです。これからは小さい自治体の方が有利だといいます。

・・・地域によって自然との関係が異なる

コロナ以前から土によく触れている人は日頃微生物に接しているので感染症にかかりにくいと言われていました。データはないですが推論は立ちます。

・・・地域によって支え合う仕組みが異なる

どこまで行っても土に触れられない大都市の作りは正しかったのだろうか?

小さい村では夕食を作るのが面倒ならば誰かの家に行って食べさせてもらえます。困り事は近所の家を訪ねて行けばどこかで解決できます。しかし都会では難しいです。

-国による一律統制の問題点

都市部では「我が町」というのは難しいです。共に活動する仲間が「我が町」となります。田舎と都市は違います。

7.国家と地域の関係の組み直しを視野におさめながら

-国が中心ではなく、地域が中心になれる仕組みを探しながら
-地域行政と地域住民の自発的活動の連携をつくりだす

内山先生講演1

「国に一律の基準を作ってくれ」などと求める日本の自治体は弱体化しています。「うちはうち」言えないのか?

国がやりたくない事を県に押し付け、県がやりたくない事を市に押し付けていますが本当は逆でしょう。

市町村が自分たちではできないことを県や国に委任する、監視付きで権利を委任して、勝手をされたら委任を解く。
末端が全権力を持つ委任社会を目指さなければなりません。このようにすると沖縄は外交と防衛を日本に委任しないかもしれません。それを受け入れられるようにすること。

8.まとめに代えて

-コロナによって明らかになった現代社会の問題点を克服するために

本当の意味で共に生きる社会をつくる議論をしていく。

講演は終わりました。先生のお話は低い声で落ち着いていて聞きやすかったです。所々雑談を交えて聞いていて楽しかったです。



参加者同士の感想を話し合い


・衆議院選挙前に市民運動を皆でやろうと呼びかけたい。

・鳩ヶ谷市と川口市は合併しなければ良かった。

・北海道の更別村では一人一人が主役って、老人のための設備がバシっとなされているって。

・「ふるさと鳩ヶ谷の会」発足の意そのものの話だった。

・川口は合併して一番にしたことが保育所の保護者会を潰すことだった。

・今の川口70万人でどうするって。


参加者は11名。地元の話を主に様々な感想が述べられましたが盛り上がってきたところで時間切れとなりました。
内山先生の講演内容は私たちを応援してくれていると感じました。場を設けて国や地域のあり方などを共に学び、話し合い、行動していく。コロナ下でも市民運動をあきらめず続けていきたいと思います。

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予告

8月30日(月)に市役所へ第8回署名提出に行くことにしました。
9月6日(月)から川口市の市議会が始まります。その前に「水道料金値上げはやめて」をできるだけアピールして署名を集めておきたいと思います。どうかご協力ください。

スタンディング署名集め(緊急事態宣言下なので街頭演説なし)
8月27日(金)
16時~17時
マルエツ東川口店前交差点(戸塚地区)
https://goo.gl/maps/aCymwWusZUoEPHrf6

8月29日(日)
16時~17時
マミーマート川口安行店前(長蔵)
https://goo.gl/maps/RFdgGraG9LGeX6un6

署名はFAXやネットからでも受け付けております。
詳しくはこちらをご覧下さい。↓
https://note.com/suidouneage/n/needc06027866



サポートはとても助かります。チラシやポスターを印刷したり勉強会の場所を借りたり活発な活動ができるようになります。100円でもありがたいのでどうかよろしくお願いいたします。