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わたしが海外旅行スタートアップの0→1で取り組んだこと 【BizDev編】

令和トラベルの受田です。創業から早9ヶ月が経ちました。
今回は、『NEWT アドベントカレンダー』の14日目として、BizDev側面から令和トラベルの海外旅行事業の立ち上げをどのように行ってきたかを紹介していきます。

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また、ただ海外旅行の立ち上げの話だけしても読んでいただいた方にとって再現性が少ないと思うので、なるべく事業の立ち上げにおいてどういった取り組みをしてきたのかを抽象化しつつ書いていければと思います。

知れば知るほど、ツアーの仕入〜企画〜予約オペレーションまでアナログな状態で、ホテル、航空券の料金表はエクセルベースで届き(各社フォーマットもバラバラ)、ツアー企画もそのエクセルで届いた料金を人が手打ちで管理画面のフォーマットに合わせて入力したり、お客様へのホテルや航空券のチケットもPDFで届いたりするので人が管理画面にアップロードしたりしないといけない状態でした。

そこをどのようなプロセスで理解し、体制をつくり、掲げているツアーのDX化を図っていくのかを簡単ではありますがご紹介していきます。

そもそもBizDevチームとは?

BizDevとはBusiness development(事業開発)であり、役割として今あるサービスもしくは会社の非連続的な成長をさせるための、「点」、「きっかけ」を生み出すことにコミットするチームだと捉えています。

現在、令和トラベルのBizDevチーム(セールスやCS機能も含まれる)では、全世界のホテル/航空券/アクティブティなどの仕入、ツアーパッケージの造成、政府観光局や会員基盤のある法人企業とのアライアンス、新商品の開発や手配旅行を扱うトラベルコンシェルジュ業務などビジネスサイドをすべて一つのチームでおこなっています。

色々書いていきたいことはあるのですが、今回はメインとして海外ツアー(ホテル/航空券仕入、ツアー企画、販売オペレーション)を0からどのように作っていったのかという部分に焦点を当てていきます。

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海外旅行に関するバリューチェーン

海外ツアーをどのように立ち上げたのか?

「海外ツアーをはじめるから、推進よろしく!」ともし言われたら、皆さんどうしますか?なにからはじめていきますか?

私も元々Reluxで国内旅行をやっていましたが、海外旅行に関しては全くのド素人で、世界中たくさんあるホテル、航空券やアクティビティをどうやって手配するのか(ただOTAで取ってきても利益でない)、ツアーもあまり利用したことがなかったのでどうやって価格や企画をするのかなど全くわかりませんでした。

そのため、まずは以下のような手順で考えていきました。

①関係者に徹底的なヒアリング
②サンプルを作り全体像(ファネル)把握
③各ファネルごとの課題や不明点を洗い出し、ヒアリング&調査
④アウトプットのゴールイメージをまずはミニマムで達成できる体制構築

※実際には法務(旅行販売をするためには国の認可を取る必要がある)や財務、採用などカバーしなければならないことはありますが、ツアーの立ち上げ部分にフォーカスしています。

①関係者に徹底的なヒアリング
まずは、ツアーに関係する方々に徹底ヒアリングを行い、ツアーそのものの解像度を上げにいきました。ツアーにはホテルや航空会社、アクティビティ、保険、そしてツアーを企画・販売する旅行会社があるため、複数プレイヤーからツアーを多角的に捉えられるように、かつホテルも1社ではなくできる限り規模感やエリアの異なるところからヒアリングするようにしました。

当初はGDS、PEX、IT、IATAなどわけがわからない単語(海外旅行業界は英語3文字や略語が多い)が並んだり、各プレイヤーや聞く人によってツアーの捉え方や潮流がどうなっているのかなどバラつきがでるので、偏らないようにツアー及び海外旅行における過去、現在、未来の全体像がおぼろげながら理解できるようにしました。

※ここでツアーをつくりにあたっての、おぼろげながら全体像(基本となるどうやって仕入れを行うのか?ツアーをつくるならどういうパターンがあるのか?販売・管理はどう行うのか?過去、現在、未来のツアーはどうなっていきそうか?など)は理解できる状態を目指します。

②サンプルを作り全体像(ファネル)把握
ヒアリングで把握したことをもとに、1つか2つ実際にサンプルツアーを作りました。ハワイのホテルと航空券のタリフ(旅行代理店向けの価格表)をもらい、原価、販売価格を決め、他社と比べたときの価格差や実際の予約が入った際にどういった手配オペレーションになるのかなどを流れで把握していきます。

また、実際には単純にホテルと航空券を組み合わせて販売したらOKというわけではなく、国土交通省や消費者庁で定められている旅行業法に則って行わないといけない部分もありで、予約したら終わりではなく現地対応や帰国まで旅程の全行程の責任を負う義務があったり、ツアーの販売方法なども細かく定められています。それによってツアー企画や販売、予約後のオペレーションなども大きく影響されていきます。

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当初作成したツアー企画~販売までのファネル

サンプルをつくることで、全体の流れをより具体で解像度を上げて考えることができ、在庫管理どうやっているのか?ツアーを量産するのはどうやってつくっているのか?現地の対応はどうするのか?など新たな課題や不明点が浮き彫りになるので、かなり効果的です。

③各ファネルごとの課題や不明点を洗い出し、ヒアリング&調査
②で浮き彫りになった課題や不明点を解消するために、再度ヒアリングと調査を行っていきます。①ではどちらかというと大きな流れ、大局を確認していったのですが、ここではより具体の事象(在庫管理をどうしているのか、ツアー料金をどう定めているのか、手配の具体のオペレーション/管理をどうしているのかなど)をヒアリング、調査していきます。

特にツアーにおいては1ツアーだけ作ればよいわけではなく、ハワイだけでも他社だと2~4万件あります。人力で作ると途方も無い時間がかかります。

そこで、ツアーの要素を見ていくと、ホテル×部屋タイプ×航空券×座席クラス×オプション×滞在日数でツアーができており、基本はホテルの部屋タイプごとの料金・在庫、航空券の座席クラスごとの料金・在庫が管理できれば使いまわすことができます。また、滞在日数やオプションもお客様が選択した際に料金をサジェストするようにすればページ自体は滞在日数、オプション単位でつくらなくてもよいので、ツアー本数をぐっと絞り、ツアー企画の効率化にも繋がります。

最初はブラックボックスで、イメージですがX+Y=Zの方程式のどこにも数値が入っていない状態で何から手を付けていいかわからなかったのですが、Xはおそらく3でZが5だから、Yは仮説ベースだけど2なのかなと形が見え始めてきました。

④アウトプットのゴールイメージをまずはミニマムで達成できる体制構築
最後は③を行き来しつつですが、ツアーの仕入〜予約後のオペレーション、その後の予約管理までのフローチャートの現時点Ver(オペレーションリスクを鑑みてアナログでできる部分はアナログで構築)、理想Ver(システムが構築されたほぼ自動化されたオペレーションフローを構築)をmiroで作成し、まずは現時点verで必要となる、管理シートやバックエンドの最低限のシステムをプロダクトチームと連携しながら一気通貫できる体制をリーンに構築していきました。

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miroで作成した手配オペレーションのフローチャート

海外ツアーのDX化のために必要なことは?

特に今回ツアーのDX化において重要なのが、BizDevとプロダクトの連携です。
最先端のシステムだけつくっても、ホテルや航空会社などの現場サイドの仕様に適合していなければ意味がないので、BizDev側で現状のオペレーション体制、管理体制などを把握し、それをプロダクトチームと議論し、どうシステムに落としていけばいいのか?どう効率化できそうかを双方が歩み寄って考えていく必要があります。

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旅行体験の改善には、BizDevとプロダクトの密連携が肝

今後はホテルや航空会社、アクティビティ、その他海外旅行に纏わるすべてのステークホルダーとシステム連携を行っていき、常にあらゆるところから引っ張ってきた中で最安値の料金、リアルタイムの在庫を提供できるインフラを整えていきます。

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ホテル価格だけでも3パターンあり、日によって最安値が異なる(イメージ)

そうすることで、お客様にとって、「NEWT」で世界中のホテルや航空券の予約ができ、いつでも最安値、アプリ一つで海外旅行のすべてをシームレスに予約できる体験を届けることができます。

さいごに

昨今ではオミクロン株が世界で流行したりとまだ落ち着きがない状況ですが、コロナウィルスが落ち着き、双方で隔離がなくなると、海外旅行は急速に回復すると考えています。

旅行は、いままで見たことも体験したこともない新しい世界を知り、触れることができます。なぜ旅行がなくならないのか、それは本能的にそうした人の知的好奇心を満たすものであり、求めていることだからだと思います。

またコロナウィルスが落ち着き、当たり前のように海外旅行に行ける世の中になったとき、少しでも多くの方がスムーズにどこへでも旅行に行けるお手伝いができるよう、サービス展開してまいります。

この1年間多くの皆様に大変お世話になりました。本当にありがとうございました。来年はさらに飛躍する年にできるよう、精進してまいります。引き続き、よろしくお願いいたします。

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また、お決まりですが採用も全方位募集中です!
少しでも興味があるという方は、以下よりお問い合わせください!
ちょっとそこまでという方は私までDMください。久しぶりの方も大歓迎です。笑

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