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かきすてる

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書き捨てて搔き捨てるもの。
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【かきすてる】両親と僕とわたし

【かきすてる】両親と僕とわたし

(わたしは今一切病んでいませんが、人によっては不快な内容が含まれるかもしれません)



服を一つ。
靴を一つ。
鞄を一つ。
化粧品を一つ。

ゴミ袋に放り込む。
もったいないなと思う。わたしが買ったわけでもないのに。

母は、昔からわたしに「これいる?」とよくものをくれる。
最初は喜んでいた。別に母にもきっと他意はない。わたしが要らないといえばよかったんだと思う。ただ、「あんたが要らんのやった

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【かきすてる】祖父

【かきすてる】祖父

祖父の誕生日は覚えている。毎年固定の祝日で、小さい時「じいちゃんの誕生日だから休みなの?」と聞いたら真顔で「そうやな」と言われた。しばらく信じていた。
でも、命日は覚えていない。
つまり、そういうことなんだと思う。



幼少時僕は祖父が大好きだった。祖母も大好きだった。
母の実家は海の近くで、結構田舎だったのに祖父母はとてもハイカラだった。いつ行ってもスラックスが普段着の祖父、いつ会ってもきれ

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