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オンライン説明会のやり方を紹介-母集団形成編-

こんにちは!普段は名古屋でフリーランス人事をしている「すごい人事(※)」情報局のゆいです。

コロナ禍での新卒採用活動が定着してきた22卒では、オンライン採用を導入する企業がかなり増えたと思います。
エン・ジャパンが22卒600名に調査したところ、母集団形成となる就活セミナーや企業説明会にオンラインで参加した就活生が半数以上いることがわかります。

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会社がリモートワークになりZoomなどのWeb会議ツールが導入され、オンラインで採用活動がしやすくなったと思いますが、実際にWeb会議ツールで説明会をしてみると、オフラインで説明会をすることとは雰囲気が違うと感じたかもしれません。

今回は、オンライン説明会を何度も経験した私が、失敗と成功の事例を踏まえてよりよい説明会を実施できるようにノウハウをお伝えしていきます。

※すごい人事…「採用トレンド」を理解し「アジャイルな(変化に対応できる)組織づくり」ができるVUCA時代の引っ張りだこ人事!

【このシリーズを読んでほしい人!】
・オンライン説明会のやり方に困っている人事の方
・オンライン説明会から応募に繋げることに課題を感じている人事の方
・「いい人」が集まる採用の仕組みをつくりたい経営者、人事担当の方
・「本質的な採用活動」の仕組み作りをしたい人事担当の方
【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・オンライン説明会で就活生の心を掴むやり方がわかる
・オンライン説明会で感じている課題の解決策が見えてくる
・採用活動の質が向上し、選考遷移率等の改善に役立つ

1 オンライン説明会で困ること①集客

オンライン説明会を開催する上でよく聞くお悩みが集客です。
今までは、ネームバリューの無い企業の場合、合同企業説明会に参加して就活生に認知をしてもらい、個別の説明会へ誘導することが多かったと思います。
コロナ禍になり、合同企業説明会が中止やオンライン開催になると、就活生は自分の興味がある企業の情報だけを調べがちで、オフラインの合同企業説明会で発生していた偶発的な出会いは激減し、ネームバリューの無い企業は個別説明会の集客に苦戦していると考えられます。

個別説明会の告知を、ナビサイトや自社採用サイト、イベント管理サービスに掲載しても、日々数多くの企業が実施している採用イベントに埋もれていってしまい、就活生まで届きにくいです。
そこで、私がベンチャー企業の新卒採用活動で行った告知方法は次の3つです。

1-1 学校の先生・就職課の担当者に告知する

一番集客に効果的だと感じたのは、学校にご協力をお願いすることでした。
テキストで告知文章を送るだけでは、掲載されるだけで終わってしまうので、直接訪問もしくはWeb会議で先生・就職課の担当者に説明する時間をもらうと良いです。

エンジニア等の専門的なスキルが必要となる職種の場合は、研究室の先生と情報交換をしておくと、自社にマッチした就活生を紹介してくれる可能性もあります。さらに私の場合は、研究室の講義時間を頂いて会社説明をさせてもらえることもありました。

就職課の方は、就活生が相談に来ることが多いので、その際に個別で会社を紹介してもらえると、学校からのお墨付きと認識されて説明会に参加してもらいやすいと思います。

日頃からのコミュニケーションが必須となる方法ですが、就活生のことをパーソナリティ含めて理解している方と情報交換をすることで、マッチしている就活生に出会いやすくなると思います。

1-2 SNSで告知する

就活生がよく使っているSNSツールは、Twitter・Instagramです。

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各ツールはアウトプットに特徴があるので、自社情報を発信することに適したツールを選択して、アカウントを育てるところから始めてみてください。

就活生が検索するときにはハッシュタグを用いて情報収集をします。
「#会社説明会」や「#○○卒と繋がりたい」と検索してみると、他社がどのように情報発信をしているのか参考になりますので調べてみてください。

1-3 ダイレクトリクルーティングツールで告知する

この方法は採用予算が取れる場合になりますが、新卒採用のダイレクトリクルーティングツールを導入し、マッチしそうな就活生に会社説明会を告知します。

ダイレクトリクルーティングツールの場合は、個別にメッセージを送るので、説明会ではなく個別面談が望ましいですが、就活生側が個別より複数名が参加する説明会の方が心理的に参加しやすい場合もあるので、選択肢として提示すると良いです。

2 オンライン説明会で困ること②当日、就活生の反応

以前の記事で「オンライン説明会では手応えがない」と答えた企業が52.5%だったということをお伝えしました。

私がオンライン説明会を実施した当初も、就活生側はカメラ・マイクオフにされることが多く、反応も表情も見えないのでかなり不安を感じながら話していました。質問もあまり出ることがなく、会社説明をしたらサクッと終了していました。

オンラインはオンラインならではの雰囲気作りが必須だと感じ、次の通りの流れに改善してからは、就活生からの反応も返ってくるようになってだいぶ話しやすくなりました。

2-1 開始まで雰囲気の良いBGMを流しておく

説明会開始10分前程から入場できるようにしているので待機時間が発生します。
無音の時間が続くとお互いに緊張が高まってしまいますので、何かしらBGMを流しておくと良いでしょう。
会社紹介PVがあればそちらを画面共有して流しておくのも良いと思います。私はカフェで流れていそうな音楽をチョイスしていました。

2-2 就活生がコメント・リアクションを練習する時間を入れる

ZoomやGoogle Meet等、よく使われているツールであれば、就活生は練習しなくても使いこなすことはできると思います。
この練習時間は、ツールの使い方を教えることというよりも、一度使ってみることで実際に使うときの心理的ハードルを下げることが目的です。

「今日はどちらからご参加ですか?学校の方はグッドマーク、ご自宅の方はハートマーク、それ以外の方は拍手マークを押してください!」
「みなさんの志望職種を教えてもらいたいので、今からコメントに書いてみてください!」

という形で、簡単に答えられそうな質問を投げかけて練習をします。
志望職種や今日の説明会で期待していることなどを問いかけて会社説明に反映すると、より満足度の高い説明になると思います。

2-3 先輩社員に質問できるコーナーを入れる

出来る限り会社の雰囲気を伝えるために、先輩社員に参加してもらうことをオススメします。
社員はオンラインでの説明会に慣れていないと思いますので、人事側でファシリテーションをしましょう。
私の場合は、就活生からよく聞かれる質問を数個ピックアップし、事前に先輩社員に共有して回答を考えておいてもらいました。
当日、先輩社員のコーナーの最初に一問一答形式で答えていただき、先輩社員の緊張をほぐします。就活生からの質問はコメントで集め、人事が読み上げて先輩社員に回答してもらいました。

人事と先輩社員の掛け合いからも、会社の雰囲気を伝えることができますので、先輩社員と会話することを意識してください

2-4 最後にアンケートを書いてもらう

説明会が終了した際、余韻を残さず切ってしまわず、アンケートを回答する時間をあえて設けてみるのはいかがでしょうか?

紙はその場で記入してもらい回収できるので回答率は高いと思いますが、Webは目の前で回収できないので回答率は下がります。
説明会時間内にアンケート回答時間を設けることで、なるべくその場で回答してもらうようにします。また、アンケート回答時間中に個別質問に応じるようにすることで、就活生が全員の前では質問しにくかったことに答える時間を設けます。
この時間もBGMを流すことを忘れないようにしましょう。

3 オンライン説明会で困ること③事後、応募喚起

オンライン説明会を開催したものの、応募率が上がらないという課題も見聞きします。
オンライン開催の企業が増えたことで、就活生一人当たりが参加する企業説明会の数が増えています。ですが、応募ができる数は限られてしまうため、応募率が下がってしまいます。
私は就活生の記憶に残るように、説明会後も次のような工夫をしていました。

3-1 説明に使った資料を送る

資料が手元にあるかないかでは、記憶の残り方が違います。
就活生がどれくらいメモをしてくれているのかわからないので、就活生の手元になるべく情報を残しておけるように、説明会で使用した資料は送るようにしていました。

3-2 参加しなかった就活生にも資料を送り、次回開催予定を告知する

参加していない就活生にも、説明会で使った資料は送りました。
せっかく興味を持ってくれた方なので、会社資料を送ることで、どのような話をしている会社なのかを伝えました。
また、次の会社説明会や就活イベントの日程を決めておき、一緒に告知をするようにしました。

4 オンライン説明会でオススメのツール

オンラインでの会議やイベントが増えたことによって、ツールの種類が増えました。
その中でも、使いやすくて就活生受けが良いツールをご紹介します。

①Zoom
Web会議のツールの中で、就活生が使い慣れており、通信が安定しやすく、コメントやリアクションが取りやすいので、私はZoomを利用しています。
使いこなせるようになると、アンケートをZoom内で取ることができたり、ブレイクアウトルームを使って双方向のコミュニケーションができるコンテンツを作成することができます。

②YouTube Live
就活生は、YouTubeでのLive配信を見慣れているので、YouTube番組のようなUIにすることで親近感を持ってもらいやすいと思います。
OBS Studioという無料ツールを使うことで、実況動画のように説明会を開催することができます。

③おまけ)どうぶつの森(ゲーム)
とある会社がどうぶつの森で会社説明会をしたというニュースを読んで「やられた!」と思いました。こちらのやり方を導入するには、就活生側もゲーム機を持っていなければなりませんが、話題性は十分あったと思います。

最近では米津玄師さんがフォートナイトというゲームでLIVEを行ったこともあり、ゲームはもはやゲームだけでなく、オンラインで集まれる空間として活用されています。
日頃遊んでいるゲームで開催してみるのも面白いと思います。

④おまけ)cluster
clusterとは、クラスター株式会社が運営するマルチプラットフォーム対応のバーチャルSNSです。
私はメタバースと呼ばれる仮想空間の流行をひしひしと感じており、実際にcluster上で会社説明会を開催したことがあります。

仮想空間上にステージがあり、スライドを仮想空間上のモニターに映しながら話すので、リアルにとても近い感覚で話をすることができます。
また、就活生もアバターで参加することができ、リアクションだけでなく移動やジャンプもできるので、Web会議ツールより距離感が近く感じます。

最後に集合写真(スクリーンショット)を撮って配布すると、プチイベントのようでとても楽しかったです。

まとめ

私の体験談を踏まえながら、印象に残る採用体験が作れるようなオンライン説明会ノウハウをお伝えしました。

大切なことは、人事と就活生の双方が、お互いの人柄がわかるような距離感になる工夫をすることだと思います。ぜひ、一方通行ではなくコミュニケーションが取れるようなコンテンツ作りをしてみてください!

次回もお楽しみに!

ライター:西田ゆい
名古屋の老舗企業とベンチャー企業で人事を経験後、独立してフリーランスの人事になる。現在は5~6社に入り、採用・労務・組織開発など幅広い業務を担当している。「誰もが楽しく働ける社会へ」を個人ミッションとして日々邁進中。
「すごい人事」情報局運営元:株式会社Crepe
Crepeでは、ESG観点からみた人的資本における企業価値向上支援を行っています。具体的には、採用CX(候補者体験)向上ための採用戦略コンサルティング、採用ストーリーブック制作、研修トレーニング、EX(従業員体験)向上のための組織コンサルティング、エンゲージメント向上 HRtech「ミライチズ」などを通して、より良い個人と企業の関係の質向上支援を行っています。
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