発達障害の友達のこと

アラレちゃんみたいな眼鏡をはずしたら、

どんだけ綺麗やねん!と思う同僚がいる。

ロッカーが近く。

色白で、細くて、瞳がキラキラしている。

だいぶ早口で落ち着きがない。

とにかく、せかせか動いてる。

私は、一緒の店で仕事をすることがなくて、

残念に思っていた。

ある日、チャンスがやってきた。

休暇をとった人がいて、私がその人の交代になった。

その時、ラッキーなことに一緒のお店になった。

仕事中は、私語は極力しないと決めてるけれど、今日をのがしたら、今度いつ話を聞けるかわからない。

その日は、とても暇でワクワクした。

私は、新人さんにはだいぶ厳しいので、その子はずいぶん緊張していたと思う。

ソワソワ、ウロウロ、せかせか。

「ちょっと!落ちついてくれんか。こっちまで焦るわ」

「スイマセン。動いてないと落ちつかなくて」

「暇だし、のんびりしよ」

何とか動きを止めた。

他の同僚が、

「あの子ちょっと変わってますよね」って噂してるのは聞いていた。

お話をするのも得意じゃなさそうなのに、何故、接客を選んでるんだろうと思っていたので、聞いてみた。

「私は、流れ作業の方が良いんですけど
親が接客の仕事をするように言うんで」

「えっ?なんで?」

、、、、。

「私、アスペルガーなんです。コミュニケーションがとれなくて、ずっとイジメられてて、高校の時に病院で診断されました」

突然カミングアウトしてもらうことは、よくあるんで、特に驚きもせず

「へ〜」って聞いておいた。

あとは、くだらない話をしてたら、あっと言う間に終わってしまった。

その日から、しょっ中近寄ってくれるようになったし、私のレジ精算が終わるまで待ってくれたりする。綺麗な子に待ってもらうの、なんか嬉しい。

ただ、凄く近い!
どんだけ近寄ってくるねん!恋人同士でもないくらい近い!

「ちょっと!近いねん!しゃべりにくいわ!」

「あっ、スイマセン。距離がつかめなくて、スイマセン。」

むちゃ、笑ってしまった。

どんどん、思ったことを言うって決めた。

遠回しには言わない。

言葉はたくさん使う。

説明もするけど、注意もする。

あと、謝らなくていいから!って怒る。

その子は、自分が発達障害だから、他人に迷惑をかけないように必死になっている。

誰よりも他人が傷つかないように配慮している。

自分が発達障害だと知ってるから、
誰よりも人に優しく接していて、

スイマセン、スイマセンと口ぐせになっている。

その子が一番仕事が丁寧だ。

私は、はなまるを100個はあげたい。

とても、とても、かないません。