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カメと暮らせば 3

 クサガメの「師匠」と暮らすようになってから8年目を迎えようとしていた初夏———もっと簡単に言ってしまえば今年の夏の初めのことなのだが、私は引越しをした。もとい、私と師匠は引越しをした。

これまでに経験してきた東京都内に収まる転居ではない。
東京から四国への大移動である。
「師匠」がどこから来たカメなのか私は知らないので、もしかするともっと大移動の経験があるのかもしれないが、私にとっては未知の領域の引越しであった。

というわけで、この記事は私と「師匠」の、引越しに伴うあれやこれや———具体的にはカメを長距離移動させる手段の備忘録である。

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師匠を拾った経緯については以下のnote記事をご覧ください:
「カメと暮らせば」

続編もあるよ:
「カメと暮らせば 2」

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まず、東京から四国に飼いガメを連れて行く手段であるが、
①航空
が有力な選択肢となる。
実は、大手航空会社では、(条件が揃えば!!!)カメを機内に持ち込むことが出来るのだ。

日本航空(JAL):
https://www.jal.co.jp/jp/ja/dom/support/pet/

全日空(ANA):https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/reservation/support/domestic/pets/

ただし、その「条件」というのが要注意ポイントであり、
日本航空の場合は
“小型の容器(幅20cm×高さ20cm×奥行30cm以内)に入れられていること”
全日空の場合は
“小型の容器(目安:縦30cm 横20cm 高さ20cm)に入れられて”おり、
かつ
“発電装置またはポンプなどを作動させる必要のないもの、かつ逃げ出したり水漏れしたりすることがない状態”
でなければならない。

拙宅の「師匠」は甲長が20 cmほどあるので、首・手足・尻尾を全て仕舞って頂ければギリギリなんとかなるかもしれない条件である———が、だいぶキツい。そして、私にはギリギリを攻める容器を探す余裕がなかった。

というわけで、次点の選択肢である
②鉄道(JR)
を使って移動することになった。

ちなみに、
③フェリー(具体的にはオーシャン東九フェリー)
について先ほど調べたところ、私が転居する前には無かった文面が追加されており、

オーシャン東九フェリー:

“爬虫類や業務用生動物は対応できない場合がございます。”
———ということは対応できる場合もあるってコト⁈と今更ながら(フェリーが使えたかも……)という気持ちに浸っている。

さて、JRの列車にカメを持ち込むに当たって、クリアしなければならない条件が一つある。
「普通手回り品きっぷ」を購入すること———そう、カメにも切符が必要なのだ。この「普通手回り品きっぷ」は、ものすごく大雑把に言うと、「JRの列車にペットを持ち込む場合」に購入しなければいけない切符で、
・乗車当日 に
・乗車する駅の改札口 などで
購入することになっている(1枚290円)。

JR東日本>鉄道・きっぷの予約>きっぷあれこれ>手回り品:https://www.jreast.co.jp/kippu/20.html

というわけで、移動当日に「普通手回り品きっぷ」を買った。
実際のきっぷについては、下の写真を参照されたい。

JR東の普通手回り品切符の写真

まさかのレシート形式。しかも結構長い(写真に写っている長さの4倍くらいあった)。Twitter(X)のフォロワさんによると昔はガチのタグ方式だったということだが、今は切符と案内が一体化していて便利そうである。

このきっぷは、手回り品(今回は「師匠」の入っている移動用水槽)のどこかに掲示しておく必要があるので、移動中は水槽を包んでいる布にガムテープで貼っていた。ガムテープをリュックに突っ込んどいて良かったなって思いました。

他にやってよかったことは、移動中に「師匠」がゴソゴソ動きだすので、「カメ輸送中」という表示もしておいたのは賢明だったと思う。

大移動から約4ヵ月経ち、移動直後は流石に大人しかった「師匠」もだいぶ新生活に慣れたのか、よくごはんを食べ連日大暴れしている。
心なしかまた一回り大きくなったような———気もしており、ますます脱走しないように警戒しなければならないな、という日々なのであった。