プレビュー:2018:J2:第28節:A:大分トリニータ「対大分苦手アウェーでロングカウンターを封じて勝ち切れるか」

1、予想メンバー

監督

長澤 徹

スタメン

37鄭 充根(ジョン・チュウグン)
24赤嶺 真吾、7伊藤 大介
39高橋 壮也、14上田 康太、17関戸 健二、21椋原 健太
6喜山 康平、5増田 繁人、3後藤 圭太
13金山 隼樹

リザーブ

GK:22一森 純
DF:33阿部 海斗
MF:2澤口 雅彦、15末吉 隼也、19仲間 隼斗、10大竹 洋平
FW:18齊藤 和樹

2、注目ポイント

注目選手

「13金山 隼樹」

 普通に行けば37鄭 充根(ジョン・チュウグン)が、勝敗を左右する存在ではあります。しかし、勝利のポイントは複数あるので、今回は守備にもスポットを当てたいと思います。それは、序盤戦は、正GKの座を22一森 純に譲っていた13金山 隼樹です。
13金山 隼樹は、岡山で初出場した時は、判断が曖昧でパフォーマンスも不安定でした。例えば、ボールの処理を誤り、ハンブルに近い形で戸惑っている時にプレスを受けて、慌てて一度手で触ったボールを再び手で触ってしまい間接FKとなったシーンが分かり易いと思います。ここまで、極端な例は他にはありまんが、細かい部分でも、ポジショニングや足のステップの取り方とかにズレがありました。
 そういった内容の第一次スタメン奪取期はすぐに終わり、しばらくして22一森 純に戻りました。ただ、チームの成績が下降線だった事もあり、チームの流れを変えるべく13金山 隼樹が、再びスタメン奪取しました。
 すると、今度は、高さを活かしたハイボール処理やシュートへのあと一歩は届く、リーチの長さを活かしたセーブが光り、チームの守備が落ち着いてきました。
 奇しくも37鄭 充根(ジョン・チュウグン)というロングパスのターゲットが見つかった事で、堅守が戻りつつあり、派手さはないものの無失点の試合を何度か記録し、信頼を掴みつつあります。
 ファインセーブですが、ファインセーブに見えないセーブにしてしまうその守備範囲の広さが、爆発力のある大分に対して、どこまで有効かというのは、37鄭 充根(ジョン・チュウグン)のプレーと、セットで見て欲しい。

攻撃のキーワード

「セットプレー」

 讃岐は、守備に不安があるチームでしたが、大分は、守備が堅く、岡山との対戦では1-0や0-1というカードが多いチームです。ミラーゲームになる試合も多く、接触プレーやドリブルといった手段で戦う事の少ない岡山にとっては、守備の献身性が高く、個に優れる攻守の武器がある大分から得点を奪う事はなかなか難しいと思います。
 ロングパスが主体となると思いますが、それだけで崩す事は難しいので、多少確実性を欠いても運任せで、訪れた好機をどれだけ生かすことが出来るかは、生命線と言える。
 幸い、4濱田 水輝が怪我で離脱しましたが、それ以上に空中戦に強い5増田 繁人、そして怪我から復帰してきた脅威の跳躍力を持つ3後藤 圭太。FWに高さと老練な判断とプレーができる24赤嶺 真吾。キレのある上にフィジカルの強い37鄭 充根(ジョン・チュウグン)。この4人がターゲットとして期待できる。残念な事にもう一枚に8塚川 孝輝が居れば大きいですが、出場は難しそうですね。
 そして、14上田 康太と7伊藤 大介というキッカーが2枚揃えている。14上田 康太のプレースキックは、岡山だけではなくJ2でも抜き出ているが、7伊藤 大介も高い精度を誇る。21椋原 健太というロングスローワーもいる。リザーブ予想される19仲間 隼斗もロングスローが出来るので、その辺りのセットプレーを工夫して、流れを掴みたい。

守備のキーワード

「ボールロスト後の守備」

 データを見る限り、岡山のサッカーに類似性は、多少ある様だ。ロングパス主体とした攻めであるという点である。ただ、岡山のロングパスは、セカンドボールや競り合いを想定してという運とセカンドボールから攻撃という狙いである。
 一方で、大分は、ロングカウンター。前線に選手を残して置くことで、隙あれば、そこを突いて一気にゴールを陥れる。隙が無い場合でもGKを含めた高いビルトアップ能力で、ポゼッションをしつつ前に運ぶという選択をすることや、その過程でマークが剥がれればそこを突いてくる。
 この違いは、岡山の前線がフィジカル特に強さや高さが重視される一方で、大分はスピード重視である。高さや強さというのは、嵌れば強いが、それ以上に強い相手がいればなかなか形にならない上に、守備を固められるとより難しくなる。
 一方で、大分は、一瞬でも隙を与えてそこへ出されてしまえばスピードや技術で、GKとの1対1。そういった怖さがある。
 これは、岡山の終盤の得点が無い点と、終盤守備ばかりで、攻撃する気をみせない終盤の勝負弱さが目立っている点が、大分との順位や得点力の差に繋がっている。
 守備をとるか攻撃をとるかという話になるが、0より1が良いし、岡山の様にほぼ終盤リードしていれば、攻撃姿勢が0になるよりは、1でも攻撃の余力を残して欲しい。
 つまり、大分はというか多くのチームでもそうではあるのだが、90分間通して、ゴールを一本のパスで、GKとの1対1を常に狙っているチーム色が、他チームより大分は強いチームであるという事である。だから、ボールロスト後の守備が非常に重要である。
 長澤 徹監督のここまでのサッカーを見ると、後ろのスペースを埋めて、そういった露軍カウンターを最大限警戒して、1点差勝負を狙ってくる可能性は高い。果たして、勝機を見つけ出し、そこを突いて勝利することができるかは、注目したい。

大分のキープレイヤー

「5鈴木 義宜」

 全試合フル出場のDFリーダー。攻守ともにデータサイトで高い数値を叩き出している。大分の好調を支えて来た選手と言える。日本では、攻撃にスポットが当たりがちですが、守備が、もっと評価される土壌であれば、やはり、大分のトップクラスのタレントであると思います。他チームのオファーを断るだけの大分愛もあり、心身共に大分の壁と言える選手である。
 恐らく、ロングカウンターの中心にいる選手であり、ビルトアップやボールを奪われた後にすぐに対応したい。また、すぐに他の選手に回されると思うので、チームとして後ろだけではなく、前線もバランスを巧く保ち、戦って行きたい。

3、試合前通算対戦成績

J2

A:岡山:4勝(6得点):4分:(9得点)5勝:H:大分

会場別(岡山視点)

H:シティライトスタジアム:3勝3分1敗
A:大分銀行ドーム:1勝1分4敗

4、試合前チーム成績(データ)

勝敗(26/42)(自他共に中止試合複数有)
10勝8分8敗(暫定9位:勝ち点38)

得失点
27得点22失点(+5)

ホームスコア(12試合:5勝6分2敗:18得点10失点)
〇:1-0×2、3-0×2、3-1×1
△:0-0×3、2-2×2、3-3×1
●:0-1×2

アウェースコア(13試合:5勝2分6敗:9得点12失点)
〇:0-1×4、1-3×1
△:1-1×2
●:1-0×4、2-0×1、3-0×1

得点時間帯(27得点:前半×12、後半×15)
1分~15分×3、16分~30分×4、31分~45分×5、前半AT
46分~60分×8、61分~75分×7、76分~90分、後半AT

失点時間帯(22失点:前半×12、後半×10)
1分~15分×3、16分~30分×4、31分×45分×5、前半AT
46分~60分×4、61分~75分×2、76分~90分×2、後半AT×2

ゴール(全27ゴール)
FW(8):18齊藤 和樹×1(PK右足×1)、19仲間 隼斗×4(頭2、右足1、ボレー右足1)、24赤嶺 真吾×2(左足ボレー1、PK右足1)、37鄭 充根×1(PK右足1)
MF(11):7伊藤 大介×2(ダイビングヘッド1、右足ミドル1)、8塚川 孝輝×3(頭1、右足ミドル1、左足ミドル1)、11三村 真×1(左足ボレー1)14上田 康太×3(FK左足3)25武田 将平×1(左足ミドル1)、17関戸 健二×1(右足シュート1)
DF(7):3後藤 圭太×2(頭2)、4濱田 水輝×3(頭3)、6喜山 康平×1(頭1)、33阿部 海人×1(左足1)
GK:なし
その他(1):オウンゴール×1(足1)

アシスト(全18アシスト)
FW(8):9李 勇載×1(右足1)、18齊藤 和樹×3(右足1、右足クロス2)、19仲間 隼斗×1(左足1)、24赤嶺 真吾×3(パス右足2、クロス右足1)
MF(10):8塚川 孝輝×2(頭1、右足1)、14上田 康太×6(CK左足2、FK左足2、クロス左足1、パス左足1)、21椋原 健太×2(右足クロス2)
DF:なし
GK:なし

得点の形(27得点:流れ×11、セットプレー×16)
ボール奪取→ミドルシュート(右足)×1
パス(左足)→ミドルシュート(左足)×1
クロス(右足)→右足×1、クロス(右足)→ダイビングヘッド(頭)×1、クロス(右足)→トラップ→右足シュート×1クロス→左足ボレー×1、クロス→右足ボレー×1、クロス(右足)→頭×1、クロス→頭×1、クロス→オウンゴール×1
速攻→ポストプレー→右足ミドル×1
FK→頭×2、FK→混戦→左足×1
CK→混戦→頭×1、CK→2次クロス→頭×1、右CK→セカンドボール→ダイレクトボレー(左足)×1、右CK(左足)→頭×1、左CK→頭×1、
左足直接FK×3、PK(右足)×3
ロングスロー→混戦→頭×1、ロングスロー→セカンドボール回収バックパス→左足ミドル×1

失点の形(22失点:流れ×17、セットプレー×5)
カウンター(CK)→ロングパス(左足)→ダイレクトシュート(右足)×1、カウンター(CK)→スルーパス(右足)→ループシュート(左足)
左足(フリック)→頭×1、右足(パス)→右足(ミドル)×1、右足(スルーパス)→右足×1、右足(浮き球パス)→右足(ボレーシュート)×1、右足(背面スルーパス)→右足(股抜きシュート)×1
右足(クロスが直接)×1、右足(クロス)→頭×2、右足(クロス)→ブロック→右足(押し込み)×1、左足(クロス)→頭×2
ドリブルからシュート(右足)→セーブ→ダイレクトシュート(右足)×1
毀れ球→ドリブル→シュート(右足)×1
CK→ショートコーナー→右足(ミドル)×1
PK×1、PK(右足)×2
右足×1、右足(ミドル)→オウンゴール×1
ロングスロー→テクニカルな繋ぎ→シュート(左足)×1

5、希望メンバー

監督

長澤 徹

スタメン

37鄭 充根(ジョン・チュウグン)
24赤嶺 真吾、7伊藤 大介
39高橋 壮也、14上田 康太、17関戸 健二、21椋原 健太
6喜山 康平、3後藤 圭太、33阿部 海斗
13金山 隼樹

リザーブ

GK:22一森 純
DF:5増田 繁人、31下口 稚葉
MF:25武田 将平、10大竹 洋平
FW:19仲間 隼斗、18齊藤 和樹

岡山から世界へ
To Be Continued

by 杉野 雅昭(Masaaki Sugino)

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