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教科書では、織田信長は好きにならない。

記念すべき2回目の
東京オリンピックが行われる
2020年──

21世紀の日本にとって
大きな節目を迎える年です。

そのメモリアル・イヤーに、
大河ドラマでは「戦国時代」
に立ち戻り、戦国初期の
群雄割拠の舞台を描くのだそうです。


若き明智光秀、織田信長、
斎藤道三、今川義元、
そして秀吉が、家康を描く
「麒麟がくる」を
楽しみにしています。

さて、
30,000の兵力と
4,000の兵力が戦ったら、
どちらが勝つか。

これは考えるまでもないことです。

今川義元と織田信長が戦った
桶狭間の合戦は、
その兵力差から当然ながら
今川軍の勝ちということになります。

だが結果は、
信長の圧倒的な勝利。

劣勢の信長が勝ったのは、
敵の不意を衝くために
「迂回」して、奇襲する。

信長は兵を、
今川軍の前線を秘匿させながら
大きく迂回して、

ほとんど落ちていくような
角度の崖を馬で駆け下りて

いきなり今川義元の
本陣を奇襲した――。

大河ドラマには
こういった物語を通じて
人はドキドキしたりワクワクしたり

自分を重ねて
「そんなもの許せるか!」と
怒ってみたり

「よし!がんばろう!」と
励まされたり
心を動かされます。

学校で教科書を読んだだけで
織田信長や坂本龍馬が
好きになることはありません。

そこにあった人々の思いや
うまくいかなかった
苦労や挫折を乗り越えて

大きな偉業を成し遂げたり
する物語があるからこそ
心を動かされるわけです。

会社説明会をする企業が
私たちの会社はこうです!

と、結果だけ伝えても
教科書を読んでいるのと
何も変わりません。

経営理念を
スローガンとして伝えて
入社を求めるのではなく

理解して
入社してもらうのでもなく

どうすれば
共感してくれたり
共鳴してくれる様な同志として
入社してくれるのでしょう。

それは会社にある物語を通じて
どういった未来を目指して
どういった思いをして
どういった挫折をして
ここまで来たかを伝えていくことで

共感を得られたり
共鳴してくれる同志に
たどり着くわけです。

最初は同志なのではなく
ちょっとした
共感が入り口かもしれません。

しかし共感を積み重ねることで
それは共感から共鳴になり
最後はお互い無くてはならない
存在になっていく。

そういった同志を
みつけるためには
私たちのミッションは
○○です。

というスローガンだけで
いきなり心を鷲掴みにされる
なんてことは無いので

大河ドラマのように
物語を通じて伝えていくことで
共感者を徐々に育てていく
ことが必要になります。

スローガンも大切ですが
そこにどういった
物語があったかを

伝えていくことこそ
同志を見つけるための
手段になりえるわけです。

大河ドラマも
プロジェクトXも
仕事の流儀も

やりました。
できました。

では、誰の心にも届かないので
その時に起きた出来事を
物語として書き起こし
共有して届けることで
ファンを生んでいくわけです。

みなさんの会社には
大切なものを
大切なことだと伝れる
物語があるでしょうか。

そして、未来への
物語があるでしょうか。

どんなにボロボロでも
絵になる物語には
可能性や魅力があるので
人が集まってくるものです。


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