ミッション・ビジョン・バリュー・クレドってなんなのか?
これらは組織運営、組織開発をする上でよく聞く言葉です。
転職をするときにも真っ先に確認したりします。(あとは上場企業ならIR)
組織の一貫性をつくり、組織の力を高め、健全な文化を形成していくために必要と言われているのが、ミッション、ビジョン、バリュー、クレドなどと言われているものです。
・・・ですが、
・ミッションとビジョンって何が違うの?
・バリューとクレドって一緒?違うもの?
のようにふと理解に迷ってしまうこともあります。
私自身、これまでも文化醸成、CI(Corporate Identity)の再構築になんだかんだ規模も業種も異なる3社で関わってきて、ようやく肌感覚として捉えられるようになってきた気がします。
そこで、ここで言語化をしておこうと思います。
ひとつひとつを少し深ぼりますと・・・。
ミッション
対象が会社であっても、私自身であっても考え方は同じと思っています。私(会社)がこの社会で何を実現するのか。何を実現するために存在するのか。それを言語化したものです。近しい言葉として目的(パーパス)、存在意義もありますが、違いはないものだと捉えています。
ビジョン
ミッションを通じて、社会で何かコトを成した時に、その時の社会はどうなっているか。これを具体的に描いたものです。ビジョンなので、漠然とした抽象画ではなく、色鮮やかで写実的なものであったほうが、強力に伝播していきます。
バリュー
ミッションに向けて活動していく上で、様々な意思決定が発生します。大きなところでは経営判断、小さなものでいえば日常的な言葉の選択も、意思決定です。この意思決定の判断で常にバリューに従う。そのためのシンプルでパワフルな価値判断の軸がバリューです。
クレド
バリューと近しいのですが、クレドは具体的な行動指針です。行動の優先順位を決めるものとも言えます。誰を大切にするか、何についての責任を果たすのか。そのためにどのような行動をとるべきなのか。
以上のように整理できます。
忘れてはならない要素
これらを言語化し、組織の基軸にする上で忘れてはいけないのは「卓越したシンプルさ」と「ローコンテクストであること」です。
自身が携わってきた実体験の中での反省もあるのですが、多すぎるものはまったく人に覚えてもらえません。
マジックナンバー7±という考え方を聞いたことあるかたもいらっしゃるかもしれません。
7つ前後が人が覚えられる数のまとまりであるという話です。当時の私はそれを信じてました・・・。
実際には噂話に過ぎないレベルのものであって、ネルソン・コーワンが2001年に発表した論文によれば、短期記憶の限界は3〜5個のチャンクであるとされています。
より多くの人に浸透させようとしたら、この幅のなかでも少ない方をとるべきです。
バリューやクレドはいくつも列挙しがちですが、シンプルに要素を「3つ」に絞るというのが上限ではないかなと感じてます。
卓越したシンプルさというのはつまり、言葉上のシンプルさもありますし、要素上のシンプルさ、両方が重要です。このあたりが上手だなとおもうのはやはりメルカリ社でありまして、常に発信しているのはミッション+バリュー3つ(計4つの要素)です。
ローコンテクストであるというのは、言葉上のシンプルさと連動するのですが、要素を絞る中で欲張らないということです。
沢山言いたいことがあって、要素数をしぼらないといけないから、つい抽象的な言葉、両面的に採れる言葉を選び、解釈で逃げようとしてしまいます。
それでは結局どう解釈するんだ問題が運用フェーズで勃発して、うまく浸透しません。
ここでの問題は言葉選びと言うよりは、要素の優先度をつけきれないことなので、あらためて何を大事にするのかをミッション、ビジョンから落とし込んで決めなければなりません。
ミッション、ビジョン、バリュー、クレド。
これらの概念は非常に大切ですが、その形にする上での「シンプルさ」が抜けがちなので、ここは本当に慎重に絞り込んでいく方が、運用される=生きた言葉になっていくと思います。
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