そんとくさんとあっけらかん（損得さんと呆気羅漢）Pt.10

羅漢ちゃんは図鑑や伝記を見るのが好きです。
（へ～こんなんもあるんや…　あんなんもあるんや）
（この人カッコええな）とか思いながら
ぱらぱらといろんな色や形を見るのが好きです。
だから毎週、そんとくさんが漫画買いに行く時、
一緒に本屋さん探索に行きます。

入り口で二手に分かれ、探索するコーナーは違うのですが、
二人とも新刊図書や話題の作品については
かなりの情報を持っています。

そしてそんとくさんの買った漫画を回し読みして
お楽しみタイムの一日は暮れていくのです。

二人ともそれぞれに、一番好き…の順番は違うのですが
異世界に旅して帰ってきます。
どきどきしたりはらはらしたり
わくわくしたりいらいらしたり…

「英雄なんておらんのや」
「あんなん漫画やTVの中だけで、そんなん見てる間にしっかり勉強せなあかん。現実は厳しいや　て　母ちゃん　言うとったわ」と　
偉そうに　偉そうな顔した　声が聞こえます。

だけど　そんとくさんも羅漢ちゃんも思うのです。
どんなにしょぼくれて元気なくて、　いらいらしたりむかむかしたり
嫌だ嫌だ　あ～嫌だの時だって
漫画見た後　元気になってるやん。
涙流して　忘れてるやん。
そんな　誰かを喜ばせること出来るって　英雄やん!!
それこそヒーローが　その中にいっぱい居るんや!!

涙もろい羅漢ちゃんが、読み終わって涙一杯ためた目にbye byeして　
そんとくさんは駆け足です。
そんとくさんを（漫画を？）得江さんは待っています。

｛続く｝

I(ai)

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