短編

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彼と君との物語り4(始まり)

彼の居場所も 人も歩く道も
随分違う景色になって
君は 遠くから見ているだけだったね。

おぼろげに君は思っていたよね。

彼は一度、地に足つけた生活を
自ら選んで生きてみなければ。と

此れまで何不自由なく、
望むことを遮るものも無く

守られ、代弁され、

傷つく事も、生活に怯える事も
不安になる事も、
何も無い お山の大将の様に思えたのだから。

そんな彼が、結婚して生活するとか
出来るんだ

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嬉しい!!です
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彼と君との物語3

「えっ!!!!」と、“耳を疑う”事を初めて経験した君は
突然すぎる展開に、思考回路はパニック状態でした。

なんと応えていいのか、
思いも依らぬことで、

ただ 家族の、親戚中の、
一族の中では変人で問題児扱いされていた君は
反射的に、何と言えば良いのか、
家族に何と伝えたら良いのか、
言葉が見つからなかったのでした。

すぐの返答は無理だと伝え
其々の故郷に分かれた二人は、

暫くの間文通し、一

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ありがとうございます ♡
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彼と君との物語2

残された10日ほどの間
彼と君は同じ道を歩き、電車に乗り
同じ景色を見ては 感じていた。

話しても話しても尽きる事無く広がって行く会話の中に、
笑うことが、楽しみが、溢れるほどにある事を
君は初めて感じていたよね。

そして彼は お洒落でもあった。
ジェームス・ディーンを真似て
ダップリのビニールコートを羽織り
背中を丸め加減に歩いていたり、
白シャツにオーバーオールだったり
アロハに破れジーン

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えん・円・縁 ♡感謝
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彼と君との物語

ふいに ぽんと肩をたたくので
振り向くと彼がいた。

(あれ!!???)と云った顔して
「あっ! ごめん!!」と彼は言った。

人違いしたのは明らかで
そのまま行くのかと思ったら
隣の窓枠に寄りかかり、話し始めた。

真向かいにある図書館の窓も開けっ放しで
職員なのか学生なのか、ローラースケート履いて
棚から棚へ 図書を返している。

(へ~え 自由だな)と思いながら
ぼんやりと遠くの夏空を見てい

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ありがとう
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