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日本の四季・二十四節・七十二候を感じること

私のとても好きな本に『日本の七十二候を楽しむ - 旧暦のある暮らし - 』(白井明大 文/有賀一広 絵) という本があります。

この本を何気なく書店で手に取り読んでみて、日本には春夏秋冬の他に、二十四の節季と七十二の季節があることを知り大変驚きました。それ以来、3年以上の月日が流れていますが、日々の季節の遷り変わりをこの本が彩ってくれています。

夏至や冬至、立春や立秋など、子どもの頃からこれまでも季節の節目毎によく耳にしてきた言葉が実は二十四節の中の一つだとは知りませんでした。今日5月31日から6月4日までは、夏の2節目小満の末候「麦秋至る」の頃。麦が熟して、収穫するころ。うちの奥様の実家栃木県小山市では、まさにビール麦🍺の収穫の時期を迎えており、黄金色の麦畑と田植えを終えて伸び盛りの稲とのコントラストが見頃です。

次節は、芒種(ぼうしゅ)田植えの季節ですが、旧暦の頃と今を比べると稲の品種改良などもあり、昔より田植えは早くなったのかもしれません。一方麦畑の収穫は旧暦と同じようですね!

ずっと日本にいると忘れがちですが、こう言った潤いのある四季を体験出来るのは、素晴らしい日本の良さであり宝物だと思います。私は常夏の国も素晴らしく大好きですが、そこに長年住む友人が過去にあった出来事を何年前のことか知らないけど思い出すのが大変と言っていたのを思い出します。常夏の国はその言葉通り常に夏。着るものも、食べるものも基本的には一緒のため、何年前の夏のこと言った思い出し方は出来ないとみたいです。その時改めて、「去年の春」のように記憶を辿る事が世界中どこでも一緒では無い事に気付かされました。

そう考えてみると四季の変化があることが、私たちが持つ様々な感覚を常に刺激してくれている事がわかりました。視覚からは草木や空の彩を、聴覚からは川のせせらぎの音や鳥、虫の鳴き声を、嗅覚からは四季折々の空気と風の香りを、味覚からは四季折々の旬を、触覚からは日々の気温の変化を感じる事が出来ます。ちなみに今の「麦秋至る」ころに麦畑を吹き抜ける初夏の風を、麦嵐(むぎあらし)と呼ぶようです。

今日ご紹介したのは1年の中の一つの節と候ですが、本を読んでみると節・候の表現が昔からの日本の農耕文化に深く根付いていることもわかります。新しいもの素晴らしいのと同じように昔から変わらず受け継がれてきた日本の文化も素敵だなと思います。

春夏秋冬をさらに細かな節・季節に分けて楽しむと日々の生活にもさらに刺激と活力が生まれてきます。皆さんも是非、日本の四季・二十四節・七十二候を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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